介護ロボ特需 現場とズレ 補助金先行 持ち腐れも

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO12664150Y7A200C1TZD000/

メーカー側は手放しで喜んでもいられない。イノフィスの横幕さんは「正しく機能を理解し使ってもらわないと、『役に立たない』と悪評が立ち、逆に今後の普及の妨げになる」と懸念する。介護現場ではロボットに否定的な声が根強いからだ。厚生労働省がまとめた報告書では、介護施設の12%が「人の手によるぬくもりあるサービスを理念としており、介護ロボット導入は反対」と答えた。また、「導入したいが、現場で利用できるような有用な介護ロボットがない」との回答も14%あった。

メーカー側も現場のニーズを吸い上げ切れていない。オリックス・リビングは、ほとんどの介護ロボットを試し、移乗リフトと見守りセンサーを導入した。営業推進課長の入江さんは「技術は素晴らしいが、介護の実態に即していない機器がある」と指摘する。「人の手で持ち上げられるのは痛いから嫌だ」という高齢者が実は多かった。

高齢化する日本は35年に介護スタッフが68万人不足するとの推計もある。介護施設の入居者の中には「機械より、知らない人に触れられる方が抵抗感がある」という人もいた。介護する側が思うほど介護される側は「人の手のぬくもり」にこだわっていない。

メーカー、介護者、被介護者の色んなところでミスマッチが起きていますが、将来的には解消されていく方向性じゃないでしょうか?


経済対話 同床異夢 車・金融駆け引き 日本、FTA回避探る

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC11H01_R10C17A2EA2000/

経済対話で麻生副総理・財務相のパートナーになるペンス米副大統領はトヨタ自動車などともパイプが太く、もとはTPPの賛成論者だ。「交渉相手として不安はない」(外務省幹部)。トランプ氏の攻撃を直接受けない枠組みを作ることで「日本は一定の成果をあげた」(国際通商筋)。

トランプ政権が日米FTAを持ち出しても、日本はすぐには土俵に上がれない。他のTPP加盟国のメンツが潰れるうえに、農産物という日本の泣きどころに切り込んでくるのが確実だからだ。仮にFTA交渉に入って米がTPPを上回るような譲歩を迫ってくれば、国内農家の説得などに多大な政治的エネルギーを費やさざるをえなくなり、国内の反米感情をあおるリスクが高まる。

日本は米とのFTA交渉をできるだけ避け、代わりに対中国貿易改善に向けて両国の連携を前面に打ち出す腹づもりだ。対中貿易をあたかも「仮想敵」に据えて日本への矛先を外そうという巧妙な戦術。

いち早く厚遇された安倍さんが、各国と米国をつなぐパイプになるとの見方があります。ハブは重要な役目だと思います。


賃金ようやく上昇? パート、女性・シニア頼みに限界 人手不足に備え一段と

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO12557380V00C17A2NN1000/

今後は女性や高齢者不足が、賃金上昇の起爆剤となりそうだ。まずは女性。完全雇用の中では、職探しをしていない人の取り込みがカギになる。やむを得ない事情ではなく「適当な仕事がなさそう」との理由で職探しをしていない現役世代の女性は直近で64万人。13年1~3月より3割減った。このうち過去1年に求職した就労予備軍は、35万人にすぎない。高齢者では出生数約800万人の団塊世代が70歳代に入る。60歳代後半の労働参加率は44%。70歳超では26%に下がる。

人材確保への危機感はパート・アルバイトの賃金に色濃く表れている。リクルートジョブズによると、三大都市圏の募集時平均時給は、昨年11月に初めて千円を超えた。人材難がパートの正社員化に行き着けば、一段と賃金の上昇圧力は高まる。

フルタイムで働く雇用者数は前年比2%増に達した。SMBC日興証券の牧野氏は「雇用の駆け込み需要が一段と強まる。賃金上昇率は2~3年以内に2%を超える」と予測する。これまで消極的だった中小企業で底上げが進むとみる。

