ホワイトハウス機能不全 広報部長を任命10日で解任 政権の内輪もめ露呈

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM01H2B_R00C17A8EA2000/

ホワイトハウス職員を統括する首席補佐官は本来、大統領の日程を管理し、面会者の調整にあたる。強大な権限を持つため「影のナンバー2」とも呼ばれる。政権は「ケリー氏はホワイトハウスを運営するための全ての権限がある」(サンダース氏)と説明した。トランプ氏の娘イバンカさんとクシュナー上級顧問の夫妻もケリー氏への報告義務があるとした。

ホワイトハウスは娘夫婦ら大統領の親族、ペンス副大統領ら共和党主流派、バノン首席戦略官・上級顧問ら反エリート派の3つの派閥が権力闘争をしてきたとされる。政権内の力学はしばらく変わりそうにない。

その点で、トランプ氏にとって、どの派閥にも属さないケリー氏はホワイトハウスの立て直しを託すのに適任者だったともいえる。軍人出身で規律を重んじる性格もトランプ氏の好みだ。ケリー氏は首席補佐官を受ける条件に「全面的な権限の保証」を求めた。トランプ一家に起用された広報部長を解任し、就任初日にその力を誇示した。

内紛劇など、いずれ映画にでもなりそうです。親族、共和党主流派、反エリート派の3つの派閥があるとのこと。


パリ協定離脱と米国 透ける大統領再選の思惑

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19103220R20C17A7TCL000/

この決断を巡っては政権内部の確執が取り沙汰されました。この方針は側近の一人であるバノン首席戦略官・上級顧問が唱えていたものでした。これに対しクシュナー上級顧問はパリ協定にとどまることを主張していたからです。

そもそも共和党はエネルギー産業と深い関わりがあります。パリ協定は、エネルギー産業が被るダメージが大きくなります。石炭産業を守る政策として、協定離脱は労働者に直接響くメッセージなのです。

2018年には米連邦議会の上院・下院の中間選挙があります。勢力を維持し続けるには、有権者にうけのいい雇用を最優先する内向き政策を取らざるを得ないのです。というのも、ロシアゲートの捜査次第では、政権への逆風が強まる可能性があるからです。

パリ協定離脱とエネルギー産業、選挙、内向き政策、ロシアゲート、このあたりのキーワードがうまく繋がりました。


ニュー・モノポリー 米ITビッグ5 少ない雇用、処方箋見えず 置き去りの労働者

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18913710V10C17A7FF8000/

既存小売業を侵食するアマゾンの雇用増は小売業の失業増と裏腹だ。短期的に小売業の失業を吸収したとしても厳しい労働環境もあって離職率は高い。長期的にはロボットで自動化される可能性が高く、若い人たちが生涯、勤め上げる仕事とは言いにくい。

ITは自分の得意なことを自分の都合のよいときに提供する新たな労働の姿を生み出した。一夜限りの演奏(ギグ)になぞらえたギグ・エコノミー(日雇い経済)。組織に縛られない自由な働き方を得る半面、雇用は不安定。

「ベーシックインカムのようなアイデアを探るべきだ」。フェイスブックのザッカーバーグCEOは、ハーバード大学の卒業式で主張した。最低限の公的所得が無条件で得られる仕組みで、シリコンバレーの企業経営者の間で支持が広がる。だが、技術の変化を軽んじ、一昔前のような工場労働者の増加を訴えるトランプ大統領がその声に耳を貸す可能性は低い。

なるほど、シリコンバレーの企業家の間ではベーシックインカムの支持が広がっていることからすると、トランプさんの考えの古さが際立ちます。


米エクスペディア、旅行ニーズAIで開拓 シンガポールに研究拠点 スマホで「会話」し予約

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDX03H0W_T00C17A7FFE000/

シンガポールのエクスペディア本部に開設したイノベーション・ラボ。ビーチの写真を見たときの笑み、「満室」が表示されて眉間に寄るしわ、朝食のあるなしで変わる表情などを把握する。エクスペディアは実験の結果をもとに、アジア人が何を求めており、どういう表示が有効かなどを細かく分析したうえで、サイトなどに反映する。

