ミクロデータは語る 大衆薬 女性が選ぶ「即効性」「漢方」

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO23720710Q7A121C1TJ2000

第一三共ヘルスケアのロキソニンSシリーズは、購入層の7割が女性だ。同社の調べでは、働く女性の3人に1人が週1回以上の頭痛を経験。特に管理職層が頭痛に悩まされているという。頭痛のタネは多いが、仕事や育児は休めない。そこで「即効性を訴えたら売上高が伸びた」と第一三共ヘルスケアの宮崎ブランドマネジャーは語る。

もやもやした体調不良に悩む女性を癒やす漢方薬も好調だ。一般用の漢方薬市場は16年度に489億円。20年前の1.8倍に増えた。中高年女性が中心だが、冷えやむくみなど女性特有の悩みにも効くと若い愛用者が増えている。

インテージによると、16年度の胃腸薬の市場規模は520億円。20年前より4割減った。バブル崩壊後、大手企業を中心に交際費を抑制し、飲酒機会が減ったことが大きい。代わって元気に食べて飲んでいるのが肉食女子だ。新生銀行の調査では、1カ月の飲み会数は男性会社員で最も頻度が高い50歳代で2.5回だったのに対し、20歳代の女性会社員は2.8回と上回った。

興味深いミクロデータだと思いました。ロキソニンS売れているんですね。胃腸薬市場の救世主も肉食女子。


病院の役割分担 明確に 医療最適化、小手先に限界

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO23527530V11C17A1EE8000/

医療費42兆円のうち、65歳以上の高齢者が使う分は約25兆円、全体の6割に及ぶのが日本の構造だ。75歳以上の高齢者に限ると15兆円、1人当たりの医療費は93万円に上り、65歳未満の5倍に達する。

窓口負担は現状で75歳以上は原則1割のまま。「給付と負担のバランスが欠けている」との指摘は多い。中高所得者や一定の金融資産を持つ人については負担割合を引き上げていくなど改革に踏み込む必要がある。

紹介状以外にも、国は病院の役割分担へ対策を進める。日本の医療機関は重症患者を受け入れる急性期病床が増え過ぎ、リハビリなどを通じて在宅復帰を目指す回復期病床が不足。回復期は2025年に現在の3倍の数が必要とされ、厚労省は急性期病床の報酬算定の要件を厳しくするなどして回復期への移行を促す。

在宅復帰を目指す回復期病床と、重症患者を受け入れる急性期病床のバランスに課題があるため、最適化。


働き方改革、産業医が後押し制度改正で役割拡充 不調社員の情報 収集可能に

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO23046850S7A101C1TCC000

産業医は38年の工場法改正で大規模工場に「工場医」の選任が初めて義務付けられた。72年制定の労働安全衛生法で「50人以上の労働者」がいる事業所に選任義務が課され、96年には企業側に改善を求める勧告権が産業医に与えられた。産業構造の変化でホワイトカラーが増加すると過労死や精神面の不調などが社会問題化。社員の健康管理で生産性を高める「健康経営」の考え方も普及し、産業医の役割は大きく変遷した。

厚生労働省は労働安全衛生規則を大幅に改正。企業に対し、残業が月100時間超の労働者の氏名などの産業医への報告を義務化した。報告を受けて産業医が健康診断やストレスチェックで異常が見つかった従業員の労働時間・内容などの情報を求めたら、企業が提供する義務も新設。産業医から改善策などの「勧告」を受けた場合、労使でつくる安全衛生委員会に報告する義務も加わった。

「産業医だけでなく保健師、看護師などによるチームでの対応を促すべきだ」と話すのは東京工科大医療保健学部の五十嵐教授。がん治療などと仕事を両立したり、休職後に復職を目指したりするケースでは「医師が最終的に医学的判断をするにしても、本人の希望や家族関係などを丁寧に聞き取り、職場の上司や同僚と細かく調整する作業は医師だけでは困難だ」と指摘する。特に専従の産業医が常駐する大企業と異なり、開業医や勤務医と嘱託契約を結ぶ中小企業では「ほとんど会社に顔を出さない産業医もおり、十分なケアが提供できない恐れもある」と強調。

