兼業中心の農業転換 コメ補助金、既得権にメス

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11704670U7A110C1NN1000/

現行のコメ補助金でとくに弊害が大きいのが飼料米制度だ。コメをふつうに作るだけで標準的な補助金を出すという甘いルールが原因。緩い基準を受けて多くの農家が飼料米の生産に走り、主食米の生産が減った。そのあおりで米価が高騰。家庭でご飯を炊く機会が減るなか、コメ消費を支えてきた中・外食業界が収益性悪化に悩まされている。

日本の農家の約7割は兼業で、その多くがコメを作っている。兼業中心の農業構造は日本が高度成長の時代、都市と農村の収入の格差を防ぐうえで大きな役割を果たした。だが片手間の農業では栽培技術や効率面で国際的な競争力をつけることが難しい。

農家の高齢化が極限に達し、大量引退が始まったことが農業危機の根幹にある。危機を打開するには、専業農家を軸とする農業にすべきだとの認識が広まりつつある。

日本の農業政策の歴史から見ないといけないと思います。ポイントはムダをカットして日本の農業を強くすることでしょうね。


野菜不作 調達を多様化 スーパーが輸入拡大 松屋は代替品でサラダ

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO09911690U6A121C1TI1000/

8月の台風や9月の長雨の影響で北海道や東北、関東産の野菜の一部でも出荷量が減った。年明けから春先にかけて「北海道産から九州産に切り替えるジャガイモなども今後、品薄になる懸念がある」(スーパー大手関係者)という。

松屋フーズはサラダに使う北海道産トウモロコシが台風の影響で調達できなくなったため、10月中旬から代替品に切り替えた。リンガーハットは12月から主要商品に使うトウモロコシをエンドウ豆の若菜である豆苗に切り替える。

国産野菜は9月以降高騰が続く。11月中旬時点で東京都中央卸売市場の野菜全体の卸値は前年同時期比で6割高い。長雨による日照不足で幅広い種類の野菜が値上がりしている。特に風雨にさらされる葉物野菜で値上がりが顕著だ。

5割~3倍くらい高いので、困ったものですが、これを機にスプラウトが注目されているのでうまく使いたいところです。


果物畑 温暖化が迫る変革 新品種の挑戦、量がカギ

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO08980900R31C16A0TZD000/

愛媛県宇和島市は近年、特産の温州ミカンで皮が離れてしまう「浮き皮」や、やけどのような痕ができる「日焼け」など高温による被害が多発している。一方で、気温の上昇で新たな作物の栽培ができるようになった。JAえひめ南はイタリア原産で高温に強いブラッドオレンジの生産を始めた。

毎年、種や苗を植えるコメや野菜なら、高温に強い品種が開発されれば入れ替えは容易だ。気温の上昇に応じて田植え時期をずらすなど対応もしやすい。しかし果物は、一度植えると同じ樹木から数十年にわたって収穫する場合が多い。「桃栗3年、柿8年」と言われるように、植えてから収穫が可能になるまでに時間もかかる。そのため、気候変動への対応には長期的な視点が必要となる。

岐阜県関市で衣料品の小売業を営む古池さんは07年、南米原産のパッションフルーツの苗を地域の商店に配った。夏の直射日光を遮る「緑のカーテン」として利用してもらうためだった。翌年、苗を試しに自分で露地栽培してみたところ、予想以上によく育って実をつけた。10年に生産組合を設立。耕作放棄地を借りて本格的な栽培を始めた。

自然には適応していかないといけないんでしょうけど、同時に栽培技術の進化も促す好機と捉えることもできるかと。


「稼ぐ農業」へVBが支援 農業総研、「直売」で手取り倍 ルートレック、水と肥料を自動で

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO08424490V11C16A0TJE000/

和歌山県紀の川市の田中さんは兼業農家から専業農家に転身した。田中さんを支えるのが農業総合研究所だ。全国の生産者から、全国約60カ所の集荷場に農産物を集め、約700店の提携スーパーに出荷する。農産物は一般的にJAや市場、仲卸を通すため、生産者の手取りは末端価格の3割程度とされる。農家の直売所は農業総研とスーパーの手数料を引いても65%が手取り収入になる。