アジアの旅行予約サイト市場は拡大している。英ユーロモニターによると、東南アジア主要6カ国のネット旅行会社の市場規模は2015~20年の間に倍増。だが、エクスペディアのシェアはアジアの新興国で低迷している。15年の米オンライン旅行予約市場でエクスペディアはシェア38%と首位だ。だが、日本では1%強にとどまるほか、中国やインドネシアでもわずかのシェアにとどまっている。

具体策としてあげたのが「3M」戦略だ。1つ目のMである「モバイル」はスマホ対応だ。2つ目の「メッセージ」はAIを活用した「チャットボット」を使った取り組みだ。3つ目は「マシン」でAIを使った機械学習により、顧客への提案力を高める。

3M戦略は当然として必要でしょうね。エクスペディアに限りませんが、こういった独自のシンプルな戦略はあると良いなと思いました。


グーグル、成長戦略の障害に 欧州委決定に上訴検討

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ27I4O_X20C17A6TI1000/

アルファベットは900億ドルを上回る潤沢な手元資金を抱えており、制裁金の財務的な影響は大きくはない。焦点は欧州での中期的な事業戦略への影響だ。グーグルは90日以内に違反行為をやめ、改善計画を示すように命じられた。

欧州委は今回の事案とは別に、アンドロイドとアドセンスについても独禁法違反の疑いで調査を進めているほか、地図など他の検索サービスに対象を広げる可能性も示唆している。

かつて欧米の独禁当局と全面対決した米マイクロソフトは、法的手続きの時間軸とIT分野の技術革新のスピードのギャップに苦しみ、その後の低迷を招いた。グーグルは今後、高成長を支えてきた革新力を損なうことなく、当局が納得する落としどころを探る難しい作業と向き合うことになる。

プラットフォーマーが槍玉に挙げられるのは今後も続きそうです。米欧関係にも影響が懸念されています。


アマゾン、米高級スーパー買収 生鮮、ウォルマートに挑む

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO17808280X10C17A6EA5000/

アマゾンは2007年生鮮品の当日宅配を始めているものの、有力事業には育っていない。鮮度管理や在庫調整で他の物販より複雑なノウハウが求められるほか、食の安全など信頼性が顧客獲得に不可欠だからだ。

影響が大きいのが売上高の半分近くを生鮮品や食品に頼るウォルマートだ。同社はネットにはない店舗の強みとして「フレッシュネス」(マクミロンCEO)を掲げてきた。ネットで注文した生鮮食品をその日に最寄りの店舗で受け取れる事業を進めているが、底流にはアマゾンとの差別化がある。

アマゾン対策としてウォルマートは16年に新興ネット通販ジェット・ドット・コムを買収。16日にも男性向け衣料品ネット販売のボノボスを買収すると発表した。ネットと品ぞろえの強化は各社に通じる課題だが、対応できる企業には限りがある。持久戦の先には再編が待っている。

もともと生鮮品の取扱はあったものの、ノウハウや信頼構築に手間取っていたとのこと。


ウーバー 危うい企業文化 不祥事頻発、創業CEO休職か 急成長の陰、負の側面露呈

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ12IQO_S7A610C1TJ2000/

問題の原因はウーバーの好戦的な姿勢にあると指摘される。手段を選ばず競争に勝とうとする社風のことだ。昨年末には米カリフォルニア州で当局に届けず自動運転車の相乗り実験を始めた。幹部は「ルールはこうやって変えていくものだ」と話す。規制に縛られて開発が遅れるのを嫌い、あえて届け出なかった。

管理や成熟を嫌い、体制に反抗を続ける若さが残る。それが良い方向に出た初期のウーバーは運送サービスに「分け合う」考え方を持ち込み世界を変えたと評される。

ただ負の側面を改善する道筋は見えない。熱心な慈善活動で知られる米セールスフォース・ドットコムのベニオフCEOに「ウーバーに心はあるのか」と指摘されたこともある。シリコンバレーでは有力ベンチャー創業者は「メンター」と呼ばれる先輩起業家の助言を受ける。カラニック氏にはそうした人物が見あたらない。

