財政黒字化延期、射程に アベノミクス、次は教育に照準 首相、援軍に米大教授

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16439980W7A510C1PP8000/

維新が主張する無償化論は、幼稚園から大学までの授業料をすべて無償とする内容だ。通常の予算措置で5兆円程度とされる巨額財源を確保することは不可能に近いが、憲法に明記すれば政府に予算確保の義務が生じる可能性が高い。この提言は首相にとって二重三重の意味で渡りに船だった。年間5兆円程度の教育費負担が軽減できれば子育て世帯の可処分所得は増え、デフレ脱却に追い風。デフレ脱却と憲法改正が一度に実現でき、黒字化目標の先送りの口実にもなる。

3月14日。首相は駒を1歩前に進める。ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ米コロンビア大教授が経済財政諮問会議で教育投資の重要さを訴えたうえで「日本の政府債務の残高は多くの人がいうほど悪くない。政府と日銀とで一体となって政府債務を相殺すればよい」と主張した。首相も「スティグリッツ先生は私がずっと言いたかったことをはっきりといってくれた」と歓迎。日本の財政状況についても「それほど深刻ではない」などと同氏の主張に同調したという。

財務省や党内の反発は押さえられても、財政再建をあからさまに棚上げするようでは市場や国際社会から批判を浴びかねない。ならば中間案として浮上するのが、教育無償化などの財源を確保するために使途を組み替えた形で消費税を増税する案だ。財務省の悲願である増税は実現するが、歳出拡大に充てるため黒字化目標は延期。財務省にとっては1勝1敗のシナリオだ。

非常に重要なことが書かれているように思います。教育無償化の大義名分のもと、憲法改正、財政出動、増税、黒字化目標の延期。


教育無償化巡り議論百出 少子化対策 予算の争点に

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS10H5D_Q7A510C1EE8000/

文教族の下村幹事長代行らは教育国債をつくり、大学までにかかる学費をまかなう構想を持つ。財務省は財源面などで反発。財制審でも教育国債については「未来の世代にツケを回すのは問題外」といった意見が大半を占めた。

教育国債への批判に対し、小泉氏らが中心となる「人生100年時代の制度設計特命委員会」が掲げるのが「こども保険」。企業や個人が負担する社会保険料を0.1~1%引き上げ、幼児教育や保育にかかる費用をまかなう財源にする案だ。ただ経済界は反発している。

政府はこれまでも、低所得層向けに幼児教育の段階的な無償化を進めてきた。17年からは年収が約270万円より低い世帯の第2子の保育料や幼稚園の入園料をただにした。低所得世帯の大学生に返済不要の資金を提供する「給付型奨学金」も18年度から本格導入する。ただ「今のペースでは効果が出るまでに時間がかかりすぎる」といった声が与党内で高まっていることが、今回の議論の背景にある。

教育無償化を巡る議論の構図が理解できました。実現している国とは、財政状況も違いますし、あまり参考にならないんでしょうね。


講義は自宅 & 議論は教室 事前に収録し配信、主体的な学び定着

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16132340Z00C17A5TCN000/

静岡大学は日本マイクロソフトと組み、動画配信などネット関連技術で学生が効果的に学べるようにした。クラウドサーバーに教職員が作った動画を置き、学生は教職員からもらったコードを入力すれば好きな時に視聴できる。科目によってはペッパーが講義する。英語や中国語の発音がきれいだ、と学生の評判もいい。

反転授業の先行組は山梨大学だ。山梨大学が実施した学生の意識調査によれば、反転授業を導入した科目では1時間以上の予習をした学生の比率が8~9割を占めた。未導入の科目は2~4割と対照的に低く、効果が出始めている。

小樽商科大学ではアクティブラーニング教室を整備した。室内には大型スクリーンを設置し、教員と学生の双方向のやり取りができるようにした。大津准教授は「大人数の講義が効率的に進められる」と強調している。

反転授業がこれからスタンダードになるでしょうね。教育の最適化、学習の効率化という点でも。


大学ネット授業 日本人少なく 明治大学学長特任補佐 福原美三氏

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO15536740Q7A420C1TJN000/

ムークは米国で2012年に始まり、受講者は世界で5千万人を超えた。米スタンフォード大教員が設立した「コーセラ」が最大手で、英語で配信して世界から2500万人の受講者を集めている。最近は修了証を単位として認める大学が増えていることも人気の理由だ。

