欧州、テロ脅威再び 社会不安、政治にも影

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM20HBG_Q6A221C1EA1000/

事件の背景はなお不透明で、欧州社会に底知れぬ不安が広がる。ドイツには2015年だけで100万人超の難民が殺到した。仮に難民として入国した人物が犯人なら、難民に対する視線は一段と厳しさを増すだろう。

民間施設など「ソフトターゲット」は警備が難しい。クリスマス市は大小合わせ、ベルリンだけで約80カ所もあるとされる。大規模なものは警察車両が配備され、ある程度の治安対策は講じられていた。だが数が多く、交通をすべて遮断し、手荷物検査を実施するといった措置は取りにくい。

欧州はこれから選挙ラッシュを迎える。来秋に連邦議会選挙があるドイツでは、難民排斥を訴える民族主義政党AfDに追い風が吹く。一方、寛容な難民政策を掲げてきた与党は難しい対応を迫られる。

民間施設などソフトターゲットは警備が難しいとのこと。ドイツ、オランダ、フランス選挙にも影響を与えそうです。


欧州、反EU派に勢い スペイン総選挙で新興政党躍進か 英の投票契機、仏独で反難民勢力台頭

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM16H9L_W6A610C1FF2000/

英国民投票後に総選挙が行われるスペイン。世論調査によると、国民党は過半数に届かず、第2党に急進左派のポデモスが浮上し、社会労働党が第3党に転落する。ポデモスはEU離脱を訴えず、移民・難民問題に比較的おおらかだが欧州委員会主導の緊縮財政に反発。市場は同党が政権を握れば「財政再建路線が緩む」と警戒する。

フランスでは2017年に次期大統領が選出される。失業率の高止まりから、オランド大統領の支持率は就任以来最低水準にあり、再選は難しいとの見方が増える。極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首は反移民、反EUを掲げて支持を広げている。FNは政権を取れば、EU離脱を問う国民投票を実施すると約束している。

来秋にかけて総選挙を控えるドイツでも民族主義政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が有権者の心をつかむ。議席を確保し、メルケル政権の継続に一定の影響を及ぼす可能性がある。

続々と政治日程が。それぞれ経済状況や抱える問題は違いますが、既存政権への不満が渦巻いているのは事実で、分かれ目かと。


ビジネスの街でクールジャパン 独デュッセルドルフ、企業進出とコスプレ共栄

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO03239770U6A600C1CR8000/

デュッセルドルフ市には同国最大、欧州でも3番目に大きい日本人コミュニティーがある。戦後復興期に始まり、ビジネスを軸にした日独交流の拠点になってきた。近年はアニメをはじめとする「クールジャパン」を体感できる街としても存在感を発揮している。

デュッセルドルフ市は鉄鋼、化学などの重厚長大産業が集まるNRW州の州都。戦後復興期に商社、鉄鋼関連企業、銀行が進出し、日本人コミュニティーの形成が始まった。

NRWは通信、ファッションなどの顔も持ち、日独の経済的な交流は瞬く間に裾野を広げた。現在、市内で7千人、NRW州全体で1万4千人の日本人が暮らす。学校や日本の食材を扱う店が充実し、ラーメン屋や日本式の居酒屋、理髪店もそろう。

デュッセルドルフに大きな日本人コミュニティーがあることを知りませんでした。ポップカルチャーのメッカでもあるとのこと。


IoT使った生産、日本勢が独を追う 独産業見本市 トヨタが新設備に全面採用、富士通はマイクロソフトと提携

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO00259360Y6A420C1TI1000/

2000年代の日本の製造業は円高局面でも国内にものづくりを残そうと生産の効率化に取り組んだ。ロボットや制御機器による自動化で世界に先駆ける一方、新技術のIoTで出遅れた。

トヨタ自動車は今後新設する世界の工場で、すべての生産設備をネットワークでつなぎ、ラインの稼働率向上につなげる。富士通はMSと提携し、世界に拠点を持つ製造業向けに、全工場の現在の状態を可視化するシステムの構築事業に乗り出す。