機は熟したと言えるでしょうか。でも説得力のある見方だと思いました。今後は女性や高齢者不足が、賃金上昇の起爆剤。


日米、経済・安保議論へ トランプ氏「公約なし遂げる」 首相「日本の車産業、米に貢献」

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS28H0S_Y7A120C1NN1000/

首相は自動車産業を含む日本企業の雇用面などでの米国経済への貢献を説明した。トランプ氏が外国企業が人件費の安いメキシコに工場をつくって米国に輸出し国内雇用を奪っているとの批判を展開していることに配慮したとみられる。

日本も米国との2国間交渉では立場は弱い。米国から輸入される工業品への日本の関税はほぼ撤廃されており、農産品の関税引き下げだけが求められるとの懸念がある。トランプ氏が安全保障との取引を持ち出した場合、米軍の抑止力に防衛を依存する日本はさらに厳しい立場に立つ。

トランプ氏は選挙期間中、在日米軍の駐留経費の日本の全額負担を求めるなど同盟関係の見直しに再三言及してきた。会談では今後の日本の防衛負担のあり方が議題に上がる可能性もある。

FBで各国首脳との電話会談について発信していますが、日本は登場しませんでした。英国も日本も不利な立場。


訪日客、米欧豪からも増 昨年18%増 「長期滞在」対応急ぐ

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS17H4Z_X10C17A1EE8000/

インドを含むアジアで全体の8割超を占めた。一方、米国が20%増の124万人、オーストラリアが18%増の44万人を記録するなど米豪からの訪日客も好調だった。欧州も18年ぶりに直行便が就航したスペインが19%増えた。

観光庁の田村長官は「日本が海外旅行の目的地として認知されるようになってきた」と指摘した。国土交通省の分析では欧米の旅行者は原爆ドームや宮島を抱える広島県への訪問が多い。歴史や文化への関心が高いのが特徴だ。

16年の訪日客消費額は7.8%増の3兆7476億円と過去最高だったが、1人あたり消費は11.5%減った。政府が20年の目標とする8兆円に向けて、訪日客数に加え消費単価が鍵を握る。為替動向に影響されやすい買い物だけでなく、宿泊や食事、体験に幅広くお金を使ってもらうようにする努力が必要だ。

アトキンソン氏の「日本のホテルは安い価格のものが多く、多くの文化財はちょっと見て帰るような人を想定している。」はなるほどでした。


雇用 4年で250万人増 子育て女性 働きやすく M字カーブ解消進む

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11451870X00C17A1NN1000/

育児休暇を取得して職場復帰する女性が増えている。待機児童問題は解消されていないが、国が保育所の定員を拡大したことが影響した。収入面から夫妻がともに働かなければならない世帯もあるが、00年と比べるとM字カーブは解消に向かっている。

もう一つの要因が60代以上の働き手。男女ともに年金の支給開始年齢を65歳に引き上げ始めており、60歳以上で働く人が増加している。たとえば60~64歳の男性の労働力率は8割に迫り、65~69歳も5割を超えている。現役世代の減少を、高齢者の労働力で補っている構図が浮かび上がる。

現役世代の減少が流通業を中心に人手不足につながり、失業率の低下や有効求人倍率の上昇につながっている。当面は人手不足が続くとみられるが、男性の高齢者の労働参加率は既に相当高い。余地が大きいのは女性高齢者だ。

最新の雇用構造が見えてきます。60〜64歳男性はほとんど働いているんですね。余地が大きいのは女性高齢者とのこと。


黎明 ミレニアル経済 金もうけよりも充実感

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11369170V00C17A1EA1000/

ベンチャー企業グラコネCEOの藤本真衣(31)。仮想通貨で紛争地域の若者らを支援する「KIZUNAプロジェクト」の発起人だ。様々な寄付サイトはあるが手数料がかさむ。そこで目をつけたのがビットコイン。ほぼ無料で瞬時に相手に送金でき数百円単位の少額寄付もできる。「お金の流れをたどれるから透明性も高い」と藤本は言う。

デジタルネーティブ世代の台頭は、投資の観念そのものも変えようとしている。都内IT企業の沢悠詩(24)ロボアドに魅せられた一人だ。手数料は残高の1%だけだ。「人が介在すればコスト高になる」と考えた沢にロボアドは合理的に映った。

