米ロ、思惑抱え仕切り直し シリア攻撃後初の首脳協議 対テロ軸に修復模索 北朝鮮対応、立場に相違

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM03H4Z_T00C17A5FF1000/

今回の電話協議はロシア側主導で実現したもようだ。クレムリンは「シリア危機を背景に、将来のロシアと米国の国際テロに対する行動の調整を話し合った」と強調し、対テロをテコに対話復活を目指す意図を示した。

トランプ氏はかねてIS掃討を最重要課題に掲げ、ロシアのウクライナ侵攻により冷え込んだ米ロ関係の改善を主張してきた経緯がある。米ロが対テロ協力を進めるには、アサド政権と反体制派の戦闘が続くシリアの停戦で折り合う必要がある。

北朝鮮情勢を巡る米ロの思惑の違いも浮き彫りとなった。ホワイトハウスは「最善策を協議した」とだけ発表。一方のクレムリンは「ロシア大統領は自制と緊張緩和を要請した」と指摘し、米国をけん制した。国連安全保障理事会では4月、中国も賛成した北朝鮮のミサイル発射を非難する報道声明についてロシアだけが反対し、文言を変更させた。

ISや北朝鮮を道具に関係修復という構図ですね。ただロシアは米中接近を警戒しているので一筋縄ではいきません。


シリア内戦の行方 米軍攻撃が問う人道的介入

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO15878450Y7A420C1TCL000/

国連憲章は原則として武力行使は禁じているのですが、国連決議がある場合と、自衛権を行使する場合という2つのケースを例外としています。トランプ大統領は「化学兵器の使用と拡散を防ぐことは、米国の安全保障の上で非常に重要な国益である」と強調したと報じられました。自衛権に基づいていれば、正当性があることを示したかったのでしょう。

指摘しておきたいのは、学生の意見にもあった「人道的介入」の是非についてです。1990年代。旧ユーゴスラビアを構成していたセルビアと自治州コソボの分離独立を巡る対立です。政府の住民弾圧が激しくなり、NATOは自治州の住民保護のため軍事介入しました。その是非をめぐって、国際世論は大きく揺れました。

住民保護はどこまで許されるのか。たとえばロシアはウクライナに介入し、クリミア半島を編入してしまいました。バルト3国では、リトアニアやエストニアにいるロシア系住民の保護を目的に、ロシアが介入するかもしれないという懸念が強まっています。

個人、国のもつ人道的介入観によって左右されますね。歪んだ介入観によっての軍事介入の懸念は強まっています。


イラン制裁解除 光と影 シリア安定に期待 原油に下押し圧力

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM17H25_X10C16A1EA2000/

国際社会にとって目前の脅威はISだ。そのためにはシリア内戦の収拾が必要であり、アサド政権に影響力を持つイランの関与が欠かせない。イランの国際社会復帰はこれに道を開く。

反作用もまた、大きい。スンニ派の盟主、サウジは米欧とイランの接近を苦々しくみている。シリアやイエメンの内戦はサウジとイランがそれぞれ支援する勢力による代理戦争でもある。

制裁解除はイラン市場をめぐる競争の始まりを告げる号砲だ。同国の石油・ガス資源へ向ける外国企業の視線は熱い。一方、制裁解除によって石油市場に流れ込むイラン産原油は価格を一段の下落に追い込みかねない。

経済的なメリットは各国ありますが、原油市場やシリア内戦の収拾の面では余談を許さない状況。


「イスラム国」包囲に亀裂 トルコがロシア軍機撃墜 シリア巡る対立背景 プーチン氏「裏切りだ」

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM24H94_U5A121C1EA2000/

ロシアはアサド政権を支援するため、IS掃討の名目でシリア領内の空爆を開始した。実際にはアサド政権と敵対する反政府勢力も標的にしているとされ、トルコのエルドアン政権はトルコ系トルクメン人も空爆されているとして不満を募らせていた。

トルコは反アサド政権で米欧などと歩調を合わせるが、IS掃討よりもアサド政権を支援するイランや、エルドアン政権と対立するクルド人の勢力をそぐことに主眼を置く。パリの同時テロを契機に欧米とロシアの協調機運が高まり、アサド政権の存続の是非を巡る問題が棚上げされることを懸念する。今後の交渉をにらみ、存在感を示すためにこのタイミングでロシア軍機の撃墜という強硬策に踏み切ったとみられる。

プーチン氏がトルコ側を強く非難した背景には、自国軍機への攻撃を不問に付せば政権の求心力が低下しかねないとの危機感があるとみられる。国際社会の敵であるISへの協力疑惑を持ち出すことで、トルコに対して外交的に優位な立場を確保する狙いも透ける。

トルコ側にロシアに対してたまっていた歴史的な鬱憤が暴発したものと思われます。負の連鎖が起きなければよいですが。


仏、対テロ戦に決意 大統領「空爆を強化」 市民、報復の連鎖を懸念 首相「シリアで犯行計画」

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM16HA7_W5A111C1EA2000/

なぜフランスが再度、テロの標的になったのか。フランスは2014年にイラク領内のISへの空爆を始め、シリア領内に広げた。同時テロの実行犯の一人が「シリアを攻撃した罰だ」と叫んだとの報道もある。

フランスでは政教分離が徹底しており、11年にはイスラム教徒の女性が顔などを隠すブルカを公共の場で着用することを禁止した。こうした動きを「差別」と感じ、社会からの疎外感を抱える移民系の若者が増えている。多くの移民を受け入れてきたフランスは「テロリスト予備軍」が、欧州で最多の2000~3000人いるという。

