アートで社会変えたい 芸術家と市民、協働プロセスが作品 3.11契機に広がる

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13920970Q7A310C1BC8000/

東京都港区の笄小学校で4年生の子どもたち50人とメキシコ出身のアーティスト、ペドロ・レイエス氏がシャベルで穴を掘り、キンモクセイなどを植樹した。レイエス氏が2008年から続けるプロジェクト「銃をシャベルに」の一部をなすイベント。プロジェクトの動画記録はアーツ千代田3331で開かれた「ソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA)展」で公開された。主催するNPO法人アート&ソサイエティ研究センターによると、同展は「SEAを本格的に紹介する日本初の展覧会」(工藤代表理事)という。

「1960年代に米国で始まった若者の反体制運動の影響がアートの世界にも及び、アートを通じて社会や人々の意識そのものを変革しようという動きが出てきた。日本では2000年代以降、特に東日本大震災をきっかけに顕著になっている」と工藤氏は指摘する。

英テートのアナ・カトラー氏によると、同館は2011年に「教育」ではなく「学び」担当のディレクターを置いた。作品を見ながら美術史を勉強する従来型の「教育普及」活動から、ワークショップ型のイベントに軸足を移している。「SEAのようにインタラクティブなアートが増えてきた状況に、美術館も対応する必要がある」(森美術館の南條館長)

Socially Engaged Artと呼ぶんですね。ただ鑑賞するだけでなく、よりインタラクティブで体験型というのが特徴。


米アカデミー賞、大統領批判相次ぐ 「分断、戦争に偽りの正当性」「全ての移民のための賞」

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM27H8D_X20C17A2EA2000/

外国語映画賞に輝いた作品「セールスマン」のイラン人のファルハディ監督はイスラム圏7カ国の市民らの入国を禁止したトランプ氏の大統領令に抗議して授賞式を欠席した。

メキシコ人俳優のガエル・ガルシア・ベルナルさんは長編アニメーション賞の候補者を読み上げる際、「メキシコ人として、ラテンアメリカ人として、人間として、私たちを分断する壁の建設に反対する」と表明。

授賞式の会場には、移民の支援などに取り組む人権団体、ACLUへの支持を意味する青いリボンを身につけたハリウッドスターの姿もみられた。アカデミー賞は昨年、主要部門の候補者が白人に偏り、主催団体が「人種差別」と批判された。

このような機会を利用して政治的発言をバンバンする点で日本とは大きく違うのだなと思います。


若き美術家に創作の糧 作品売る力 展示会で鍛える

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13096470Z10C17A2CC1000/

画家の与倉豪さん。「このままでは若い才能が埋もれてしまう」という危機感が原動力だ。2016年度の大学美術系学科の志願者は約1万人で、女性が大半を占める。実学志向が強まり、人気は低落傾向だ。

美術家はいかに生計を立てるべきか。講座では知識や技術でなく、作品を売るためのノウハウに重点を置く。「大金を稼ぐ必要はない。次に描く絵の画材代さえ回収すれば、創作を続けられる」若手を育てたいという講座の趣旨に共鳴した百貨店と、合格すれば店内で展示できるオーディションを開始。そこから派生して生まれたのがEGCだ。

活動の素地には若き日の苦労がある。芸術に造詣が深かった父は「食べていけない」と美大入学に反対だった。学費や画材代を稼ぐため、深夜にビルの建設現場で歯を食いしばり、百貨店屋上で戦隊ヒーローの着ぐるみをまとった。「創作の主眼を換金に置くべきではない」。活動を快く思わない画壇の声が届くこともあるが、「壁を作って閉じこもっていてはダメ」と思う。

素敵な活動だと思います。アートの世界でも、作品を売るためのノウハウはかなり重要だと思います。


現代アーティスト 小松美羽さん 過去に向き合い 異形を世に問う

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転機は「解放せし場所」という短大への入学。人から理解されない絵で親を心配させないよう封じていた個性を解放した。「追い求めていた強い線が出せる」銅版画との出合い。「誰が悪く言おうと、描きたいものを描きなさい」と恩師、小川名誉教授の助言も背中を押した。

