イシグロ氏、「記憶の中の日本」大事に 緻密な文体で世界魅了

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ノーベル文学賞に決まったイシグロ氏が、30年ぶりに日本を訪れたのは1989年。「日の名残り」でブッカー賞を受賞した年のことだ。長年戻らなかった理由について「子供の頃の記憶に残っている日本や、自分の想像の中で育んできた日本のイメージが、現実と出合って壊されてしまうのが恐ろしかったからではないか」と語っていた。

長崎とおぼしき土地を舞台に日本人画家を主人公とした長編「浮世の画家」など日本を描いた作品でも、自分の頭の中にあるイメージを追いかけた。それが作品に国境を越えた独特の雰囲気を与えている。

英国の伝統文学やチェーホフ、ドストエフスキーなどのロシア文学以外に、谷崎潤一郎、川端康成らの日本文学の文体の影響も受けている。その結果、生み出された緻密な文体も世界中で読者を得ている理由といえる。

インドなんかでもすごい人気だそうです。「日の名残り」は映画は観た記憶があります。他の作品もこれを機に読んでみたいと思いました。


ヘッドハント 次はあなた 女性限定の依頼増/将来は責任者に

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イケア長久手店は10月に開業する。異業種からスカウトされて副店長に就いた花見さん(41)。日本の大手電機メーカーに入社して以来、技術開発を担当した。長く働きたいと考えていたが、週末の仕事や出張が多く、周囲の男性には体力でかなわないと限界を感じた。と同時に「ここ数年、同じ事の繰り返し。違う仕事に挑戦したい」と思うようになった。昨年秋、「イケアで副店長を探しています」とヘッドハンティング会社からのメールを受け取り、心が動いた。

コニカミノルタIoTサービスPF開発統括部戦略推進部の吉田さん(39)は6月、担当部長として働き始めた。ヘッドハンターから誘われたのがきっかけだ。ドイツの研究所でコンピューターグラフィックスを研究。日本の家電メーカーの研究職を得て、後にソフトウエア開発事業部長に就いた。女性で技術開発の経験を持ち、海外の企業と交渉ができる人材は貴重だ。複数の企業から誘いを受けた。

ヘッドハントの対象は従来、50、60代以上の経営者や取締役が中心だった。しかし近年、将来のリーダー候補を求める例が目立つ。ヘッドハント会社のプロフェッショナルバンクは「一定のスキルがある30代後半から40代半ばの部長一歩手前の人材が多い」(高本常務)。同社への女性に絞った依頼は16年、前年の2割増えた。「企画に女性の考えを入れたい」「異業種の優秀な女性が欲しい」「経営陣の雰囲気を変えたい」との理由からだ。

アラフォーになると、仕事へのマンネリもありますし、次への挑戦を皆したくなるというのもあると思います。


染め ニューウエーブ 江戸小紋職人の4代目 廣瀬雄一さん

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祖母の家が千葉県の海沿いにあったことがきっかけで、10歳でウインドサーフィンを始めた。2000年シドニー五輪の指定強化選手になるほどの実力だった。だが大好きな競技を極めたい一方、家業を継がねばならないことは自覚していた。

卒業後に工房の職人に弟子入りし3年ほど修業した。「どうせやるなら日本一の職人に」。そう意気込んだが、職人になって5、6年たつと仕事が減っていることに気づく。経営に携わるようになると業界の厳しい現状や売り上げの減少に直面した。

試行錯誤の末、若い人にも受け入れられるファッションとしてストールに目をつけ、2012年にブランド「コモン」を立ち上げた。職人にとって大胆な挑戦だった。年配の職人らの反応は厳しかったが、廣瀬さんは「時代に合う新しい形で挑戦しないといけない」と力説する。

同い年なので応援したいです。アパレルとのコラボなど独自性を強みとして展開して欲しいです。


本命・桐生、ついに壁破る 日本人初の9秒台 フォーム改良、走り進化 リオ予選落ち悔しさバネに

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天賦の才に恵まれた一方で、それを生かし切る体の完成まで時間を要した。14年アジア大会は左脚を痛めて欠場、15年も世界選手権代表選考会だった日本選手権を右太もも裏の肉離れで欠場するなど、何度もケガに泣かされてきた。リオデジャネイロ五輪100メートルは日本勢でただ1人予選落ち。

東洋大進学後は、上体を前傾させる走りを覚えた。ピッチ数は限界に近く、前傾で接地時の推進力を高める「高野進さんや伊東浩司さんが作り上げたテクニック」(東洋大の土江コーチ)を注入。1歩のストライドを伸ばすことを重視した。