熊本県八代市のトマト農家、山本さんは、作付面積を従来の倍に拡大した。しかし水と肥料やりの時間が大幅に減り、作業員を増やさなくてもこれまでの2倍の量のトマトを収穫できた。山本さんの規模拡大を支えたのが「ゼロアグリ」だ。ルートレック・ネットワークスが開発した。センサーの情報から最適なタイミングと量の水と肥料が自動的にパイプ内を流れる仕組みだ。

プラネット・テーブルはJAルートに乗りにくい規格外の野菜を業務用に流通させる。主に都内の飲食店に卸す。例えばスープに使う場合、形状は関係ない。スマートフォンで1個から即日配送するため、開始から1年で全国3000の生産者、900の飲食店が利用している。

非農家出身の新規就農者が増えているそうです。ITのスキルや知識がこれからの農業には必要でしょうね。


サラリーマン、農を担う 相次ぐ企業参入 雇用22万人 「選ばれる産業」には遠く

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO07405490Y6A910C1NN1000/

就農人口はこの10年ほどで100万人以上減り、200万人を割り込んだ。担い手はこの先も減り続けることが確実視されているが、実はそれと同時に進んでいるのが農作業などに従事する「サラリーマン」の増加だ。「常雇い数」は、10年で9万人以上増えた。農業法人はこの10年で倍増した。

農業は季節によって作業量が変動しがち。稼ぎ時に波がある農業法人は多い。安定した待遇を望む求職者とは乖離が生じやすい。その隙間を埋めようと、アルバイトの争奪戦が熱を帯びている。ビズリーチが実施した調査が話題となった。「接客」「配膳」「仕分け」といった常連組に続く4位に、つぼみを間引きして花や実を大きくする園芸作業「てきらい」が入った。求人の増加率は1.6倍。「農作業」の求人も1.55倍に増えた。

農業の「稼ぐ力」も高まっていない。茨城県の法人では正社員の基本給の相場は「17万~18万円程度」(同県の農業向け人材仲介業者)。日本農業法人協会によると、売上高1億~3億円の農業法人の14年の従業員1人あたり売上高は1487万円と、10年前と比べて28万円増にとどまった。流通構造が複雑な肥料や農薬といった資材の平均価格は韓国の2~3倍にもなる。農水省によれば14年の平均的な農業法人は各部門が軒並み営業赤字だった。補助金や共済金で穴埋めするケースが多い。

ビズリーチ調査の求人4位に摘蕾が入ったのは興味深いです。コメは特に稼げないんですね。


農政「秋の陣」小泉氏の戦略 自民、全農改革の議論再開へ

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06688260R30C16A8EA1000/

小泉氏は農政改革への提言を10~11月にまとめる。本丸の全農は資材を農家に卸し、農作物を流通に仲介する巨大な「農業商社」。小泉氏は全農が生むコスト構造が農業の競争力を低下させたとして組織改革や関連業界の再編を訴えてきた。

党も農業の競争力を強化する改革には積極的だ。だが全農や企業の利益構造を大きく変える急進的な改革には反発が強い。小泉氏は秋に向けて改革派との連携や世論づくりに取り組んできた。

党の議論が始まれば、改革の行方を左右するのは党内の力学だ。「あんまりやりすぎると進次郎が孤立するからね」と党農林族。狙うのは時間切れだ。全中の奥野氏も来夏に会長選を迎える。二階幹事長の動向もカギを握る。全農の中野会長は、党本部に二階氏を訪ねた。昨年の全中改革の最終局面では当時の万歳会長が二階氏の地元、和歌山県まで赴き陳情、二階氏が自派閥の西川農相を党本部に呼び、改革案を緩めさせた経緯がある。

構図が少し分かりました。JAの中でも改革派と保守派がいるんですね。小泉氏が組むのが改革派。しかし党内の力学も強い。


果物、国内産崖っぷち? シルバー消費頼み限界

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06396750T20C16A8TZD000/

イトーヨーカドーアリオ亀有店の果物売り場では、売れ筋のキウイフルーツが目立つ位置に並ぶ。「美容と健康によい」とのイメージが定着し、日常食として購入する人が増えている。仕入れを担当する佐久間さんは「この5年ほどで人気が高まり、主力商品の一つになった。仕入れ価格が安定し、販売する側も扱いやすい」と解説する。対照的にスイカやメロンなどは苦戦が続いている。皮をむく手間がかかる果物や、核家族化や単身世帯の増加で少人数で食べきるのが難しい大型の果物などは敬遠されがちだ。

