路地裏の店内で醸造 ビールの世界広げたい 金山尚子さん

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDG14HFB_W7A810C1CC1000/

「『ビールはおじさんの夜の飲み物』なんてただの思い込み。飲み方の文化を変え、魅力を広く伝えたい」。店長の金山さん(36)はこんな目標を掲げ、昨年3月、「さかづきBrewing」を開店させた。

2015年までの約9年間、アサヒビールに勤め、念願の新製品開発も任されていた。そのキャリアを捨て、独立を決断した。転機は、研究開発のための海外出張だった。欧州では厳しく守られてきた伝統の味、米国では自由な工夫を凝らした風変わりな味を楽しむなど、暮らしに独自のビール文化が根付いている。休日の昼には憩いの場として、地域や店ごとに違う中から好みの一杯を見つける。「こんなお店が日本にあれば、ビールの常識ががらりと変わるかもしれない」と思い立つ。

退社後、店探しから開始。若者らでにぎわう街にもかかわらず、ビール専門店が少ないと感じた北千住に決め、製造の免許を取得。醸造に使う鍋や大型バーナー、保存用の密閉容器などはばらばらに買い集め、会社員時代に得た知識で自ら組み立て、投資を抑えた。

知見と経験がかなり活かされていると思いますし、出店地や店・商品作りなどかなり考えられていると思いました。


日本は1万円札を廃止せよ 米ハーバード大教授 ケネス・ロゴフ氏

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19481230R30C17A7TCR000/

「主要国では現金決済の比率が下がっているのに、世の中に出回る紙幣と貨幣の量はむしろ増えている。米国ではドルの通貨流通量が1970年代、80年代はGDPの5%前後まで下がった。それが今では再び7%台まで上昇している。日本は今では約20%だ。もう一つの特徴は、現金の流通量のうち高額紙幣の占める割合が圧倒的に多いことだ。米国で100ドル札を使うことはめったにない。日本は90%が1万円札。ここから推計できるのは、高額紙幣の多くが非合法な経済活動で使われているのではないか、ということだ」

「オーストリアの経済学者の分析では、脱税を中心とした『地下経済』の規模は米国がGDP比7%で日本は9%と指摘している。多くの調査結果が日本のほうが脱税の比率が高いことを示している。財政悪化に苦しんでいる日本は高額紙幣の廃止によって税収増の効果も期待できる」

「金融危機のような大きなショックに見舞われれば、景気を反転させる手段はマイナス金利しかない。日銀やECBは現在もマイナス金利政策を敷いているが、極めて小幅だ。中央銀行がこの政策を深掘りできないのは、銀行預金にマイナスの利子を課すことができても、預金者が資産を現金に替えてしまえば、マイナス金利を付けることができなくなるためだ。マイナス幅は4%程度まで可能になるのではないか。その先駆者となれるのは、あらゆる金融政策を試みてきた日本だろう」

インドかどこかで高額紙幣廃止の政策はありましたが、今回そのメリットと日本の現状について理解が深まりました。


シンゾウとの距離 二階俊博 あうんの呼吸、いつまで

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19087120R20C17A7PP8000/

安倍は自身に思想信条が近い「お友達」で周囲を固めたい気持ちがある一方、二階や菅といった異なるタイプの政治家を高く評価する。安倍はことあるごとに「百戦錬磨、自民党で最も政治的技術を持っている」と二階を持ち上げ、二階も「ポスト安倍は安倍」と長期政権を支える立場を徹底してきた。

その腕力は時にあつれきを生む。二階が狙った無所属で自らの派閥に所属する長崎幸太郎の復党問題。書面提出で多数決にかける強行突破を試みた。しかし、18人の委員のうち、二階の意向に沿って復党に賛成したのは6人。二階は「党人事後の次の体制で審議する」となお執念をみせるが、党内からは「派閥を拡大するために幹事長のポストを使っているだけだ」との不満も表面化する。

「安倍1強」への逆風が強まる中、来年9月には党総裁選、年末には衆院議員の任期満了が控える。「衆院解散は総理の権限ですが、選挙は1人でできますか」。衆院解散風が吹いた3月中旬、二階は安倍にこうクギを刺したことがある。安倍と二階。あうんの関係は緊張関係の裏返しでもある。