吉沢美弥子(25)は医療ニュースサイトを企業に売却した。慶大看護医療学部在学中にサイトを開設。売却先は医師向け転職サイトを運営する企業だ。別の企業からは吉沢が数年間会社に残ることを条件に売却額が数千万円上がる提案も受けた。少し心が揺らいだが、やめた。「やっぱり窮屈だと思った。売却資金を元手にやりたいことをすぐにできる方がいい」

やはり投資観念がこれまでと全然違っているのだと思いました。生産性という視点で見ても興味深いです。


黎明 ミレニアル経済 スマホがあれば十分

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS26H5I_X21C16A2EA1000/

現代版ヒッチハイクの「ノッテコ」。ドライバーが謝礼をもらえば法律で禁じられた白タク営業だ。そこでタクシーと競合しない長距離限定とし、受け取るのはガソリン代と高速代の実費分だけ。社長の東(27)は「バス路線が失われた地方では中距離での参入を認めてほしい」と規制緩和を要望中。

時代の先を読みいち早く市場でシェアを確立できるかがミレニアル経済の要だ。資生堂などと資本・業務提携したドリコス代表の竹康(29)は慶応大助教の経歴を持つ異色の経営者だ。専用端末に指をかざすと脈拍などから疲労度合いを解析し栄養素を自動配合するサプリサーバーを開発。国の医療費抑制が進む中で生活習慣病予防ビジネスの成長性に賭ける。

ウーバーテクノロジーズやエアビーアンドビーは今や「老舗」。往診などの医療や法律相談もオンライン契約は当たり前だ。こうした「ギグ産業」で収入を得る人は直近3年間で10倍に増え140万人に上ったとの試算がある。米労働者人口の1%ほどでも、25年までに400万人のフルタイム雇用を生むとの見方もある。

それこそ生産性の高さでは国のできることの上を行ってるでしょうね。ミレニアル世代の感覚、理解しておきたいです。


「脱時間給制度」働き方改革の柱 榊原経団連会長に聞く

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11257960R31C16A2NN1000/

「16年後半から回復の兆しが出てきた。トランプ次期米大統領は産業促進的な政策で米国経済を強化する。ポジティブな要因に期待して来年の世界経済が順調に回復する中で、(日本経済も)1歩も2歩も階段を上がるようにしたい。円相場はリーズナブルなところで安定するのが大事だ」

「(残業時間を規制する)36協定は事前協議すれば無制限に残業ができてしまうので、見直しが必要だ。ただ繁忙期については配慮してほしい」「インターバル規制の義務化は、産業界の実態と合わない」

「(脱時間給制を盛り込んだ)労働基準法改正案は働き方改革の重要な柱だ。いまの改正案では対象が年収1075万円以上の人で、きわめて少ない。年収基準を下げて対象を広げるべきだ」「欧米ではこういった賃金制度が一般的だ。導入すれば日本でも女性の活躍や高齢者の就労につながる」

経済界の声とは言えないでしょうけど、トップがどのような考えを持っているかが分かりました。


アベノミクス 多難の再起動 首相、消費増税を再延期 悲願の「脱・デフレ」道半ば

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11233790Z21C16A2M12300/

1月召集の通常国会での施政方針演説。首相は「成長と分配の好循環を創り上げていく」と表明した。15年2月の施政方針演説では「経済の好循環」と語っていたが「分配」を加え、微修正した。アベノミクス再起動のカギの「分配」も、今春の労使交渉で大幅な賃上げは実現できなかった。

首相は7月の参院選で増税延期とアベノミクス推進を掲げて臨み、与党は圧勝。憲法改正に前向きな勢力は、衆参で改憲の国会発議に必要な3分の2に達した。11月1日には自民党が総裁任期を「連続3期9年」に延長すると決定。政権基盤はさらに強固になった。

肝心のアベノミクスは脆弱だ。米次期大統領にトランプ氏が選ばれ、世界経済は不透明感が広がる。成長戦略の柱、TPPは発効が絶望的だ。消費は伸び悩み、今年度の税収は当初の想定を1.7兆円も下回る見通しだ。

企業業績→設備投資→賃金→個人消費の循環イメージが分かりやすいです。結果、2016年は弱含みですが。