ネット求人からみた景気 仕事の幅拡大、賃金も上昇 クラウドワークス社長 吉田浩一郎氏

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO22287890W7A011C1NN1000/

「熟練のITエンジニアは、引っ張りだこの状態で、完全な売り手市場だ。週5日間フルに働くベースで、1年前には月額47万円だった企業側の発注単価が今は55万円と17%ぐらい上がった。もう一つは仕事の幅の広がりだ。これまで私たちがマッチングしてきたのは在宅型の仕事がほとんどだったが、今はフィールド系と呼ぶ現場に出て行く仕事も増えてきた」

「企業の側も意識が変わりつつある。先週はソフトバンクが就業規則を改定し、社員に副業を認める方針を打ち出した。外部からの仕事を請け負うことで、いわば武者修行して腕を磨き、その成果を本業でも生かしてもらう狙いと聞いている。副業解禁の波は今後多くの企業に広がるだろう」

「月間の残業時間の上限を原則45時間とする今の政府案はブラック企業を排除するという点では意義があるが、一方で自ら進んで働きたいという、とりわけ若い人の労働意欲を阻害しないか心配だ。ドイツはIT系など成長産業については労働規制を緩めているとも聞いている。日本も全業種一律ではなく、それぞれの産業の実態や仕事の特徴に合わせたきめ細かい、柔軟な規制が必要ではないか」

最先端の日本の人材需給状況という点で興味深かったです。ソフトバンクも副業解禁とは。


商品を値下げしない誇りを 「吉田カバン」の吉田社長 吉田輝幸

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21637990Y7A920C1KE8000/

当社の社是は「一針入魂」だ。すべての工程に手を抜かないものづくりの精神を指している。創業82年、ものづくりの精神は社員や縫製職人さん、部材屋さんなどに受け継がれ、全くぶれていない。ごくまれに生産終了となった商品を期間限定で価格を調整することはあるが、定番商品は値下げしない。定価で買ってくださったお客様に大変申し訳ないからだ。

値下げすることは、長年大切に育ててきたブランドイメージを崩すことになる。さらに大事なのは、縫製職人さん、部材屋さん、すべての心ある人々の結晶が商品であるということだ。このような大切なものを簡単に値下げで処分するすることは絶対にできない。

育っていく商品をわけなく値下げして販売することは、商人のあるべき姿だろうか。「あきんど」とは、多くの人々が心込めて作り上げた商品を、飽きずにお客様の皆さんに説明して、購入していただく努力を懸命にすることではないか。顧客本位、ものづくり本位の思いは必ずお客様に伝わると信じている。

「吉田基準」と謳われる厳しい基準があるとのこと。一貫したモノづくりの精神がある会社は強いですね。


入社まで半年どう過ごせば?「思い切って自分棚卸し」 森川亮C Channel社長に大学4年生が直撃

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21433600S7A920C1TCL000/

社会人1年目はものすごく成長するタイミング。そこでの頑張りによってその後の成長はずいぶん変わると思います。僕は最初の1年は結構、勉強しました。社会に出てすぐに仕事はできないじゃないですか。何か提案するとか、それを形にするようなことは難しい。そのために必要なことは勉強しました。

資格を使いこなせるかが非常に重要だと思います。僕も一時期いくつもの資格を取っていました。一方で、それって世の中の役に立っているかと考えると、そうではない面もある。一番大切なことは、何かを実現するのに必要なものか、あるいはそれを手にしたときに世界が変わるか、みたいなことをイメージしながら勉強した方がいいと思います。

人は長期的に大事なことより、目の前のことに時間を使ってしまうところがある。先のことを棚卸しして、自分にとって大事なことを見つけて計画を立てると、やり遂げた時の達成感につながると思います。やりたいことが見えないのはもったいない。早めにやりたいことを見つけた方がいいと思います。