ドイツの製造業は自らができない技術を補完するため他社と協力する仲間作りが得意で、大手だけでなく中堅までIoTのシステム開発に乗り出す企業が目立つ。「カイゼン」「カンバン」「セル生産」など製品や部品を作り込む日本企業の生産技術は世界に知られる。ネットを使って管理の質を引き上げ、製造業の仕組みを作りかえる次のステージでの競争が始まった。

企業の協力が当たり前のドイツは、国の後押しもあってIoTが浸透しやすいのだと思います。日本はカイゼン等ではリードしましたが企業風土的にどうでしょう。


独「キロン大学」、難民に無料で高等教育 国内外に支援の輪

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO95572530V21C15A2TCP000/

ドイツで難民を対象にしたオンライン大学「キロン大学」が話題を呼んでいる。無料で学べ、大学が実際のカリキュラム策定や語学の習得で連携する。「難民が高等教育を受けるための障壁を取り除く」。支援活動に携わる民間団体が立ち上げた。

1年目は語学や一般教養から始まり、2年目には本人が学びたい専攻を選ぶ。選択肢はビジネス、工学、建築、コンピューターサイエンス、異文化研究の5つだ。難民の多くはスマホを持っており、授業を受ける障壁は高くないという。

ドイツは難民にとって就労の場としても魅力的だ。ドイツの文化交流機関「ゲーテ・インスティトゥート」などがキロン大学“卒業”後をにらんだドイツ語コースでも協力するなど、国を挙げた取り組みになっている。

これはまたスピード感のある取り組み。ハーバードなど賛同大学もこれまたスピーディー。


ドイツ 女性監査役3割の挑戦

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO93592550T01C15A1TY5000/

大企業に監査役の30%以上を女性にすることを義務付ける制度がドイツで2016年1月始まる。通称「フラウエンクオータ(女性クオータ制)」。監査役会は日本と違い、取締役の選任・解任などの権限を持つ。法成立以来、企業はこぞって女性の幹部登用に動き出した。

対象はまず従業員2千人超の大手上場約100社だ。16年1月以降に選ぶ監査役から適用する。すでに達成したのはドイツ銀行や通信大手のドイツテレコムなどにすぎない。ドイツ経済研究所によると14年の上位200社の監査役会の女性比率は2割弱だ。

経済界には「女性比率を強制的に定めても(男性中心の現状を打破する)根本的な解決にならない」(ドイツ使用者連盟)との声が根強くある。それでもメルケル政権が踏み切るのは、幾度となく策を講じても女性登用がほとんど進まなかったからだという。

ドイツも日本と同じく少子高齢化という問題があるようです。フラウエンクオータで強制的に女性の企業参加を増やすのはすごい。日本もいずれそうなるか。


VWブランド失墜 業績悪化は不可避 信用回復に1~2年の見方

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM23H6Q_T20C15A9FF2000/

今回の不正を巡るVWの対応は素早い。それでも消費者向けビジネスの最大の価値であるブランドが失墜したことで、トップは交代せざるを得なくなった。独メッツラー銀行のアナリスト、ピーパー氏は「VWが信用を回復するにはこれから1~2年はかかる」と指摘する。

課題の一つは急拡大で生じたひずみの是正だ。ヴィンターコーン氏が社長に就任した2007年に「18年に1000万台」という目標を掲げ、中国での生産能力を拡大し、高級車や商用車のブランドも次々に傘下に収めた。14年には1千万台に達し就任時から売上高はほぼ2倍。ところが、その背後でコストは膨らみ続けた。14年12月期の売上高営業利益率は6%と、トヨタ自動車(15年3月期)の10%に劣る。

新車販売では、お膝元の欧州市場を除き、VWが強い中国や南米、ロシア市場は軒並み厳しい。1~6月の世界販売ではトヨタを上回ったが、8月まで5カ月連続で前年実績を割り込んでいる。中国は19年に年産能力500万台体制にする計画を公表するなど、最近まで規模拡大を志向してきた。新体制はこうした問題にどう切り込むかが問われる。