「シリアでの作戦を強化する」。オランド大統領は、国会議員らを前に力説した。仏空軍はシリア域内のIS拠点への空爆を実施。10機の戦闘機が20の爆弾を投下し、関連施設を破壊した。

報復が報復を生む連鎖が怖いです。国内のイスラム教徒の若者の不満を空爆では吸収できないと思います。


シリア大統領が電撃訪ロ プーチン氏、影響力誇示 内戦終結へ主導権狙う

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM21H4R_R21C15A0FF2000/

プーチン氏が内戦中で危険な立場にあるアサド氏をあえてモスクワに招いた背景には、同氏に一部の反政府勢力と対話をさせるなど事態の収拾を急がせ、軍事介入の長期化を避ける思惑もある。

アサド氏は長年、中東で最大の親ロ政権を率いてきた。「ロシアが身の安全や影響力保持を図ってくれるとの信頼感があり、異例の外遊に踏み切った」(欧州外交筋)。訪ロで後ろ盾であるロシアの存在を内外に示す狙いとみられる。

空爆支援だけではなお国土の半分以上を支配するISと反政府勢力に対して「政府軍が決定的に勝利するのは難しい」(ロシア国防省筋)。ロシア軍兵士の犠牲者が膨らめば、政権の支持率低下につながる懸念もある。ロシアの狙いはシリアでの親ロ政権の継続にある。当面はアサド大統領を支えつつ、近い将来同氏の退陣の見返りにアサド派やロシアの権益を認める体制に移行させる案が関係国間でとりざたされる。

シーア派vsスンニ派の代理戦争であると同時に、ロシアvsアメリカの代理戦争と観てもよいのでしょうか。


「ロシアはアサド政権加担」 「イスラム国」不在地域空爆か 米、反体制派標的と批判

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM01H4F_R01C15A0FF1000/

「無分別」「逆効果」「非生産的」。カーター氏はISがいないシリアでのロシアの空爆をなじった。ロシアに不信感を募らす米側はロシアのIS掃討にも懐疑的だった。言葉でこそIS不在地域の「可能性が高い」にとどめたが内部ではほぼ断定している。

米側が主導するIS掃討作戦は、シリアの反体制派を軍事訓練したうえで参加させる構想だ。この軍事訓練は進まず、その間にISの進撃は続く。オバマ米大統領らは成果は上がっていると繰り返すが、ロシアは有志連合が苦戦する現状を見抜いている。

ロシアがIS掃討の名を借りて反体制派を攻撃すれば、ISとともに米側が退陣を迫るアサド政権の存続にも手を貸すことになる。IS掃討の主導権をロシアに奪われた上にシリア情勢がさらに複雑になるのは必至だ。

やはりという感じですが。ロシアも「攻撃対象はISや他のテロリストだ」と認めていますし、ちょっと怖いですね。


米ロ、シリアで主導権争い ロシア「イスラム国」空爆 混迷、一段と深まる恐れ

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM30HA1_Q5A930C1FF1000/

ロシアはアサド政権からの支援要請を盾に国際社会に正当性を訴えている。米主導の有志連合は、アサド政権と戦うシリアの穏健な反体制派にISとの地上戦も担わせ、空爆で支援する戦略を描く。27日にはフランス軍もシリア領内のISに空爆を開始した。これに対し、ロシアは米国などの空爆は「国連安全保障理事会の決議もシリア政府の要請もなく違法」と主張する。

シリアの混迷が深まる中で欧州には中東からの難民が流入。欧州の一部ではシリアを安定させるためには、一定期間、アサド政権の存続を容認せざるを得ないとの声も強まっている。プーチン大統領はこうした欧州の足元も見透かし、シリア問題で米欧を分断する狙いがあるとみられる。

シリア内戦を巡っては米欧が反体制派を支持する一方、ロシアがアサド政権を支え、内戦の泥沼化とISの台頭を招いた。ロシアがアサド政権への軍事支援の強化に乗りだした9月以降、有志連合に参加するトルコなどシリア周辺国の首脳が相次ぎモスクワを訪問し、プーチン大統領と会談した。シリアをテコにロシアが中東で影響力を増していることは確かだ。

ロシアの質の悪さが際立ちます。IS掃討にこじつけて国際社会をかき乱しているようにしか見えません。


難民クライシス(下)揺らぐ価値観 扉閉ざすアラブ諸国 政治的主張、体制に脅威

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM14H9Y_U5A910C1FF8000/

アラブ諸国が難民の受け入れに消極的なひとつの理由は「政治的意見を表明する(他国の)アラブ人を警戒している」(コラムニストのスルタン・サウド・カセミ氏)ためだ。湾岸諸国は豊富なオイルマネーを元手に高福祉を提供する一方、国民の政治参加を制限してきた。自身の考えをためらうことなく表だって主張する難民の行動が自国民に影響し、統治体制を揺さぶるシナリオを恐れている。

もうひとつの理由は雇用だ。各国とも若年人口が急増し、若者たちに職場を与えることは深刻な課題となっている。自国民の雇用創出に必死となっている各国に、難民受け入れの余裕はない。

3つ目の理由としてシリア難民の特殊性がある。シリアの内戦ではアサド政権とISが抗争を繰り広げ、他の反体制派も相互に対立する複雑な構図がある。難民とともに宗教やイデオロギーの対立が持ち込まれる事態を各国は恐れている。

なるほど同胞のアラブ諸国はほとんど難民を受け入れてないとのこと。政治、雇用、宗教など危険因子をはらんでいるため。