米大統領令差し止め 権力の暴走に歯止め

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13089230Y7A210C1TCL000/

議会が強い権力を持つ象徴は予算編成権です。日本は内閣が予算案をつくり、国会の承認を求めますが、米国の大統領に予算案をつくる権限は与えられていません。議会に予算局があるのです。このため大統領は、予算教書を公表し、「こういう方針の予算案をつくってください」と議会にお願いする仕組みです。

これだけ議会が強い権力を持っていると、大統領としても、独自の力を発揮したくなります。そこで駆使するのが行政権。これが大統領令です。大統領令は国民に対する命令ではありません。国家公務員に対する命令です。

議会が強い力を持っているので、大統領は独自に大統領令を出す。でも、それが憲法に違反するなど人々の利益を侵害する恐れがあれば、裁判所はためらわずに差し止め命令を出せる。裁判官のプライドを感じます。三権分立が生きているのだなあと実感します。

米国民主主義の歴史からくる議会と大統領の権限の関係と大統領令、三権分立について理解が深まりました。


経済対話 同床異夢 車・金融駆け引き 日本、FTA回避探る

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC11H01_R10C17A2EA2000/

経済対話で麻生副総理・財務相のパートナーになるペンス米副大統領はトヨタ自動車などともパイプが太く、もとはTPPの賛成論者だ。「交渉相手として不安はない」(外務省幹部)。トランプ氏の攻撃を直接受けない枠組みを作ることで「日本は一定の成果をあげた」(国際通商筋)。

トランプ政権が日米FTAを持ち出しても、日本はすぐには土俵に上がれない。他のTPP加盟国のメンツが潰れるうえに、農産物という日本の泣きどころに切り込んでくるのが確実だからだ。仮にFTA交渉に入って米がTPPを上回るような譲歩を迫ってくれば、国内農家の説得などに多大な政治的エネルギーを費やさざるをえなくなり、国内の反米感情をあおるリスクが高まる。

日本は米とのFTA交渉をできるだけ避け、代わりに対中国貿易改善に向けて両国の連携を前面に打ち出す腹づもりだ。対中貿易をあたかも「仮想敵」に据えて日本への矛先を外そうという巧妙な戦術。

いち早く厚遇された安倍さんが、各国と米国をつなぐパイプになるとの見方があります。ハブは重要な役目だと思います。


米国第一主義の視点 配慮欠き危うい「取引外交」

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO12560940W7A200C1TCL000/

一見、唐突なトランプ大統領の行動や考え方には「計算」が働いているのではと考えています。たとえば米国にとって中国は最大の貿易赤字国。赤字解消へ行動を期待して揺さぶっているのでしょう。イスラエルへの思惑も透けて見えます。米国には金融界やメディア界に強い影響力を持つユダヤ系有力者が大勢います。大統領の地位を盤石にする上でこれらの人々の協力は欠かせないのです。

トランプ大統領は企業グループを率いて様々な交渉をまとめてきたのでしょう。ただし、人種や宗教、国家といった歴史が関わる複雑な課題への配慮に決定的に欠けるように思います。慣例や秩序をいきなり壊してしまうのは、思いがけない緊張や混乱の原因になりかねません。“取引”外交の危うさを感じます。

「米国第一主義」は過去にもありました。第1次世界大戦後、ウィルソン米大統領は、二度と大戦の惨禍を招かぬようにと「国際連盟」の創設を提唱しました。しかし、「米国第一主義」に相当する「モンロー主義」を主張する議会の反対にあい、結局、提唱国でありながら米国は不参加となりました。その後、世界が2度目の大戦へと突き進んでも、しばらく我関せず、だったのです。

米国内のユダヤ系有力者は米大使館がエルサレムへ移転することを望んでいるということでしょうか。


太めの美、米女性「YES」 「プラスサイズ」モデル活躍 「ありのまま」の姿に自信

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO12547940U7A200C1CR8000/

米国女性の平均サイズは16号程度(日本の19号程度)。一方、米国のモデル業界は0~4号(日本の5~7号程度)が主流とされてきた。この大きすぎる開きを埋めるため、従来のモデルよりサイズが上の「プラスサイズ」モデルたちが広告や雑誌に登場している。

