反保護主義 道険し 日独首脳会談 日欧EPAが試金石

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS20H0A_Q7A320C1NN1000/

最大の課題は経済だ。トランプ政権は「米国第一」を掲げ、自由貿易体制を見直す姿勢をみせる。このまま米国が保護主義的な政策を進めていけばG7やG20が主導してきた自由貿易の枠組みは形骸化しかねない。こうした状況を踏まえ、会談で両首脳は保護主義の台頭への懸念を共有。

試金石の一つが日本と欧州連合のEPAだ。安倍首相は「日EUのEPA交渉妥結が世界に発する象徴的なメッセージになる」と訴えた。交渉は詰めの段階に入っているものの、農産物の関税などで溝が残る。

トランプ氏との距離感も異なる。先の米独首脳会談は難民・移民問題で対立。一方、安倍首相はトランプ氏とゴルフをするなど親密で橋渡しに意欲をみせるが、米欧の溝を浮き彫りにするリスクもある。

日EUのEPAが試金石の一つとのことですが、主要国での選挙もありますし、2017年中に合意できるでしょうか。


米、対北朝鮮「あらゆる選択肢」 圧力路線鮮明に

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS16H7V_W7A310C1EA1000/

オバマ政権は北朝鮮による核放棄の取り組みを待つ「戦略的忍耐」の方針を掲げたが、北朝鮮に核・ミサイル開発の時間的猶予を与える結果に終わった。トランプ政権は北朝鮮にこれ以上の核開発や弾道ミサイルの発射を思いとどまらせるにはより強い圧力が不可欠との立場を取る。

米メディアによると、米政府内では北朝鮮への武力行使や金正恩体制の転換も選択肢に含めて政策見直しが進んでいる。武力行使では米本土を射程に収めるICBMの発射実験を北朝鮮が宣言した場合、関連する軍事施設を限定的に空爆する案などが浮上。

圧力強化には日米韓の擦り合わせが欠かせない。トランプ政権の出方をうかがうように北朝鮮は弾道ミサイル発射について「在日米軍が標的」と宣言し、揺さぶりをかけている。韓国では大統領選では革新系野党の優勢が鮮明で、次期政権は北朝鮮との対話路線を取る可能性が高い。トランプ政権の圧力路線と一線を画すことになれば、北朝鮮が日米韓の足並みの乱れをついてくる可能性がある。

20年前からの米国の対北朝鮮政策について理解できました。しかし空爆とはかなり穏やかならぬ雰囲気です。


ZARA・H&M、止まらぬアパレル2強 ブランド・地域「選択と集中」せず

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14125890V10C17A3TI1000/

「顧客ニーズに素早く対応できる基盤を持ち、独自の地位を確立している」。イスラCEOに攻めの姿勢を変える気配はない。インディテックスの経営に「選択と集中」の思想はない。主力の「ZARA」に加えて「ベルシュカ」「プル&ベア」など客層と価格帯を分けたブランドも並行して拡大。「ZARAホーム」と呼ぶインテリア雑貨はここ数年で急速に伸びている。

首位争いで譲らぬH&Mも路線は同じだ。16年11月期の売上高は前の期比6%増やし、インディテックスと拮抗。今期はベトナムやカザフスタン、コロンビアなど5カ国に進出し、「COS」「モンキ」など複数ブランドを一斉に出店する。

競合への影響も顕著になってきた。ドイツやハンガリーで衣料品店を運営するチャールズ・フォーゲレは赤字が続き、オランダ法人の倒産を決めた。「グローバルとデジタルが世界二大トレンド」。ファーストリテイリングの柳井会長兼社長は自覚するが、彼我の差は縮まらない。

なるほどMulti-concept-expansion。複数業態の積極出店戦略。これはユニクロには出来てないことですね。


無人化に走る実験国家

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13617230T00C17A3FF2000/

「機械ができる職業をこの国から根絶したい」。政府高官が3年前に漏らした言葉を思い出す。この構想はすでに現実だ。多くの飲食店はテーブルに置いたタブレット端末で注文を受ける。新興ビジネス街では自動運転タクシーの公道実験が始まった。おそらく世界で一番速いスピードで無人化が進む国といえるだろう。

