脱時間給 今国会見送り 臨時国会、働き方改革と一体審議

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS11H2U_R10C17A4PP8000/

「脱時間給」を盛り込んだ労基法改正案は、政府が2015年4月に国会に提出した。しかし野党が「残業代ゼロ法案」と名付けて「過労死を助長する」などと批判。政府・与党は衝突回避を優先し、審議されないまま約2年間たなざらし状態が続いている。

厚生労働省は金融ディーラーやアナリスト、研究開発職などを対象職種として想定。個人の裁量に任せた働き方を促し、成果を生みやすい職場環境を整えると訴える。

政府は今年3月、残業時間規制や、同一労働同一賃金の導入を目玉とする働き方改革実行計画をまとめた。秋の臨時国会に「働き方改革関連法案」を提出する方針だ。働き方改革は労働者保護の色彩が前面に出る。このため政府・与党内には「脱時間給も働き方改革とセットにできれば連合や野党も反対しづらい」(厚労省幹部)との声が上がる。

残業時間規制や同一労働同一賃金は労働者保護色が強いため、脱時間給も一体審議すれば連合や野党も反対しづらいとの見方。


ファストリ柳井氏の誤算 米国生産・国境税「あり得ない」 現地事業の黒字化に影

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14729840Q7A330C1TI1000/

「消費者にメリットあるコストでは提供できない。直接、我々に(米国生産を)求められたら撤退したいなと思います」。柳井氏は、こう明言した。

国境税に対してはアジアやメキシコなどからの仕入れが多い米流通業者が反対している。柳井氏の発言もその流れに沿ったものだ。背景には、トランプ政権の方針に簡単には従えない衣料品特有の難しさがある。

特にユニクロのような低価格衣料にとって米国生産は現実的ではない。衣料品の縫製工場は今も人海戦術に頼り、ロボットなどによる自動化はなかなか進んでいない。人件費が製造コストの多くを占め、いち早く先進国から途上国へと生産移管の動きが広がった。

かなり踏み込んだ発言です。縫製工場は今も人海戦術というのが意外でした。ゆくゆく自動化になるでしょうね。


トランプ政策 議会の壁 看板のオバマケア代替案撤回 税制改革にも暗雲

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14523620W7A320C1EA3000/

オバマケア代替法案の下院本会議での採決予定は、24日午後3時半。その直前、ライアン下院議長(共和党)がホワイトハウスに向かい「票数が足りない。このままでは否決される」とトランプ氏に告げた。政権が真っ先に取り組んだ目玉政策はあっさり瓦解した。

「これからすぐに税制改革に動く」。トランプ氏は法人税と個人所得税を引き下げる大型減税を急ぐと表明した。ただ、税制改革を議会で主導するライアン氏は「税制改革はこれで難しくなったが、不可能な道ではない」と腰の引けた言い回しに終始。

共和党指導部はオバマケアの見直しで社会保障分野の公的支出を圧縮し、その財源を減税に充てる構想を描いていた。代替法案の頓挫は、財源不足によって税制改革やインフラ投資の道を狭める。反トランプで勢いづく野党・民主党との超党派による協議も難しい。

一番EASYなはずのオバマケアで躓いたことで、早々にレームダック化の懸念が出ています。政策面でもオバマケア財源が消えると構想崩れます。


韓国「雇用許可制」が半数 留学生バイト少なく

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14334790S7A320C1EE8000/

韓国は日本の技能実習制度に似た産業研修生制度を04年に「雇用許可制」に改めた。この制度で受け入れた単純技能労働者が48万人と全体の半分を占める。このうち16カ国との2国間協定に基づいて中小の製造業や農業などで働く「一般雇用許可」が26万人いる。日本の技能実習生(21万人)より多い。

韓国語が得意な外国人材が多いのも特徴だ。中国の朝鮮族や韓国系の外国人などで「特例雇用許可」を得た22万人が飲食店や介護など許可されたサービス業に就く。これとは別に、韓国系のルーツを持つ「在外同胞」も20万人働く。日本語の能力が外国人材の受け入れや定着で障壁となっている日本とは対照的だ。

日本で急増している留学生アルバイト(21万人)は、韓国では1万3000人と少ない。外国人労働者全体の1%で、留学生の就業率も日本8割に対して韓国1割で「学業優先」だ。一方、「専門人材」は4万6000人(5%)と日本より少ない。

日韓の外国人労働力のグラフが現在の労働政策が反映されているようで比較しやすいです。


世論調査、賛否42%で真っ二つ 若年層は6割が賛成

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14281810R20C17A3NN1000/

特徴的なのは回答者の年齢で差が鮮明に表れた点だ。18~29歳の若年層では賛成が約6割で反対の約3割を大きく上回った。70歳以上は反対45%、賛成31%で対照的な結果となった。政府関係者は年齢による違いを「将来の人口減少に対する危機意識の違いではないか」とみる。

安倍首相は移民政策について否定的な発言を繰り返している。世論調査に照らすと、若年層よりも70歳以上の有権者からの支持を得やすい政策姿勢だ。高齢者の影響力が大きい「シルバー民主主義」の現状を考えれば、移民政策への慎重姿勢も説明はつく。

自民党支持層は賛成40%、反対47%で反対が上回った。民進党支持層では賛否が約4割で拮抗。無党派層は賛成が44%、反対は35%だった。性別でも差が表れた。男性は賛成44%で女性の賛成39%を上回った。