「あなたは自分の体形に満足していますか?」。米厚生省の調べでは、約90%の米国人女性がこの問いに「NO」と答えた。自分の体形に対する満足度は若いほど低く、拒食症や過食症などの摂食障害の増加が社会問題化している。米国では15~17歳女子の13%が摂食障害を患う。

肥満も大問題だ。米疾病対策センターによると、20歳以上の米国人の肥満率は15年に30%を超え、年々悪化している。肥満は医療費の増大も招く。「太めモデルをもてはやす動きは肥満を助長している」との批判もあるが、サンフランシスコ短大のベーコン教授は「ある病気の原因を体重だけに求めるのはおかしい。よく食べ、よく動き、気持ちよく生きることが大切」と反論する。

プラスサイズモデルが逆に肥満を助長するという見方も分かりますが、よく食べ、よく動き、気持ちよく生きるというベーコン教授に同意です。


中朝への抑止力強調 首相、米国防長官と会談 尖閣、早期に言質 「核の傘」提供を確認 駐留経費、今回は触れず

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC03H02_T00C17A2EA2000/

尖閣は、そもそも第三国の領有権問題で特定の立場を取らない米政府にとっては微妙な存在だ。オバマ前米政権は発足当初、公式の場で安保条約適用は明言を避けていた。適用対象に「尖閣諸島も含まれる」と自ら語ったのは14年4月になってからだ。今回、新政権発足直後のタイミングで確認できたことに政府高官は「パーフェクトだ」と語った。

米側がより切迫した課題と位置づけるのが北朝鮮への対応だ。北朝鮮が同盟国を核攻撃した場合に「圧倒的な対応を取る」と述べ、首相との会談でも核兵器による「核の傘」を含む拡大抑止力の提供を明言した。

日本が懸念する在日米軍駐留経費の負担増を巡る問題は話題にはならなかったという。日本側には対日防衛が貿易や通貨政策との取引材料に持ち出されるのではないかとの疑念すらある。

トランプさんの発言の流れがあったので、抑止力の維持が鮮明にされたことは意外でした。


米入国制限 相次ぐ反旗 共和党からも批判 反対の司法省トップ解任

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM31H3C_R30C17A1EA2000/

米ホワイトハウスは、トランプ氏がイエーツ司法長官代行を解任したと発表し、イエーツ氏が「司法省を裏切った」と断じた。同氏はオバマ前政権に起用された高官だが、トランプ政権でもセッションズ司法長官の正式就任まで長官代行を務める予定だった。米CNNテレビなどによると、イエーツ氏は「大統領令が合法か確信を持てない」などと文書でコメントしていたという。

政権側の強硬姿勢に対し、与党共和党内でも抗議の声が上がる。重鎮のマケイン上院議員は同僚議員とともに「自らを傷つけるような行為」と非難。米上院外交委員会のコーカー委員長も「永住権保持者にとって、お粗末な内容だ」「直ちに修正すべきだ」と批判した。

西部ワシントン州は、今回の大統領令は違憲だとしてシアトル連邦地裁に提訴した。ほかの州が追随する可能性がある。イスラム教徒のグループも「憲法が保障する信教の自由に反する」として、バージニア州の連邦地裁に措置の撤回を求める訴えを起こした。

マーク・ザッカーバーグやハワード・シュルツ氏が懸念を示しているのを読みました。MAKE GREATに逆行する行為だと考えます。


米国第一主義の視点 大統領はビジネスマン

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO12265660Y7A120C1TCL000/

これからの米国を考える上で、参考になる歴史があります。米国が内向き政策を掲げたのは、いまに始まったことではないからです。20世紀初頭、米国は欧州とはお互いに干渉しないという外交政策の指針「モンロー主義」を掲げていました。第1次世界大戦が起きた当初、米国は欧州での戦争には参戦しなかったのです。

やがて、4年に及ぶ第1次大戦が終わると、欧米諸国はドイツに巨額の賠償金を課しました。その後、世界恐慌が襲来。各国は保護主義的な政策を強め、皮肉にも世界経済はさらに苦境に陥ったのです。そして、ドイツでは、国民の熱狂に迎えられた新リーダーが、2度目の世界大戦への引き金を引いたのです。