ドイツの信用失墜にも繋がるのでは。逆にライバルであるトヨタが消費者から選ばれるという流れは間違いないでしょうね。


難民クライシス 揺らぐ価値観(上)ドイツの理想、共鳴少なく

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO91877960Y5A910C1FF2000/

欧州でドイツが突出して多くの難民を受け入れるひとつの理由は、国民や政治家が自国の歴史をそこに重ねているからだ。ナチスの贖罪という面もある。国際貢献で対外イメージをよくしたいという潜在意識が根付いている。

決定打になったのは、この5~6年で育った自らの政策への自信だろう。強い企業と低い失業率。財政黒字も手に入れた。次に挑戦するのは多様性というわけだ。他人の目線を気にするドイツは自らが「モデル国家」となり、欧州全体をけん引したいとの思いがあるが、それは不発気味だ。理想に共鳴するのは、冷戦時代に中立国だったオーストリアと人道国家スウェーデンだけだ。

豊かで経済が底堅い北部欧州が重い負担を背負うのは、ギリシャの金融支援と同じ構図だ。EUは加盟国で難民引き受けを分担する案を示すが各国の反応は鈍い。グローバル化で後れを取る中・東欧諸国では異文化に対する拒否反応が大きい。経済が低迷するフランスも、それほど多くの難民を受け入れられない。

欧州をリードする理想国家を目指すドイツ。その背景にある歴史やメルケル氏の政策への自信も垣間見えました。


難民1万3000人、独に到着 今年、申請200万人迫る EUに試練

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM06H4A_W5A900C1FF8000/

難民らの多くは国内通過を渋るハンガリー政府に足止めされていたが、窮状を見かねたドイツとオーストリアが受け入れを表明。バスや列車などで両国に向かっていた。ドイツではNGOなどが食料や衣服などの支援物資を用意し、自治体が滞在施設を設けた。

シリア内戦が激化したこと。ISの勢力は衰えず、国外に逃れる人が急増。周辺国のレバノンやヨルダンがシリアからの避難民を抱えきれなくなった。欧州が次の目的地になった。東西冷戦の時代に比べ国境を越えるのは簡単だ。多くの国が国境線に大きな障害物を設けてはいない。

すでに親戚が欧州で暮らしている難民らも目立つ。資金面の支援があり、宿泊施設に泊まりながら列車やバスの切符を買って移動を続けている難民らは少なくない。いまもセルビアには毎日、数千人の難民が流入しているとされる。8割がシリア、残りがアフガニスタンやソマリアの出身とされる。多くの人が通過ビザなどを取得し、「合法的」に滞在する。

そもそも貧しい人は難民にもなれないということに問題の根深さを感じます。と同時にドイツの国際社会における信頼の高さも感じます。


再浮上する「ドイツ問題」 「半覇権」が周辺国に不安

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO88858390T00C15A7TZD000/

ドイツの存在がひときわ大きくなってきたのは、ギリシャの財政危機が表面化した2009年以降。労働市場と税・社会保障制度の一体改革を進め価格競争力が向上したドイツは、新たにユーロ圏に入った東欧諸国などへの輸出を急速に伸ばして、巨額の経常黒字を稼ぎ出した。その結果、高失業や財政赤字に苦しむフランスを尻目に「一人勝ち」の状態が続き、各国に強い経済的な影響力を及ぼす「盟主」ドイツの立場がはっきりしてきた。

「ドイツ問題」と言われるのは、帝国が欧州のどの国よりも大きいが、一国で覇権を求めるには小さすぎる「半覇権」国家だったことだ。政治、軍事、経済などあらゆる面で他の国を上回っていたが、なんでも強制できるほどの覇権はなかった。それが孤立と欧州の不安定とを招いてしまったといわれる。

現在も似た構図があるというのが欧州外交評議会のクンドナーニ氏らの見方だ。東西再統合、ユーロ導入を経て輸出大国、経済大国として復活、欧州の実質的な盟主となったが、影響力はあっても、金融危機などに際して、強い政治力、調整力を発揮できてはいないというのだ。

なるほどドイツ問題。このあたりも欧州の歴史を学ぶともっとよく見えてくるんでしょうね。