日本陸連の分析では桐生のストライドは2メートル30センチ程度。同程度の身長の選手平均より約10センチ広い。同じ身長で9秒79の記録を持つグリーンのストライドが約2メートル40~50センチというから、この点でも世界レベルに近づいている。

カンマの世界に、人類、日本人の進化を感じる陸上の世界。限界へのチャレンジ、おめでとうございます。


小池百合子研究 重ねた転身 この次は 「崖から飛び降りたくなる」

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父、勇二郎は小池が中学3年生の時に衆院選に出馬して落選した。その後、事業が傾き、不渡りを出して倒産。芦屋の家は抵当にとられ、小池家はすべてを失う。「選挙から1週間もたたず一家がいなくなった。一家でエジプトに逃げていたと聞いた」。参院議員の鴻池は語る。

最初の崖は26歳。カダフィ大佐の単独インタビューに成功。これをきっかけにキャスターの道が開く。次の崖は39歳。日本新党代表の細川から声がかかり、参院選に立候補して当選した。当時の秘書はのちに横浜市長になる中田宏。「『政治の構造、体制を変えたい』と言っていた。いまと同じ」と話す。

政界では5政党を渡り歩き、有力政治家に重用された。50歳代で自民党入りし、小泉政権で環境相に。クールビズの発案で知られるが、永田町で有名なのは第1次安倍政権の防衛相時代の方だ。防衛次官の守屋と対立し、更迭。そしてイージス艦機密情報漏洩事件について「省内で誰も責任を取っていない」と表明し、あっさり辞任。

しなやかに自分の路線を歩んでいる印象です。特に男性の目から見て理解できないこともあるかもしれませんが、本人の中では一貫しているのでは。


私の転職あえてベンチャー

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「自分の可能性を広げるチャンスだと思った」。プログレスで働き始めたことを、人事部長の宮本さん(36)は振り返る。リクルートジョブズに入社。8年間営業職として活躍した。そんな宮本さんの転職を後押ししたのは、「自分はもっとできるはず」という強い探究心だった。プログレスの菊田社長に能力を買われ、物事をどんどん進めていくベンチャーのスピード感に魅力を感じた。「前職では上から降りてきた仕事をどうこなすかという『HOW』の部分を考えていた。だけど、現在はどういった意義のある仕事をしていくべきかという、『WHAT』の部分が重要」と話す。

「デリバティブ取引などの分かりにくい金融の世界にいたからこそ、伝える技術の大切さをかみしめている」。ビットフライヤーでCFO兼広報の金光さん(35)はGSの出身だ。ビットフライヤーの加納社長に誘われ、「世の中を変えられる仕事かもしれない」という期待感を膨らませて転職した。大企業だからこそ任せてもらえる重要な仕事もあった。だが、専門的で限られた分野でこのまま仕事を続けていいのか。新たなワクワク感をもらえる場所がまぶしかった。

キャリアンの河野代表は「女性は仕事や私生活で関わってきた人たちのノウハウや知恵を吸収する能力が高い」と分析する。転職の際に働いていた企業でのスキルを生かし、やる気プラスアルファのしたたかさを発揮できれば、挑戦は夢の実現へと結びつく。

プログレス宮本さんのように、「自分はもっとできるはず」と感じている人は男女問わずたくさんいると思います。


路地裏の店内で醸造 ビールの世界広げたい 金山尚子さん

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「『ビールはおじさんの夜の飲み物』なんてただの思い込み。飲み方の文化を変え、魅力を広く伝えたい」。店長の金山さん(36)はこんな目標を掲げ、昨年3月、「さかづきBrewing」を開店させた。

2015年までの約9年間、アサヒビールに勤め、念願の新製品開発も任されていた。そのキャリアを捨て、独立を決断した。転機は、研究開発のための海外出張だった。欧州では厳しく守られてきた伝統の味、米国では自由な工夫を凝らした風変わりな味を楽しむなど、暮らしに独自のビール文化が根付いている。休日の昼には憩いの場として、地域や店ごとに違う中から好みの一杯を見つける。「こんなお店が日本にあれば、ビールの常識ががらりと変わるかもしれない」と思い立つ。

退社後、店探しから開始。若者らでにぎわう街にもかかわらず、ビール専門店が少ないと感じた北千住に決め、製造の免許を取得。醸造に使う鍋や大型バーナー、保存用の密閉容器などはばらばらに買い集め、会社員時代に得た知識で自ら組み立て、投資を抑えた。