産業医になるのは難しそうですが、不足している現状も分かりましたし、チーム対応も課題になっているとのこと。


病院口コミサイト規制 虚偽・誇大表現で患者誘導 改善拒めば行政指導

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO22985530R01C17A1CR8000/

厚労省は口コミサイトなど医療機関以外のサイトも、患者が病院選びの参考にしている実態を踏まえ、広告規制の対象とするかどうか検討。特定の医療機関に誘導する意図があることが確認された場合は、規制対象とすることを決めた。

こうしたサイトの監視は、厚労省が外部機関に委託し、ネットパトロールで行う。違反が見つかった場合、まずはサイトの運営者に通知して自主的な改善を促すが、従わない時は自治体が行政指導などを行う。

法改正は美容医療を巡るトラブルの増加を背景に行われた。これらの医療機関のサイトで不適切な表現が相次いでいたためだ。厚労省によると、美容医療を提供する医療機関のサイトには、患者に誤解を与える可能性がある「術前・術後の写真」の掲載が目立つという。このため同省は医療機関が患者の獲得を目的に、手術前後の写真を掲載することを原則禁止とする方針を固めている。

医療機関でのBefore→After写真掲載の禁止については知りませんでした。その方が健全ですね。


「生活習慣病」アプリで治療 キュア・アップは禁煙 サスメドは不眠症

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO22636900U7A021C1TJE000/

キュア・アップが開発したのは禁煙治療アプリ。医師が対面で患者を指導する認知行動療法の内容をスマホを通じて提供する。患者は禁煙できたか、どのくらい喫煙したいかなどの情報を毎日スマホに入力。入力データをもとに、アプリ側で行動療法に基づいた指示を通知する。

サスメドは不眠症の治療アプリについて、年度内の治験開始を目指している。同社のアプリも行動療法の内容をスマホで指示する。眠れないことに不安を感じている患者にはベッドに入る時間を遅くするよう通知するといった具合だ。

遠隔オンライン診療も身近になっていると感じます。医療業界を取り巻く環境が劇的に変わっていきそうです。


未来との摩擦 健康経営、企業は孤軍 医療費圧縮、国こそ必要

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO22067800Q7A011C1EA2000/

コモンズ投信の伊井社長は「30年先までの投資を見据えると、従業員を大切にする企業ほど外部環境の変化に順応し、成長に結び付きやすい」と話す。経済産業省と東京証券取引所が17年、健康経営に意欲的として公表したのは花王や伊藤忠のほかデンソー、東京ガス、日本航空など24社。岡三証券によると24社の株価は過去10年で年率換算にして8.7%上昇。

ただ、いくら企業が社員や家族の病気予防につなげようとしても、国全体の医療費から見れば焼け石に水だ。公的な医療保険で賄う約42兆円の医療費のうち、大企業の社員、家族らが加入する企業健保の医療費は5兆円に満たない。これに対し75歳以上の後期高齢者分は約15兆円に達する。

政府は各保険の負担割合を保険加入者数ではなく、加入者の平均収入に応じて決める仕組みを広げてきた。健康経営で稼ぐ力が高まった企業ほど負担が増すジレンマも潜む。企業再生を手掛ける経営共創基盤の冨山CEOは「大企業は強いから負担させよう、弱い中小企業は守ろうという政策は、かえって企業の生産性を落とす」と話す。

健康経営はコストではなく投資という考え方が、変化への対応が早い企業では当たり前になっているようです。


がん「緩和ケア」全国に 拠点病院以外に研修拡充 厚労省、終末医療の充実急ぐ

https://www.nikkei.com/article/DGKKASDG08H4B_W7A920C1CR8000/

厚労省によると、拠点病院は全国に約400カ所ある。しかしがん患者の4割は拠点病院以外の施設に入院している。そこで終末期を迎える患者も多い。

厚労省は研修会の指針を改定し、拠点病院以外の緩和ケア病棟などに勤務するすべての医師が受講することが望ましいと明記する。また、自宅で療養するがん患者に適切な緩和ケアが提供されるよう在宅療養支援診療所の医師にも受講を呼びかける。