果物全体をみると、キウイのような成長株はごく一部。果物全体の消費額は伸び悩んでいる。日本人1人当たりの果物摂取量も減少傾向にある。JC総研が実施した調査によると、「果物をほぼ毎日食べる」人は70歳代以上で49.2%なのに対し、20歳代以下は8.7%にとどまる。

日園連の嶋田さんは「果物の生産者にとっては量の確保も大切。日本人全体の果物摂取量を増やさないと国内の果実産業が先細りになる」と警戒する。果物の国内市場のうち、国産品は約4割で、約6割は輸入品が占める。市場が拡大しているキウイやバナナは輸入品が中心で、国内の農家にとってはむしろ脅威だ。TPPが発効すれば輸入品との競争は激しさを増す。

キウイは小さいですし健康効果が知られているので成長株だそうですが、大型の果物などは不人気なようです。親世代は確かによく食べているイメージです。


大手旅行各社 農業×観光、地方に誘客 近ツー、農園リゾートに参画 日本旅行、修学旅行で農業体験

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06186980X10C16A8TI5000/

KNTCTは、千葉県香取市で農園を使ったリゾートを手がけるザ・ファームの経営に参加した。農園での収穫体験やとれたて野菜を使ったバーベキューも楽しめるようにした。宿泊料金は季節によるが大人1泊で7560円から。

日本旅行は滋賀県で農業観光を手がける。修学旅行で農業を体験できるプログラムをJAおうみ冨士と共同開発した。地元特産の野菜の種まきや苗の植え付けをしたり収穫したりする。来年以降に実施する修学旅行向けに提案していく方針だ。

都市住民を農山漁村に呼び込む狙いから1995年に農山漁村余暇法が施行された。農林水産省の調査によると、農産物直売所が年9000億円を超える市場を形づくるなか、農業体験ができる観光農園の市場は約360億円、農家民宿は約50億円にとどまる。農村体験を組み込んだ旅行の本場とされる欧州と比較すると、まだ伸びる余地はあるとみられる。

ザ・ファームのようなキャンプ場はグランピングと呼ぶそうですが行ってみたいと思います。日本も農業観光の機運高まってますね。


キューバ第1副議長「日本の協力に期待」 農業や医療など、市場メカニズム導入

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM02H8X_S6A600C1FF2000/

日本の対キューバ貿易額は1975年に過去最高の2300億円余りに達して以来、減少傾向が続き、2015年はわずか67億円。経済関係が冷え込んだのは、米による経済制裁に加え、キューバ政府が日本政府や企業向けの債務返済を遅延させたのが要因だ。

90年代から続いた民間・公的債務の再編交渉も15年のパリクラブと合意するなど一応の落着を見た。15年には岸田外相が訪問し、本格的な無償資金協力の開始などで合意。経済関係の立て直しに向けた環境は整いつつある。

現在、キューバに拠点を持つ日本企業は十数社だが、ディアスカネル氏は「こうした企業とすでに協業に向けた対話を続けている」と表明。農業や交通、医療、観光などの分野を挙げて日本企業への協力を求めた。

40年前と比べると日本の対キューバ貿易額は3%。観光地としても面白そうですし、これからより熱くなりそうです。


「農協支配」改革進むか 生乳、与党内にも慎重論

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO02339910V10C16A5NN1000/

搾りたての生乳は腐りやすく、季節によって需要の変動が大きい。こうした取り扱いの難しさが需給調整役の農協に流通を一本化する際の根拠になった。JA全中の奥野会長は「熊本地震でも全国の指定団体が連携し、被災地の生乳を素早く処理した」と制度の意義を主張する。

問題はバターが不足しても、酪農家の増産意欲が高まらない点にある。明治ホールディングスなどの大手は過去最高益だが「酪農家のコスト上昇分はすでに吸収した」として値上げを拒み、酪農家の手取りは伸びないまま。規制改革会議は「指定団体の交渉力は弱く、肥大化した弊害の方が目立つ」と指摘する。

規制改革会議が目指した制度廃止には踏み込めず、当面は法的な指定が残るホクレン農業協同組合連合会などが一定の支配力を保つ。農協を離れる酪農家も全体の3~5%まで増えたが、農協にとどまる酪農家が大多数だ。今後は生産者と消費者が納得できるような改革の着地点を見いだす必要がある。

どこかでこの悪しき構造にメスを入れる必要はありますからね。消費者志向は無視できないと思います。