クックパッドお家騒動 創業者に軍配 語らぬ戦略、株主不満

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14434370T20C17A3TI1000/

クックパッドの内紛が表面化したのは2016年1月。多角化で業績を伸ばす穐田氏の経営戦略に反発し、株式の43%を保有していた佐野氏が自身を除く全取締役の交代を求めた。結果として、16年3月の株主総会は佐野氏が提案したメンバーを中心とする取締役選任案を可決。穐田氏は社長を退任し、取締役に降格していた。

反目する佐野氏と穐田氏が取締役に居座る状況のまま、クックパッドは穐田氏の多角化路線から「料理」にこだわる佐野氏の本業重視の経営にかじを切った。料理レシピサイトの16年12月期末時点の有料会員数は192万人と1年前から9%増加。売上高に相当する16年12月期の売上収益は26%増の168億円となっている。

にもかかわらず、クックパッドの株価は低迷が続く。通販サイトや結婚情報サイトなど穐田氏が育てた新規事業の売却を進めていることで将来の成長性を見通せなくなっているためだ。23日の株式市場でクックパッド株は下落し、半年ぶりに昨年来安値を更新した。国内運用会社のファンドマネジャーは「総会で具体的な事業目標などが説明されず、嫌気した投資家が売った」と指摘する。

ステークホルダーが少なければ本業一本で問題ないんだろうと思いますが、上場するとそれだけではだめなんでしょうね。


実力勝負、起業が私の生きる道 支えてくれる人を信頼 そこに性別の差はない

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14107180V10C17A3TY5000/

山浦さんは画像分析を使い市場調査やマーケティング情報を提供するedison.aiの共同創業者。大きかったのは現在の共同代表のIT技術者、チュウさんとの出会いだ。起業に踏み切るのは勇気が必要だったが、「そこに性別の差はない」(山浦さん)。

「祭り」の企画や支援を手掛けるオマツリジャパンの代表取締役、加藤さん。3年間働いてためた数百万円を元手に27歳で独立。「当初は受注が得られるまでの資金を稼ぐために、とにかく各地のビジネスモデルコンテストを受けまくった」と加藤さんは語る。

まだ男女の壁も残る。山浦さんは「子どもがいたら起業はできなかったと感じることが多い」と話す。実際に共同代表のチュウ氏も2人の子どもは妻がみている。「女性が本当に活躍するには、まだまだインフラが足りない」(山浦さん)一方、オマツリジャパンの加藤さんは「男性起業家は事業を成功させようと必死で営業し続ける人が多い」と指摘する。これに対し、女性の場合は苦境に直面した時に、自ら全力投球を手控えるケースもあるという。

いずれも前例のない事業だと思いますのでその中で起業するというのは逞しいと思いました。


IoT 孫氏の野望 国境越えた通信網に照準 目利きに依存、リスクも

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14127060V10C17A3TI5000/

ワンウェブ。地上1200キロに小型衛星を飛ばし、地上に電波を送る。地球を丸ごとひとつの通信網で覆うためだ。720基もの衛星が必要なため構想止まりだったが、そこに目を付けたのが孫氏だった。1200億円を出資して筆頭株主となり「通信革命をもう一度起こす」と豪語する。

宇宙空間から届く通信ネットワークを何に使うのか――。点と点を結びつけるのが孫氏が掲げたIoTへの参入だ。巨費で買収したアーム。本業である携帯や通信とは相乗効果が見えにくかったが、狙いが浮き彫りになってきた。国ごとに分かれた地域限定ではなく、地球全体に行き渡る通信とモノの頭脳である半導体を握る。モノがネットとつながる社会の根幹をおさえることが、孫氏が描くIoT戦略だ。

孫氏はネットにつながるモノそのものには関心がない。狙うのはIoTの世界で起こる動きを裏から支える「プラットフォーマー」の地位だ。プラットフォーマーへの挑戦は01年参入したブロードバンド、06年の携帯電話もそうだった。寡占市場をおさえて安定的な収益源を確保する試みだが、孫氏が得意とするフィールドの情報産業は栄枯盛衰が激しい。ひとつの事業に頼り過ぎると時代の変化に取り残されるリスクを抱える。孫氏自身もAIが進化すれば「いずれあらゆる産業が再定義される」とみる。