シンガポールは実験国家だ。中国語が母語の華人、マレー語のマレー系住民、タミル語のインド系の寄り合い所帯だが、政府が選んだ共通語はどの民族にも関係が薄い英語。歴史を刻んだ古い住宅を容赦なく取り壊し、厳密な都市計画の下で国民を全土に再配置した。

政府が無人化に突き進む背景には2つの誤算がある。一つは極端な少子化だ。合計特殊出生率は世界で最も低い水準に沈む。もう一つは外国人流入への反発だ。人気がない飲食店や建設現場の仕事を外国人に任せてきたが、それでも「職を奪われる」との不満が広がった。

ハイテクとローテクがカオスな現場も体感してみたいと思いました。シンガポールは実験国家、なるほど。


新補佐官マクマスター氏は「物言う軍人」 党主流派も評価

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM21H7C_R20C17A2EA2000/

「物言う軍人」としても有名だ。著書で、ベトナム戦争中の米政府や統合参謀本部の指導力欠如を鋭く批判した。ゲリラやテロリストなど反乱勢力を鎮圧する作戦や行動の専門家で、2014年に米タイム誌の「最も影響力のある100人」に選ばれた。

トランプ氏と距離を置く共和党主流派の重鎮、マケイン上院軍事委員長はマクマスター氏の人事を「トランプ氏に大きな信用を与える」と評価した。マクマスター氏がロシアは脅威であり、米国の敵対国という安保に関する従来の見解を共有しているためだ。同じ軍人出身のマティス国防長官とも路線が重なる。一方、親ロシア派で前任のフリン氏とは大きく異なる。

フリン氏辞任から1週間。後任の調整に手間取っていた。安保政策の要である補佐官の空席が長引けば政権運営全体に支障が出る。ロシアとの関係改善を探るトランプ氏による対ロ強硬派のマクマスター氏の起用は、窮余の人事という面もある。

党主流派も評価というのは、親ロ路線への抑止力になるという意味でのようです。しかし、政権の軍人重用が鮮明。


主犯格?犯行日に出国 正男氏殺害で4人手配 遺体引き渡し、DNA鑑定後に

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM19H21_Z10C17A2FF8000/

4人は1月から2月にかけてマレーシアに入国し、殺害当日にそろって出国した。ニュース・アジアは「4人はドバイやウラジオストクなどを経由して17日に平壌に帰った」と報じた。

警察はこれまでに計4人を逮捕している。2人の女が実行犯とみられるが、北朝鮮の男性グループが計画を練って犯行を唆したとの見方が浮上している。

焦点は、逮捕されたリ・ジョンチョル容疑者と新たに手配された北朝鮮籍の男4人の役割だ。警察によると、リ・ジョンチョル容疑者はマレーシアに昨年入国し、現地企業のIT部門で働いていた。地元メディアによると、北朝鮮の大学で薬学などを学んで卒業している。殺害に用いたとみられる毒物の調達などに関与した可能性がある。

主犯格の4人はすでに平壌に帰ったということで、真相解明は一層難しそうです。息子のハンソル氏にも影響出ているとのこと。


正恩氏、権力への執着 「潜在的脅威」排除か 正男氏暗殺、5年前から命令

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM15H7H_V10C17A2EA2000/

金総書記が死去し、三男の正恩氏の体制が事実上始まった。長男の正男氏は北朝鮮を離れていたが、国家情報院の報告では、正恩氏は間もなくこの腹違いの兄の暗殺を指示した。正男氏は自身と家族の助命を願う書簡を正恩氏に送った。だが北朝鮮の対外工作機関、偵察総局はその後も暗殺の機会をうかがっていたという。

元北朝鮮外交官は正男氏について「海外生活が長く政治的影響力や国内基盤もない」と話す。後ろ盾とされた親族の張氏も正恩氏が処刑した。「明らかになったのは、正男氏を5年間追い続けた正恩氏の執拗な人間性」(元朝鮮労働党幹部)。