知見と経験がかなり活かされていると思いますし、出店地や店・商品作りなどかなり考えられていると思いました。


日本は1万円札を廃止せよ 米ハーバード大教授 ケネス・ロゴフ氏

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「主要国では現金決済の比率が下がっているのに、世の中に出回る紙幣と貨幣の量はむしろ増えている。米国ではドルの通貨流通量が1970年代、80年代はGDPの5%前後まで下がった。それが今では再び7%台まで上昇している。日本は今では約20%だ。もう一つの特徴は、現金の流通量のうち高額紙幣の占める割合が圧倒的に多いことだ。米国で100ドル札を使うことはめったにない。日本は90%が1万円札。ここから推計できるのは、高額紙幣の多くが非合法な経済活動で使われているのではないか、ということだ」

「オーストリアの経済学者の分析では、脱税を中心とした『地下経済』の規模は米国がGDP比7%で日本は9%と指摘している。多くの調査結果が日本のほうが脱税の比率が高いことを示している。財政悪化に苦しんでいる日本は高額紙幣の廃止によって税収増の効果も期待できる」

「金融危機のような大きなショックに見舞われれば、景気を反転させる手段はマイナス金利しかない。日銀やECBは現在もマイナス金利政策を敷いているが、極めて小幅だ。中央銀行がこの政策を深掘りできないのは、銀行預金にマイナスの利子を課すことができても、預金者が資産を現金に替えてしまえば、マイナス金利を付けることができなくなるためだ。マイナス幅は4%程度まで可能になるのではないか。その先駆者となれるのは、あらゆる金融政策を試みてきた日本だろう」

インドかどこかで高額紙幣廃止の政策はありましたが、今回そのメリットと日本の現状について理解が深まりました。


シンゾウとの距離 二階俊博 あうんの呼吸、いつまで

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安倍は自身に思想信条が近い「お友達」で周囲を固めたい気持ちがある一方、二階や菅といった異なるタイプの政治家を高く評価する。安倍はことあるごとに「百戦錬磨、自民党で最も政治的技術を持っている」と二階を持ち上げ、二階も「ポスト安倍は安倍」と長期政権を支える立場を徹底してきた。

その腕力は時にあつれきを生む。二階が狙った無所属で自らの派閥に所属する長崎幸太郎の復党問題。書面提出で多数決にかける強行突破を試みた。しかし、18人の委員のうち、二階の意向に沿って復党に賛成したのは6人。二階は「党人事後の次の体制で審議する」となお執念をみせるが、党内からは「派閥を拡大するために幹事長のポストを使っているだけだ」との不満も表面化する。

「安倍1強」への逆風が強まる中、来年9月には党総裁選、年末には衆院議員の任期満了が控える。「衆院解散は総理の権限ですが、選挙は1人でできますか」。衆院解散風が吹いた3月中旬、二階は安倍にこうクギを刺したことがある。安倍と二階。あうんの関係は緊張関係の裏返しでもある。

首相より16歳上の大先輩でこういう実力者をしたたかに活用している点、安倍さんは長けていると思います。


シンゾウとの距離 小泉進次郎 互いの価値を値踏み

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衆院当選3回ながら衆目が一致する「将来のリーダー」。嫉妬の渦巻く永田町で、謙虚さを前面に慎重にキャリアを積んできた。だからこそ改造で噂される「異例の抜てき」には不安もぬぐえない。要職を受け失敗すれば非難の嵐となりかねない。一方、官房副長官など政権の中枢に入れば政権を擁護せざるを得ず、これまでの政権批判も辞さない清新なイメージは壊れてしまう。

首相とは微妙な距離感を保つ。「時間軸が違う気がするんだよね」。こう評したことがある。実際、遊説や党内論議でアベノミクスに触れたことはほぼない。金融緩和や財政拡大などカンフル剤的な政策にも一定の同調は示すが「日本の課題は20年以降に一気に顕在化する」と構造改革の必要性を訴える。

「いろいろ言ってて頼もしいね」と安倍は最近、皮肉にも似た感想を周囲に漏らした。政権浮揚のカードだが、引き立てた結果、自らの後継者とはいえない政治家を育ててしまう恐れもある――。首相周辺は「進次郎は首相にとってもろ刃の剣でもある」と語る。

まさに距離感のよく分かる記事でした。将来のリーダーであることに違いはないと思いますが、現政権での人事など注目です。