コーセラ受講者の国別ランキングをみると興味深い。米国が当然首位だが、2位中国、3位インド、4位ブラジルと続き、ロシアが9位だ。これらは「BRICs」と呼ばれ、経済成長が著しい国だが、最先端の科学技術などを学びたいという若者の意欲の高さを映している。

残念ながら日本は圏外だ。最近の日本の学生は英語力が向上し、人口比でみても上位に入って当然だと考えていたのに、予想を裏切られた。若者が海外留学を希望しないなど「内向き志向」が指摘されて久しいが、ムークの受講者をみても一端を垣間見られる。

最近またMOOCに興味を持っています。やはりコーセラ等で学びたいですが、まずはJMOOCからでもよいかと。


学テきょう10回目 成績データ活用広がる 過度な競争に懸念も

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO15423520X10C17A4CR8000/

毎年成績上位の秋田県は、結果分析用のサイトをつくっている。学校側が結果を入力すると、生徒一人一人の正誤答の傾向や県内平均との比較が見られる。教員は足りない部分などを分析して授業にいかす。

文部科学省も一層のデータ活用を促すための見直しを検討中だ。同省の専門家会議が公表した改善策では、比較的正答率が高い問題ができなかった子供の割合を「指導を充実すべき層」と定義。より詳細なデータを示すことで、指導方法や教員配置にいかす方針だ。

学力テストのデータ公表を巡っては自治体、学校間の序列化や過度な競争といった負の側面も指摘されている。文科省は昨年、直前に過去問を解かせるなど過度な対策を控えるよう全国の教委に通知を出した。ただ「数値が出る以上、現場の教員は常にプレッシャーを感じている」(中嶋名古屋大大学院教授)との批判はある。

なるほどデータ公表という仕組みは確かに、学力テスト主義に走りがちだと思いました。


今そこにある未来 原石を磨く 若い力伸ばせるか

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO15264980T10C17A4EA1000/

ワークスアプリケーションズが開いた新卒採用の選考会。中国での採用は人材不足を補うためだ。「プログラミングのスピードに驚く」(採用責任者)ほど能力のある彼らには百度やアリババ集団などの中国IT大手に加え米国企業も誘いの手を伸ばす。

AIの特許数で米国に迫る中国。政府の指導もあり、幼少期からプログラミング技術を教え込んだ成果が表れている。ただ、中国のAI論文は他の研究者の後追いも多いという。実務面で市場の視点から考える力が足りないなどの指摘もある。

滋賀大学がAI人材育成へ向けて開設したデータサイエンス学部。教育科目は統計やプログラミングといった理系だけではない。経済学や倫理、社会心理などの文系科目も教え込む。学部長を務める竹村教授は、AI時代の人づくりは「文系、理系の枠組みを超えた横断的な教育が必要になる」と見る。

滋賀大のデータサイエンス学部はリベラルアーツの観点が採用されているのだと思い、興味を持ちました。


地域分析データを教育に生かせ 金沢大学専任講師 松浦義昭

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14995050W7A400C1KE8000/

私は大学でRESASを用いた連携講座を実施している。授業ではグループに分かれ、統計データに基づいて地域の現状と課題を把握し、解決策を議論して提言をつくる。学生へのアンケートでは地域に関する知識が深まることで地域への愛着や関心が高まり、「卒業後にその地域に貢献したい」という意欲の向上が見られた。

今後こうした取り組みを普及させるには、学内だけでなく、学校の外に出て調査や体験を行うアクティブ・ラーニングの視点を持つことが重要だ。例えば、修学旅行の見学先を計画するのに生徒たちが事前にデータを活用して調査する。あるいは、総合学習の時間に地域の現状や特産物などを調べて、実際に現地で聞き取り調査し、その結果を話し合い、地域活性化のアイデアを練って発信する。こうしたことで生徒は地域の魅力や課題を再発見できるし、当事者意識も生まれてくる。