通信と半導体、プラットフォーマー、IoT。AIによるあらゆる産業の再定義。孫さんの頭を少しだけ垣間見れました。


株主、家族と似ている 上場で何を伝えますか 糸井重里氏に聞く

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「自分たちを強くするために、山ごもりして修行するように上場というプロセスを踏むべきだと考えるようになった。僕たちを喜んでくれる人だけでなく、そうでない人にも認めてもらえるように成熟が必要だと思った。上場で調達する資金を使って人がほしい。人を一人雇うのは工場を一つ建てるのと同じようなもの。それほど一人の人間が果たす役割は大きい」

「利益をたくさん出せればうれしいが、それが第一の目標になるとずれていくと思う。最短かつ最効率で利益を得る会社が、人に喜ばれるとは思えない。人格としてその会社がいいなと思い、そこの商品を使ったり株を買ったりして応援する方向に世の中は変わっていくと思う」

「株主は家族と似ている。一緒にこの会社をやっているのと同じような気持ちになってもらいたい。自分たちのやっていることを社会に問いかけて事業として育てていくことが、最終的には株主に報いることになると思う」

非常に先端的な企業と株主観だと思うので、腑に落としていきたいです。目指すならこの方向性ですね。


長老の逸話に耳傾け 介護施設で聞き書き、発信

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高知県本山町。「デイサービス長老大学」に、にぎやかな会話が響く。傍らでほほ笑む代表の沢本(39)さんが相づちを打ちながら手元でメモを取る。「聞き書き介護」を実践する。10人ほどの利用者の多くは認知症患者だ。同じ話を繰り返す人も少なくない。だが「何度も話すことは本当に伝えたいこと」と粘り強く、何十回でも耳を傾ける。

千葉で生まれ育ち、鍼灸マッサージ師の資格を取った。カヌーにカヤックと川遊び好きが高じ、「清流のそばに住みたい」と高知に移住。沢本さんはマッサージ、妻は介護事業所のケアマネジャーの仕事で生計をたて、借りていた家を改装して夫婦で施設を開いたのは2年前のことだ。

ある90代の女性は近所で有名な気難し屋さん。施設に来ても「帰る」と言い張っていたが、話を重ねると徐々に心を開いた。昔の漁の写真を見ると「川のウナギは私が全部取っていなくなってしもうた」と冗談を言い、愉快な替え歌も披露。その姿は家族すら驚かせた。「毎日来たい」と女性が見せる笑顔に、「やってきたことは間違いではなかった」と実感する。

認知症ケアの大変さを反転させていて、頭の下がる思いです。施設の名称も素敵だと思います。


スマホ経済の行方 働き方改革で投資拡大 LINE社長 出沢剛氏

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「モノの所有を求めた過去の世代とは違う価値観の人が増え、必ずしも個人消費が底堅いとは言えない。いいものにはお金を使うが、選球眼は厳しい」

「働き方改革の流れを受け、投資への関心は高い。企業は業務の効率を上げるため、労働時間を可視化して無駄を省く必要がある。円滑な社内コミュニケーションのためLINEを使いたいとの声は強い」

「ひとりあたりのGDPが伸び、みな豊かになっている。かつて東南アジアでゲームビジネスは無理といわれたが、いいゲームならお金を払って遊んでくれる。中間層が厚くなる大市場だ」

コールセンターで電話ではなくLINE対応の求人は募集枠の何倍もの応募があるとのこと。


全米巡るザッカーバーグ氏 分断修復の糸口探る

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価値観や考え方が近い人同士がつながりやすいソーシャルメディアでは、共有される情報が偏りやすく、意見が極端になりやすい。それどころか、真実かどうかより、共感できるかどうかが重視される。「ポスト・トゥルース(真実)の時代」とも呼ばれるこの傾向こそが、偽ニュースが拡散する土壌を育んだという指摘だ。

ソーシャルメディアの力は正と負の両方向に作用する。エコーチャンバーは離れた場所にいる「似たもの同士」を引き寄せる一方、実社会における意見の対立を先鋭化し、共同体を分断した。選挙中に捏造され、独り歩きした偽ニュースを信じ込んだ男が何の罪もないワシントンのレストランを襲撃した昨年暮れの事件は全米に衝撃を与えた。