首相より16歳上の大先輩でこういう実力者をしたたかに活用している点、安倍さんは長けていると思います。


シンゾウとの距離 小泉進次郎 互いの価値を値踏み

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衆院当選3回ながら衆目が一致する「将来のリーダー」。嫉妬の渦巻く永田町で、謙虚さを前面に慎重にキャリアを積んできた。だからこそ改造で噂される「異例の抜てき」には不安もぬぐえない。要職を受け失敗すれば非難の嵐となりかねない。一方、官房副長官など政権の中枢に入れば政権を擁護せざるを得ず、これまでの政権批判も辞さない清新なイメージは壊れてしまう。

首相とは微妙な距離感を保つ。「時間軸が違う気がするんだよね」。こう評したことがある。実際、遊説や党内論議でアベノミクスに触れたことはほぼない。金融緩和や財政拡大などカンフル剤的な政策にも一定の同調は示すが「日本の課題は20年以降に一気に顕在化する」と構造改革の必要性を訴える。

「いろいろ言ってて頼もしいね」と安倍は最近、皮肉にも似た感想を周囲に漏らした。政権浮揚のカードだが、引き立てた結果、自らの後継者とはいえない政治家を育ててしまう恐れもある――。首相周辺は「進次郎は首相にとってもろ刃の剣でもある」と語る。

まさに距離感のよく分かる記事でした。将来のリーダーであることに違いはないと思いますが、現政権での人事など注目です。


シンゾウとの距離 稲田朋美 庇護が生んだ痛手

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18986520Z10C17A7PP8000/

風当たりの強さは当選4回ながら防衛相に抜てきされたことへの嫉妬とも無関係ではない。防衛相の前は政調会長、その前は行政改革担当相を務めた。一貫して重要ポストに居続けられたのはひとえに安倍の庇護があったからというのが永田町の一致した見方だ。

稲田と安倍との出会いは2005年にさかのぼる。当時、党幹事長代理だった安倍が保守派の弁護士だった稲田を若手の勉強会に講師として招いた。靖国参拝問題などに鋭く切り込む稲田に一目ぼれした安倍が同年の郵政選挙の刺客候補として口説き落とした。

「いろんな事を急いでやり過ぎてきた」。稲田は最近、周囲に吹っ切れた一面も見せる。稲田と親しい自民党中堅も「議員としての幅を広げるちょうど良い機会だ」と次に備えるべきだとアドバイスする。それでも安倍の口から稲田を批判する声を聞いた議員は少ない。

8月の内閣改造では続投を予測する声は党内では皆無とのことで、やはり無理でしょうけど、よい機会とも思えます。


シンゾウとの距離 石破茂 モノ言い強める無役

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「政権中枢と近い方がポストは得られることはわかりきっている。でも、いざという時に俺がモノを言わなかったら自民党はどうなるんだ」。都議選ショックを受け徐々にカジを切り始めた。都議選後の10日間で受けた新聞やテレビの取材は10を超え、露出作戦を強める。

「総理と全面対決だ」と息巻くのが憲法改正だ。安倍は9条の1項と2項を維持したまま自衛隊を憲法に明記する案を提起。石破は、戦力不保持を定めた2項の規定と矛盾すると指摘するが、首相提案への反対論は党内で広がらない。「多くの人がおかしいと思っているのに、総裁の意図がそこにないと思って何も言わない」

石破が「ポスト安倍」を射止めるには、まず安倍批判層の受け皿にならないといけない。だが徹底した安倍批判の戦術は嫌う。次の総裁選へ勝機を探るが、安倍との違いを明確に自分の政策の旗印を掲げて「安倍降ろし」を仕掛けるわけではない。無役の戦いは「出口」が見えないままだ。

確かに都議選後テレビでよくお見かけしました。もちろんポスト安倍を狙っていると思います。


女性の駆け込み寺に 遊女ら供養する僧侶兼作家 家田荘子さん

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売春をする少女やエイズ患者など社会の片隅で生きる人をノンフィクション作品で取り上げるのは、いじめられていた幼少期の経験と無関係ではない。親からは「いじめられても黙っていなさい」と言われた。口に出したくても話せない人は以前の自分と重なる。

本音を話してもらう難しさと大切さを学んだのは、「極道の妻たち」での取材だ。とにかくしゃべって相手と仲良くなることが大事――。そんな思い込みで取材をしていたが、「妻たち」は一向に胸襟を開いてくれない。聞き役に徹すると、徐々に本音を語り始めた。信頼関係が築けたのか、当時の取材相手からは今でも相談が寄せられるという。