地方創生は世代や組織が垣根を越えて連携し、長期的な視点に立って取り組むべき課題である。地域で育ち、地域を学び、地域を愛し、地域で活躍しようとする若者を、学校と地域が連携して育てることは極めて重要である。RESASはそうした学校と地域が連携する際のコミュニケーションツールとなりえる。

RESASはリアルなデータなので教育で使うのはとても良いことだと思いますし、地方創生の原動力となるように思います。


私立共学化 伝統校も 共働き増、変わる親の意識 「時代の要請」中高動く

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDG23H4O_T00C17A4CC1000/

首都圏の私立の中学、高校の共学化が進んでいる。共学化と並行して教育内容や指導体制、校名を刷新した学校の中には人気が急上昇したケースもあり、伝統校の転換も異例ではない。背景には少子化で入学者の確保が難しい事情があるほか、共働きが珍しくないなか、共学出身の保護者の意識の変化が反映されているようだ。

東京私立中学高等学校協会によると、都内の私立中は06年度に179校あり、このうち男子校は38校、女子校は83校だったが、16年度には186校中、男子校31校、女子校74校に減った。多くは共学化したとみられ、私立高でも同じ傾向だ。

文科省の学校基本調査によると、全国の国公私立高校のうち共学が占める割合は1960年度は7割程度。90年度は8割、2010年度には9割に増えた。共学出身の保護者が増える中、男子校や女子校の良さが伝わりにくくなっていると指摘する関係者は多い。

共学化の流れは感じていました。別学の魅力もまたあるとは思いますが、少子化というのが一番大きいんだろうと思います。


小中の新指導要領告示 「聖徳太子」変更せず 小3から英語学ぶ 一般意見、1カ月で1.1万件

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14728830Q7A330C1CR8000/

新指導要領では英語に親しむ「外国語活動」の開始が小5から小3に前倒しされ、小5と小6では英語が教科になる。小3~小6の授業時間は週1コマ増える。

子供が身につける資質や能力を社会と共有する「社会に開かれた教育課程」や、各校が特色を生かして組織的に教育課程を改善し、授業時間の増加などに対応する「カリキュラム・マネジメント」といった新たな視点は案のまま入った。知識は習得しつつ「主体的・対話的で深い学び」で思考力や主体性を育むことや、プログラミング教育の必修化も盛り込まれた。

小中学校の社会に登場する「聖徳太子」について、案では小学校は「聖徳太子(厩戸王)」、中学校は「厩戸王(聖徳太子)」と教えるとした。しかし「小中で表記が異なると教員が教えにくい」などの意見が1千件余り殺到。小中とも今と同じ「聖徳太子」に戻して告示することにした。

各校が特色を生かすカリキュラム・マネジメントをどこまでやるかで差がつきそうです。


オンライン講座一流の証し 世界の有力大積極発信 宮川繁マサチューセッツ工科大教授兼東京大特任教授

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14521120W7A320C1CK8000/

世界のエリート大学の動向をみると、研究と教育が土台であることに変わりはないが、新たな動きがある。これまでに培った高度な教育コンテンツを社会へ積極的に発信する活動である。背景には、インターネットが普及した現代社会において大学は、グローバルな知識社会の中核を担うべき組織として自らが育んできた教育コンテンツを自分の学生に発信するだけでなく、世界中の人々の教育水準向上のために提供すべきだという使命感がある。

当初MOOCは、教育コンテンツを学外に提供する試みとして始まったが、最近はそのデジタル・コンテンツを改めて学内の授業に導入し、教育の改善を図っている。学生はビデオ授業で予習が可能になるので、授業は活発なディスカッションを中心にすえたアクティブ・ラーニングがメーンとなる。

日本に目を転じると、東京大、京都大は14年ごろからMOOCをスタートさせたが、他のアジアの大学、例えば北京大、清華大、香港工科大などに比べるとまだまだ数が少ない。今後も世界のエリート大学として認められるためには、オンラインで英語のコースを数多く提供し、そこで作製したデジタル・コンテンツを学内教育の改善に当てはめる努力が必要だ。

改めてMOOCの素晴らしさを感じました。日本は東大にしてもかなり遅れていることも分かりました。