規格外のアウトローという感じですが、それも限界でこれから統治段階に入っていくんでしょうね。


温暖化に懐疑論 なぜ トランプ政権下、米で勢い 背景に予測の不確実性

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGG03H0F_T00C17A6TJM000/

歴史的に共和党政権下では「温暖化懐疑論」が根強く、世界に影響を与えてきた。米国でも大多数の科学者は、人間活動が温暖化を深刻にするという考えを支持する。しかし、予測の不確実さなどを問題視する一部の研究者が政府と結びつき発言力を増している。

最近のオーストラリアの研究グループの調査では、温暖化に関する論文の著者の約97%は、人間活動が温暖化をもたらすとの考えを支持した。一方、米調査機関ピュー・リサーチ・センターや米エール大学の世論調査で、人間活動による温暖化について「科学者が合意に達している」との回答は半数に満たない。

科学的論争は未決着と考える人が多い背景の一つに、1998年から十数年間、温暖化が止まったようにみえた「ハイエイタス」現象がある。大気中のCO2は増えているのに、気温が予測通りに上がらない現象だ。

手法によって数値が変わったり、過去との比較はどの期間の気温を基準とするかに左右されるということも納得はできます。


米、アジア積極関与強調 「中国寄り」懸念払拭狙う 南シナ海巡りけん制

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO17282430T00C17A6EA2000/

マティス氏が今回、とりわけ力点を置いたのは、台頭する中国への対応だった。「ルールに基づく秩序を阻害している中国の行動を受け入れることはできない」。マティス氏は中国の南シナ海での人工島建設を厳しい言葉で非難し、「北朝鮮は差し迫った脅威だが、だからといって他の戦略的問題から目を背けてはならない」と付け加えた。

米は北朝鮮問題で協力を得る見返りに南シナ海問題に目をつむるのではないか――。日本や東南アジア諸国にはトランプ流の「取引外交」への懸念がくすぶっている。トランプ氏は北朝鮮の核問題の解決を優先し、「もし中国が北朝鮮問題を解決するなら、貿易問題で米国とはるかによい取引ができると習国家主席に説明した」と明言。中国の為替操作国の指定を見送るなど融和姿勢への傾斜が目立つ。

アジアを歴訪したペンス副大統領、ティラーソン国務長官ら政権幹部のアジア政策に関する発言をたびたび引用した。「米国は太平洋国家だ。将来も変わらない。米国はアジア太平洋地域との関係強化を優先する」。マティス氏の発言には政権のアジア政策の意思が一枚岩であることを強調する狙いがにじむ。

マティス氏は信頼できるが、トランプ氏は信頼できるのか?という発言は鋭いなと思いました。


ソフトバンク動く 「10兆円ファンド」AI照準 利害交錯、危うさ抱え

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16718660S7A520C1TI1000/

「AIによって人類史上最大のパラダイムシフトが起きる」。孫氏は10兆円ファンド設立の狙いをこう語る。医療からロボット、農業まで、既に投資先候補は30社近くをリストアップ。AIによる情報革命が生む果実を、ファンドを通じて手中にするつもりだ。

目を付けたのがオイルマネーだ。孫氏はアーム買収と前後して中東諸国を行脚し、ファンド構想に自信を持ち始める。そこに現れたのが、サウジの若き実力者、ムハンマド副皇太子だった。45分の会談で450億ドル(約5兆円)の拠出を引き出した。

これまでソフトバンクの投資事業の収益率は44%。10兆円ファンドが同じようなリターンを生めばドル箱となる。しかし一歩間違えれば巨額の損失につながる。利害関係者が増えれば調整に時間がかかり、経営のスピードが落ちかねない。次なる成長への大きな賭けにより、ソフトバンクは新たなリスクを抱え込んだ。

トランプ外遊に孫さんも一緒だったとは知りませんでした。しかしどえらい話が展開されています。