国家情報院によると、中国当局が正男氏の身辺保護にあたっていた。朝鮮半島での不測の事態に備えて中国が正男氏の擁立を探っていたとの見方がある。トランプ米政権が北朝鮮への強硬姿勢を鮮明にし、体制転覆を狙っているとみた正恩氏が焦り、代わりとなり得る正男氏を殺した、との観測もささやかれる。

真実が出てくるとは思えず、このまま闇の中という感じでしょうか。体制からすると異質な存在だったようですね。


中朝への抑止力強調 首相、米国防長官と会談 尖閣、早期に言質 「核の傘」提供を確認 駐留経費、今回は触れず

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC03H02_T00C17A2EA2000/

尖閣は、そもそも第三国の領有権問題で特定の立場を取らない米政府にとっては微妙な存在だ。オバマ前米政権は発足当初、公式の場で安保条約適用は明言を避けていた。適用対象に「尖閣諸島も含まれる」と自ら語ったのは14年4月になってからだ。今回、新政権発足直後のタイミングで確認できたことに政府高官は「パーフェクトだ」と語った。

米側がより切迫した課題と位置づけるのが北朝鮮への対応だ。北朝鮮が同盟国を核攻撃した場合に「圧倒的な対応を取る」と述べ、首相との会談でも核兵器による「核の傘」を含む拡大抑止力の提供を明言した。

日本が懸念する在日米軍駐留経費の負担増を巡る問題は話題にはならなかったという。日本側には対日防衛が貿易や通貨政策との取引材料に持ち出されるのではないかとの疑念すらある。

トランプさんの発言の流れがあったので、抑止力の維持が鮮明にされたことは意外でした。


米国第一主義の視点 大統領はビジネスマン

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO12265660Y7A120C1TCL000/

これからの米国を考える上で、参考になる歴史があります。米国が内向き政策を掲げたのは、いまに始まったことではないからです。20世紀初頭、米国は欧州とはお互いに干渉しないという外交政策の指針「モンロー主義」を掲げていました。第1次世界大戦が起きた当初、米国は欧州での戦争には参戦しなかったのです。

やがて、4年に及ぶ第1次大戦が終わると、欧米諸国はドイツに巨額の賠償金を課しました。その後、世界恐慌が襲来。各国は保護主義的な政策を強め、皮肉にも世界経済はさらに苦境に陥ったのです。そして、ドイツでは、国民の熱狂に迎えられた新リーダーが、2度目の世界大戦への引き金を引いたのです。

大戦の惨禍を繰り返さないために、第2次大戦後に設立された国際連合やEUは、台頭する保護主義や右傾化の波に揺さぶられています。米国が重要な役割を果たした国際協調は過去のものとなり、大国の利害と緊張が生む新たな国際秩序がかたちづくられるかもしれません。

モンロー主義からの第1次大戦を経て、真珠湾攻撃によって孤立主義を放棄。世界の警察官への流れ。という池上解説分かりやすいです。


米英の「まさか」世界を揺らす 米次期大統領トランプ氏 リベラルに反発、分断あらわ

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11232920Z21C16A2M12200/

クリントン氏の誤算は「女性初の大統領」への抵抗が強かったことだ。トランプ氏の男性の得票率は53%に達した一方、女性のクリントン氏への投票は伸びなかった。白人労働者の票を掘り起こしたこともトランプ氏の勝利につながった。この層は普段は投票に行かない人も多いとみられていたが、移民やTPP批判など、労働者層の不満を代弁したトランプ氏に共鳴して動いた。

SNSで飛び交った偽ニュースの影響も大きかった。米主要テレビ・新聞がトランプ氏批判のニュース一色だったなかで、トランプ支持層は主要メディアを支配階級とみなし、信用しなかった。

逆に支持を集めたのが、極右的な思想を標榜するネットニュースだ。白人至上主義を公然と唱える。オバマ大統領の任期中に進んだ米国社会のリベラル化への反発は強かったようだ。

オルトライト(ネット右翼)やポリティカル・コレクトネス(政治的な適切さ)といったキーワードが印象的でした。