作家活動を続けるうち女性のための「駆け込み寺」を開くという新たな目標が芽生えた。99年に出家し2007年に僧侶となった。現在は和歌山県の高野山に駐在し、講演や執筆活動と並行して遍路や行を重ねる。

写真では分かりませんが、ネットで調べるとどなたか分かりました。独自の生き方をされていますね。


シンゾウとの距離 岸田文雄 時機を探る慎重居士

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1月には「安倍首相時代の後、何ができるか考えたい」と表明した。安倍と直接戦う訳ではない。政権を支え、3選を目指す安倍が退任した後に「首相の座」を狙うのが基本戦略だ。岸田派も、いまは党内第4派閥。トップをうかがうには安倍を支える最大派閥・細田派や、麻生が率いる第2派閥・新麻生派に気を配らねばならない。

慎重居士の岸田の淵源は何か。岸田周辺は17年前の「加藤の乱」を挙げる。かつて宏池会を率いた故・加藤は、当時の首相、森に反旗を翻し、失脚した。首相の座に最も近い位置にいながら勝負を急ぎ、すべてを失った。加藤側近の若手で加藤の乱に関わった岸田は、政治の厳しさを間近で見た。

「安倍政権にいるからポスト安倍なんだ。閣外に出たらただの人だ。よく考えろ」。安倍に近いベテラン議員は最近、岸田に外相続投を促した。岸田は迷っていたという。岸田は官邸に安倍を訪ねると「引き続き政権を支えます」と伝えた。「どういう展望を持っているか、よくわからない」。安倍に近い閣僚の一人は岸田を評した。主義・主張が必ずしも近いとはいえない安倍を支えながら存在感を示そうとする戦略が抱える宿命だ。

政治の駆け引きが見て取れます。原点は昔から加藤の乱と言われていますね。首相からの「次の総裁選、出るつもりなの?」は驚いたと思います。


シンゾウとの距離 麻生太郎 絶対的な「ナンバー2」

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18796090S7A710C1PP8000/

「首相ってのは大変なポストだ。相当な準備が必要。俺はやったことがあるからよく分かる」。麻生は周囲に「今、その準備をする気はない。俺が安倍を支える」と話す。麻生にとって今の派閥拡大は安倍を支える手段。副総理という地位に加え「数」も手に入れ、政権の「絶対的なナンバー2」の立ち位置を得た。

気になるのは最近感じる党内の嫌な空気だ。「絶対的なナンバー2」であればこそ、安倍政権が突如、瓦解するような事態になれば、首相のポストが麻生に巡ってくる可能性も高まる。それを警戒する声がにわかに広がる。

「政権を内部からむしばむのはいつも互いの疑心暗鬼だ」。安倍の周辺は口をそろえる。都議選惨敗で「安倍1強」に陰りが見え始めた今、中枢のささいなすれ違いすら政権内のバランスを崩す芽となりかねない。政権中枢への視線が厳しくなる時こそ盟友関係の真価が問われる。

キングメーカー(影の実力者)という言葉が似合いますね。首相のポストが巡ってくる可能性は十分ありますね。


都議選・取材後記 「小池流」支える孫子の兵法

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「戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」戦いにおいては、戦わずに敵の兵を屈服させることが最上である、という意味です。今回の選挙で、小池氏は、自民党や民進党の議員たちを「都民ファーストの会」に迎え入れました。もともと選挙の後援会や組織を持っている人たちを引き込むことで、消耗戦に持ち込まずに勝利を得ました。

「凡そ用兵の法は、国を全するを上となし、国を破るはこれに次ぐ」相手の国を打ち破るのではなく、丸ごと手に入れることが最善である。小池氏は、自民党と連携していた公明党を味方に引き入れました。自民党側についていた勢力を丸ごと手に入れたのです。

権謀術数を、彼女はどこで体得したのか。エジプトのカイロ大学留学中だったと私は推測しています。小池氏は以前、私にこう語ったことがあるからです。「日本の政治は戦争と言っても甘いものよ。命を取られることはないのだから」アラブ世界の政治は権謀術数が渦巻いています。政治も文字通り命がけの戦い。それをじっくり観察していたのです。

小池さんと孫子の兵法、興味深いです。カイロ留学の話を踏まえると筋金入りな感じです。