大戦の惨禍を繰り返さないために、第2次大戦後に設立された国際連合やEUは、台頭する保護主義や右傾化の波に揺さぶられています。米国が重要な役割を果たした国際協調は過去のものとなり、大国の利害と緊張が生む新たな国際秩序がかたちづくられるかもしれません。

モンロー主義からの第1次大戦を経て、真珠湾攻撃によって孤立主義を放棄。世界の警察官への流れ。という池上解説分かりやすいです。


日米、経済・安保議論へ トランプ氏「公約なし遂げる」 首相「日本の車産業、米に貢献」

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS28H0S_Y7A120C1NN1000/

首相は自動車産業を含む日本企業の雇用面などでの米国経済への貢献を説明した。トランプ氏が外国企業が人件費の安いメキシコに工場をつくって米国に輸出し国内雇用を奪っているとの批判を展開していることに配慮したとみられる。

日本も米国との2国間交渉では立場は弱い。米国から輸入される工業品への日本の関税はほぼ撤廃されており、農産品の関税引き下げだけが求められるとの懸念がある。トランプ氏が安全保障との取引を持ち出した場合、米軍の抑止力に防衛を依存する日本はさらに厳しい立場に立つ。

トランプ氏は選挙期間中、在日米軍の駐留経費の日本の全額負担を求めるなど同盟関係の見直しに再三言及してきた。会談では今後の日本の防衛負担のあり方が議題に上がる可能性もある。

FBで各国首脳との電話会談について発信していますが、日本は登場しませんでした。英国も日本も不利な立場。


通貨と通商 二重の圧力 米、2国間協定に為替条項 金融政策標的の懸念

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDF27H0E_X20C17A1EA2000/

トランプ氏がTPPから「永久離脱」した大きな理由も為替だ。ここまで牙をむくのは「ドル高は米雇用にマイナス」という理屈が世論受けしやすいためだ。日本車にシェアを奪われる米自動車大手もTPPを「通貨安政策への十分な対応が盛り込まれていない」(米自動車政策評議会のブラント代表)と批判。さらなるドル高を阻止する点でトランプ氏と米製造業の足並みがそろう。

だが、相手国の為替政策を無理に縛ろうとすれば、特にシンガポールのように為替介入を恒常的にしている国は米と交渉のテーブルにつけない。日本など先進国も為替条項の明文化に応じる可能性は低いため2国間の通商協議は暗礁に乗り上げ、トランプ氏は自らの首を絞めるかたちになる。

世界で唯一の基軸通貨国が国際合意と整合性の取れないルールを押しつければ、為替安定策がダブルスタンダードとなり市場が大混乱するばかりか、自国通貨をドルに連動させる「ペッグ」が崩れてドル離れが加速するリスクがある。

「ドル高は米雇用にマイナス」という理屈が世論受けしやすいため、通貨にこだわりがあるようです。


トランプ相場、金融株が主役 株価上昇率トップ、足元では減速

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM26HAS_W7A120C1FF2000/

大統領選後に金融株が買われたのは、低金利環境がいよいよ終わりを迎えるとの観測が高まったためだ。金融危機後に強まった金融機関への規制を緩和する意向をトランプ大統領が示したことも好感された。年明け以降は長期金利の上昇が一服したことで、金融株も伸び悩んだ。一段の株価上昇には、FRBによる着実な利上げや規制緩和の具体化が求められそうだ。

トランプ相場では幅広い銘柄が買われているが、トランプ氏がインフラ投資の拡大を表明したことから、建機大手のキャタピラーなどインフラ関連株の上昇も目立つ。一方、金利上昇局面で投資妙味が薄まる「公益」株は、全11業種中で唯一下落した。

価格競争が足りないとトランプ氏が名指しで批判している製薬業界もトランプ相場に乗り切れず、製薬大手のファイザーやメルクの株価は横ばい圏にとどまる。シリコンバレー銘柄も株価上昇で後れを取る。内向き姿勢が強いトランプ政権では外国人技術者の確保に不可欠な就労ビザ発給が厳しくなるといわれており、事業環境が悪化するおそれがあるためだ。

低金利環境がいよいよ終わりを迎えるとの観測が高まったため、金融株が買われたとのこと。