「描くことは、難しい人間関係から逃げ続けた過去と向き合い、清算するための作業。逃げてきた思い出を見つめ直さないと次に進めない」短大時代の作品には、幼い自分との対峙をモチーフにしたものもある。卒業制作の「ちょんこづいてた頃」は、大きな瞳の異形の生き物が背後から刃物で刺された場面だ。「学校に行きたくなくて、親が諦めるまでトイレに籠城した自分」。

卒業後は画廊のアルバイトをしながら、訪れるキュレーターやコレクターに作品を見せて世に出る機会をうかがった。だが祖父の死を題材にした代表作も酷評された。限界を感じ、故郷に戻る準備を始めた頃、バーに飾られた絵を偶然目にしたプロデューサーに見いだされ、メディアへの露出も急増した。「美しすぎる銅版画家」。初めは嫌いだった呼び名も「美術に興味がなかった人が、私の作品に共感してくれるチャンスを増やしてくれた」と受け止めるようになった。

存じ上げませんでしたがブレークポイントの話など興味を持ちましたし、希望を感じました。


CGにあらず陶芸なり デジタルイメージを立体物に、実像と虚像の境目を問う 増田敏也

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大阪の下町に生まれ育ち、美大に進学した。専攻したのは金属工芸で、鋳物の作品を作っていた。そのころから考えていたのが、「2次元のイメージを3次元化する」ということだった。そんな発想が出てきたのは、私がファミコン世代であることが大きいだろう。1977年生まれの私は、ファミコンにどっぷりはまった。

ボトルやグラス、鍋、セロハンテープ台、蛇口、コンロ、消火器、三輪車……身の回りのあらゆるものをモチーフにした。原則として作品は実物大で、これまでに150作品ほどを制作した。

実像と虚像の境目があいまいになっている今、「現実を見る」とはどういうことかと考えないではいられない。そんな問いを内包した作品を世に出し、残すことで、自分が生きている時代のリアリティーを後世に伝えたい。それがデジタルの普及以前と以後をともに知っている自分の役目だろうと思っている。

「イメージとは何か」「実像と虚像の境目」「現実を見る」「自分が生きている時代のリアリティー」などハッとするフレーズがありました。


現代アート、ビジネスを刺激 ベンチャー経営者が収集家に 第三世代、経営哲学と共鳴

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「コンセプチュアルアートは、いわば社外取締役」と語るのはストライプインターナショナルの石川社長(46)。「作家は常に新しい発想が求められる。ビジネスも同じで、変わらなければ終わる。本では学べないクリエーティビティをアートから吸収できる」。作品に刺激を受け、アパレルのレンタルなど新たな事業に挑戦したこともあるという。

「ゾゾタウン」を開設し、その数年後から収集を始めたのがスタートトゥデイの前沢社長(41)。「大胆で繊細。静と動のバランス。固有なものへの昇華。その全てが美しいビジネスを創るための重要な要素」という。アートの刺激をビジネスに生かすのが彼らの共通点だ。

近代以降、多くの実業家が美術界に貢献した。建畠多摩美術大学学長によると、西洋美術を集めた大原孫三郎氏や日本美術の国外流出を防いだ根津嘉一郎氏らが第一世代、現代美術を集めたセゾングループの堤清二氏やベネッセホールディングスの福武総一郎氏らが第二世代だ。建畠氏は「第一世代は企業とコレクションの直接の関係はなく、使命感で収集した。第二世代は企業イメージと文化戦略が重なる」と語る。石川氏らを第三世代に位置付けた上で「アートに対する感受性が鋭敏で、コレクションが経営者としてのポリシーと強くシンクロする、新しい潮流。個性的なコレクションは、日本の美術界を多様化させ、面白くするだろう」と評価する。

なるほど現代アート。興味持ちました。感性がビジネスを刺激することは大いに有り得ると思います。