検閲ととらえられかねない偽ニュースの取り締まりに当初は消極的だったザッカーバーグ氏も方針を転換。第三者機関と連携した対策に乗り出した。「もしインターネット上で見知らぬ人と議論するのに疲れたら、外に出て人に話しかけてみるといい」。演説でオバマ氏がこう呼びかけたのは、決して偶然ではない。

「エコーチャンバー現象」に「ポスト・トゥルースの時代」。真新しい視点でしたし、ザック&オバマの言動と繋げて観ると興味深いです。


「ポケGO」ゲーム市場どう変える ポケモン社長 石原恒和氏 シニアも興味、専用機波及

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11980450R20C17A1TJC000/

「ゲーム業界は『メディア』としても『ゲーム機』としてもスマホが中心になる。スマホの普及台数は10億を超える。専用機とは遊び手の規模のケタが違う。情報も簡単に一斉配信できる。6億人も楽しんでいるのはスマホだからだ」

「実は50~60歳代のシニア層もポケGOをきっかけに初めてゲームに触れている。欧米では特にポケGOからゲームソフトに流れ込む消費者の動きが顕著だ。ゲーム人口は増えている」

「今は世界で同時発売が必須になった。ネットで情報が瞬時に駆け巡るため、発売日が遅れた地域は遊ぶ前に『ワクワク感』が冷めていってしまう。かつては日本の半年後に海外版を出すのが普通だったが、最新作は発売と同時に9言語に対応した」

ゲーム業界は『メディア』としても『ゲーム機』としてもスマホが中心になると見ているようです。


AIに負けぬ 「人間力」磨く 旅や芸術で感性養う ハウステンボス社長 沢田秀雄氏

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11472150Q7A110C1TQ4000/

「AIは蓄積した情報の分析や計算などは得意だが、画期的なものは生み出せない。人間には情報を新しく創造的なものに変えるスキルが最も必要となる。創造性が高まるよう感性を磨くには、多様な芸術や文化に触れたり旅をしたりすることだ。違う見方や考え方に触れ、現地のにおいや雰囲気を体感するといい」

「20~30代は知識を吸収する時期でもある。歴史やものの考え方をきちんと学ぶことが大事だ。全てを自身で経験することはできないので、『史記』や『孫子の兵法』、日本の戦国武将に関する本などを読むのも一つの手だ。夢や目標を持つことも大切だ。できるかどうかにかかわらず、大きな方がいい。こういう人間になりたいといった目標を持てばその実現に向けて何から踏み出せばいいかが明確になる」

「経験値の高い指導者を見つけることも大事だ。最新のテクノロジーは通用しないかもしれないが、人間は切れば血が出るし、精神や人間的な問題は何千年も変わらない。コーチの知見から学ぶことは多い。ただ、自らも勉強してチャレンジし、行動していかないと知識だけでは駄目だ。ゴルフの本を100冊読んでも毎日練習している人にはかなわない」

当たり前のことを言っていると思いますが、迫力のあるご意見です。血肉となっているからこそでしょうね。


ジョブズ劇場 破壊と創造 アップル、音楽・携帯のみ込み再起 常識縛られず時流つかむ

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経営陣と対立しジョブズがアップルを追われたのは1985年。高性能コンピューターを手がけるネクストを設立したが、なかなか軌道に乗らない。身売り寸前まで追い込まれた。CEOとして復帰したのは97年。常識破りの連続だった。「アップルが勝つために、マイクロソフトは負けなければならないという考えを捨てよう」。マイクロソフトを後ろ盾に経営不安が和らぎ、巻き返し策を練る余裕が生まれた。名より実をとったといえる。

飛躍への切符はiPodだった。世界的ヒットはシンプルなデザインと操作性だけでは説明できない。ジョブズはレコード大手をくどき、音楽配信サービスを始める。1曲99セントのバラ売りは、消費者に新たな音楽の楽しみ方をもたらした。

すべてをジョブズの功績にするのは乱暴だ。「地位の高い人ほどハードワーク。事業について細かく把握していた」。12年間、アップル日本法人で働いた梶原健司はそう証言する。現CEOのクックも、1年前に見たプレゼン資料の細かな数字まで記憶し社員に問いただしたという。職人気質のデザイン責任者のジョニー・アイブら、モーレツな仕事ぶりでジョブズの期待にこたえるドリームチームが経営層に生まれ、アップル再生をけん引した。

知らない話もありました。そして改めて才能バランスが社会ニーズと一致した点が大きかったのだと思いました。