シンプルで本質的な回答だと思いました。自分の棚卸しと、早めにやりたいことを見つける。ここがポイントですね。


IT業界のワーキングマザー 肯定感の共有を 通販コンサルタント 村山らむね

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO21118700U7A910C1H56A00/

IT業界で活躍しながら、結婚や出産、育児を諦めない女性が増えていることは本当にうれしいことだ。さすがこの業界の女性たち。婚活にはペアーズやヤフー!パートナーを駆使し、子育てにもベビーシッティングサービスを活用するなど、ITで稼ぐだけでなく、ITサービスもしたたかに使う。「出会いがない」「時間がない」と嘆く時間こそ無駄と言わんばかりだ。

多くの企業で働く女性と話をする場面があるが、あっという間に泣かせることができる魔法のコトバがある。それは「よくがんばってるね」という現状肯定の言葉だ。どの立場の女性もすぐに涙目になる。特にワーキングマザーの場合、子供に寂しい思いをさせているのではないか、仕事場でも可処分時間が少なくなったことで周りに迷惑をかけているのではないかと、様々な罪悪感に苛まれている。なかなか自己肯定ができないのだ。

ワーキングマザーにアドバイスするなら、3つ。まずはそれぞれのがんばりを肯定し合える仲間との時間を作ること、次に可処分時間の少ないことにあぐらをかかず自分の付加価値づくりを常に頭に置くこと、そしてたまには長期的な視野で、少しペースダウンすることも選択肢にいれること。

魔法のコトバ、たいへん参考になりましたし、ITキャリアウーマンの実情なども興味深かったです。


100円で質と新鮮味追求 大創産業 矢野社長 消費者の要求一段と高く

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20957520Z00C17A9EA1000/

「100円の商品に求められる水準が徐々に上がっている。100円ショップの雑貨に限らず、パンでもスイーツでも低価格品の質は年々高まってきた。安いから売れるという法則は通用しなくなった。原価を上げて品質を高めた商品を出さないと売れない時代だ」

「店舗数は国内外で約4900店。ある商品が1店あたり1日1個しか売れなくても、1個1円のもうけで4900円の利益だ。1年で換算すると、この商品の利益は178万円になる。当社は国内だけで年約30億個の商品を販売している。原価をかけてでも商品力を高めて販売増につなげることが重要だ」

「セルフレジの試験導入を始めた。生産性の向上は重要だが、当社の強みは約7万のアイテム数。商品を売り場に並べたり発注したりするだけで相当数の従業員が必要になる。小売りが生産性の向上を進めると、扱える商品数は減る。それは消費者の選択肢を狭めることになる」

店舗数と商品数が最重要という点に注力している姿勢が伺えました。そこから生産性についても考えていらっしゃる。


社長の写真、投資の尺度に

https://www.nikkei.com/article/DGKKASGD01H4L_U7A900C1DTA000/

社長の顔写真をサイトに掲載していない企業の株価パフォーマンスの悪さが目立ち、そうした企業群の単純平均は全体より14%以上も相対的に値下がりしていた。逆に役員の顔写真を出している企業の株価は値動きがよく、平均を70%強上回った。

「写真の少ない企業は情報公開に消極的な傾向がある」。レオスの藤野社長は指摘する。不祥事企業を後から調べると、社長の写真を掲載していなかった例が目に付くという。写真の多寡は、その会社の人材が誇りを持っていきいきと働いているかの指標となり、藤野社長はアニュアルリポートでも写真を数える。

腕利きのファンドマネジャーやアナリストは、経営者の力量や企業文化から成長のにおいをかぎ取ってきた。機械による運用が広まり、業績の数値を瞬時に株価が織り込んでしまう時代だからこそ、投資家は「非財務情報」への感度が、企業は開示のあり方が問われている。

さすが独自の投資判断をされていて、この調査は興味深いです。社長あいさつの主語が私、私たちであれば、抜きん出て株価が高いという話も別記事に。


AIスピーカー、勝機ある? オンキヨー社長 大朏宗徳氏に聞く

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20577200Q7A830C1TJ2000/

「守備範囲はAIではなく、音を届ける技術だ。得意の音響技術を生かして、国内外全てのAIサービスと組みたい。まず米国でアマゾンのアレクサ対応スピーカーを発売する。国内でもすぐに販売したい」