研修の内容も充実させる。終末期の患者が延命治療を望むのか望まないのか、事前に患者や家族と話し合う際の対応方法を学ぶ。遺族に寄り添い支えるグリーフケアなどについても身につけてもらう。

拠点病院の医師とそれ以外の医師の知識差も問題なんでしょうね。必要な改定だと思います。


終末期患者の意思、尊重を 厚労省がモデル事業 自宅で最期迎える・病院で延命治療…自治体や病院、情報共有

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO20271650S7A820C1CR8000/

厚労省によると、2015年に自宅で死亡した人の割合は12.7%だったのに対し病院は74.6%に上る。同省は超高齢化社会に対応して在宅医療を推進。自宅でみとる体制の整備を進めているが、患者本人の意思に必ずしも沿わない医療が行われている実態があるとみている。

そこで、患者の意思についての情報共有を進めるモデル事業を全国で実施する。在宅医や救急医、市町村職員などが参加。延命措置の希望の有無などを記入する用紙を配っている八王子市などの事例を紹介し、意思共有の仕組みを話し合ってもらう。

同省は終末期の患者の相談に、適切に対応できる医師や看護師の養成も進めている。患者が医師らと話し合い、納得した上で本人が決めることが重要なためだ。16年度には751人の医師らが、倫理的な問題や患者の意思決定をどう支えるかを学ぶ研修会を受講した。

まだまだ病院で最期を迎える方が多いということが分かりました。国としても在宅医療を推進する姿勢。


膨らむ医療費に歯止め 薬価下げ・高額薬の使用減で 昨年度、14年ぶり減少

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19810300Z00C17A8EA2000/

16年度にブレーキがかかった理由の一つが薬代の引き下げで、薬価全体でみた下げ幅は1.2%だった。特に効いたのがC型肝炎の薬だ。もっともこれらの薬は完治が見込まれるため長い年月にわたって投与の必要がなく、16年度になると前年度の反動で投薬量が減った。さらに16年度は国が導入した、年間販売額が極めて大きい品目の価格を引き下げる仕組みの対象となり昨年4月から薬価が約3割下がった。

他の政策効果を指摘する声もある。16年4月から「かかりつけ薬剤師制度」が導入された。複数の病院から似た薬を処方されていた場合は一部の薬の服用について中止するよう指導しており、その結果として薬剤費が抑えられた可能性がある。

医療費の約6割は65歳以上の高齢者が使っており、75歳以上だけでみると全体の4割弱だ。16年度は医療費全体が減少に転じたのに75歳以上の高齢者の医療費は2月時点で1.3%増えた。75歳以上の医療費の窓口負担は現役時代並みの所得がある人を除き1割にとどまり、医療費が増えた分の多くはサラリーマンら現役世代へのしわ寄せが強まっている。

減少しても75歳以上の医療費は増えているということで、現役世代へのしわ寄せという点では課題多いです。


遠隔診療 普及へ動く 福岡で試行、政府後押し 報酬の上げ幅 焦点

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO18081120U7A620C1EA5000/

福岡市東区のまえだクリニックが使うシステムは福岡市と福岡市医師会、医療法人社団鉄祐会が試行を始めた。現在、11の医療機関が試行に参加し、患者が入力する情報や対象となる疾患について鉄祐会グループと精査している。同グループは7月にもオンライン診療の仕組みを整える予定。

政府は新たな医療ビジネスを生む成長戦略の一環でオンライン診療を後押しする構えだ。患者にとって通院の手間が省ければ、治療を継続しやすくなる面もある。

普及に向けた課題のひとつが、診療報酬の格差だ。今の報酬体系は患者が来院する対面での診療を重んじている。オンライン診療は電話でのやり取りの一種とみなされ、多くの場合は対面の半額以下。政府が来春の報酬改定で、オンライン診療の効果をどの程度評価するかによって普及の仕方も変わってくる。

2018年度診療報酬改定が普及のポイントという点について、首相はしっかり評価すると名言しています。