「部品を集めればAIスピーカーは作れるが、音楽再生中やうるさい自動車内でも声を認識しないと使い物にならない。雑音を除去する音響技術を磨く。オーディオ屋として出力にもこだわる。AIスピーカーは結局のところ音楽再生の時間が最も長いという調査がある。ハイレゾリューション対応など最高の音楽体験を届けられるようにしたい」

「一方で音だけを特長にしていては勝ち残れない。魅力的な機能やサービスを拡充し続ける。例えばメールの読み上げや、声での利用者の特定などだ。常に進化するために、技術・資本提携、買収などあらゆる手段を検討する」

AIスピーカーの台頭は外部要因でしょうから、自らの力で市場を作るようなアイデアが必要かと。


ABCマート社長 野口実氏 スポーツ×街着、文化に育てたい アスレジャー、来月に専門店

https://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ16HEA_W7A820C1EA5000/

「アパレル不況といわれるが、ファッションのカジュアル化により金額ベースの市場が伸び悩んでいる。カジュアルな製品は機能性やデザインが向上している。その需要を取りにいく」

「新業態ABCマートスポーツを始める。ナイキやアディダスなどのスニーカーとウエアに絞り、2020年までに50店舗を出す。通常店舗より価格が高い製品も扱う。ファッションにこだわる人はかつて高級カシミヤ素材の服やビンテージのジーパン、革靴にお金を使っていた。今は高いスニーカーにも目を向けている」

「ランニングブームは追い風だ。ただスポーツに高いハードルを感じ、スポーツチェーン店に入りづらい人もいる。ファッション面を含め『形から入る』ことを狙う。健康志向で運動する人が増えれば、東京五輪が天井にならない」

ABCマートスポーツを50店出すそうですから、積極展開。高価格帯は納得感があれば売れるでしょうね。


脱「メシ・フロ・ネル」 生産性上げる「人・本・旅」 ライフネット生命保険創業者 出口治明

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO20123140Y7A810C1TY5000/

イノベーションは知識と知識の組み合わせによって生まれるが、自分の仕事に関する知識同士を組み合わせるだけでは、大きなインパクトは持ち得ない。自分の分野を深掘りしつつ、なるべく遠いジャンルの知識や時空を隔てたところで見いだされた知恵を取り入れることで、オリジナリティーは強化され素晴らしいアイデアとなる。遠いフィールドで得た気づきが豊かな発想を促し、生産性を高めるトリガーとなりうるのだ。

長時間働き、家と職場を往復するだけの「メシ・フロ・ネル」の生活を、「人・本・旅」の暮らしに切り替えなくてはならない。仕事では知り合うことのない様々な人に会い、いろいろな本を読み、興味を持った場所にどんどん出かけていく。脳を刺激し続けることで、考える力も磨かれていく。

大手生保に勤務時代、ロンドンで現地法人社長を務め、欧米企業のトップリーダーたちと接した。彼らの多くは博士や修士の学位を持ち、働きながらも貪欲に学び続けていた。その教養の高さには、とても歯が立たないと思った。残念ながら、世界標準と日本との間には大きな差がある。

「人・本・旅」分かりやすい。本に関しては、古典と新聞の書評が良いと別の記事にありました。


日本マクドナルドHD社長 サラ・カサノバ氏 ヒット生むのは顧客の声

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19483410R30C17A7TJ1000/

ロシアの一般的なレストランはメニューは豊富ですが、いつも具材を切らすことで有名でした。そこで「全てのメニューがお店にあります」と約束し、マクドナルドの店舗で必要な材料を作る施設を設けました。

母国カナダに帰任してマーケティング責任者を務めたとき、「世界ハンバーガーマーケティング大学」の教授に就きました。世界から集まるマーケッターに、消費者調査などの方法を教えるのが仕事でした。生徒から色々学ぶことができました。

来日前、日本人はすごく魚を食べる国民だと思いました。シーフードを使ったサンドイッチが必要だと市場調査で分かりました。そこで「えびフィレオ」を商品化。発売から10年で4億6千万個を売り上げ、シンガポールや香港にも広がりました。各国に赴任して学んだのはお客さまの声に耳を傾けること、それが一番だということでした。

V字回復は間違いなくこの方の手腕ですね。えびフィレオの商品化もカサノバさんだったとは知りませんでした。