男性より女性の方が受け入れに消極的なのがなぜだろうと思いました。安倍さんの移民政策についても垣間見れました。


「反保護主義」削除、米譲らず G20、為替政策は維持 温暖化対策の記述なし

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14263270Z10C17A3EA2000/

米国はG20会議がほぼ毎回といっていいほど打ち出してきた「反保護主義」に代えて、「自由で公正な貿易」という文言を声明に盛り込むよう事務レベルの事前調整の段階から主張した。

米の意図をかぎ取った中国は、「公正が何を意味するのかはっきりしない」と主張した。先鋭化する米中対立を収めきれないとみた議長国ドイツ。貿易政策に関する有意な表現を声明から落とさざるを得なくなった。

見逃せないもう一つの焦点が、為替政策を巡る力学変化だ。トランプ大統領は「我々の通貨は強すぎる。(米企業は)競争できない」と強調。米国はG20会議に向け「通貨安競争を懸念する」との文言を声明に入れるよう求めていた。「懸念」は日中独を指すのが明白なだけに、3カ国は文言変更に反対した。

麻生さんの黙認も微妙な駆け引き。米の出方を伺いながらの各国の間合いが見てとれるようでした。


残業時間の上限規制「東京五輪まで猶予を」 運輸・建設、人手不足を懸念

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14247960Y7A310C1EA4000/

建設業界では日本建設業連合会が国土交通省に時間外労働の上限規制の建設業への適用に猶予期間を設け、20年の東京五輪以降に段階的に導入するよう要請した。労働時間の単純な短縮は五輪関連や災害復旧工事の工期に影響しかねないためだ。

政府は月末にまとめる働き方改革実行計画で、運輸や建設の適用猶予期間を具体的に明記したい考えだ。この2業種以外にも適用を猶予する業種を設けようとすると「収拾がつかなくなる」(厚労省幹部)おそれがあり、適用猶予は原則として運輸と建設に限る。

経済界からは適用除外に関して注文が出ている。日本商工会議所の三村会頭は実現会議後の記者団の取材に対し「経団連と連合でカバーできない業種があるので、実態をはっきりさせた上で現場の実態を踏まえた適用をお願いしたい」としており、今後調整は難航する可能性もある。

労働時間規制の適用除外業種というのがあるんですね。建設・運輸・研究開発。確かに五輪に向け工期に影響出るのはまずいです。


消えゆくビール安売り 規制強化、酒販免許取り消しも 販売奨励金を減額 値上げ「最大2割」

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ08I4Y_Z00C17A3EA4000/

酒類業界には商品を多く売ってくれた小売店にメーカーが「リベート」と呼ぶ販売奨励金を卸を通じて支給する商習慣がある。キリンは他社に先駆けてリベートを減額した。その結果、小売り側の仕入れ費用が上昇し、一部が店頭価格に波及した。見直しの理由は昨年5月に成立した酒税法と酒類業組合法の改正法だ。

値上がりの本番はこれから。6月以降は小売り側が新基準に応じて人件費や販売促進費を価格に転嫁し始める。「最低1割以上、最大で2割の値上げになる」と首都圏の食品スーパー大手の酒類販売担当は指摘する。酒税改定によるビールの減税は2020年以降で、規制強化により当面は値上がりが続く見通しだ。

法改正を主導したのは自民党の議員連盟。会長の田中衆院議員は「公正取引委員会による不当廉売の注意件数で最も多いのが酒類。改正は法令順守が目的だ」と話す。国税庁も「習慣性があるため過度に安く販売するのは望ましくない」と説明する。だが法改正を求めてきたのは量販店に押された中小小売店でつくる政治団体だ。安売り競争を繰り広げるスーパーやディスカウントストアを狙い撃ちにしたとみられても仕方がない。

酒税改定によるビール減税は20年以降なので、当面は値上がりが続く見通しとのこと。間違いなく第三のビールや缶チューハイに流れるでしょう。


人件費を考える 同一賃金の壁に挑む AOKI、熟練パート厚遇 ベル24HD、正社員登用

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13896500Z00C17A3DTA000/

「同一労働同一賃金」。パートやアルバイトら非正規社員の時給を正社員並みに引き上げたら、企業業績にどんな影響が出るか試算した。結果はさんざんだ。人件費の膨張が利益を大きく押し下げ、26社が経常赤字になる。

紳士服チェーン「AOKI」。最も接客に優れた「ゴールドスタイリスト」と認定された人、5人に1人がパート社員だ。報奨金がパート代に上乗せされる。パートは全国で約3000人。1990年代は3割足らずだったが、人件費削減のために比率を高めてきた。「成果向上につながる待遇改善を急ぐ」(人事部の佐々木次長)といい、昨年には時給を地域限定の正社員と同じ水準に引き上げた。

賃金の安い地方に拠点を置き、そこで非正規社員を雇うコールセンター業界。ベルシステム24ホールディングスはそんな常識を破り、非正規の正社員登用に乗り出した。人手不足で非正規の賃金は上がるいっぽう。時間とお金を投じて教育しても、途中でやめられてはもとがとれない。だったら「正社員として長く働いてもらったほうが、コストを吸収できる」(柘植社長)。

単純計算ですが、同一労働同一賃金で小売り・外食の利益の4割が吹き飛ぶというのは衝撃です。


抵抗する米「聖域都市」 移民の人権 考える機会に

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13681560U7A300C1TCL000/

アリゾナ州は2010年、独自に不法移民取締法を制定しました。これは現場の警察官に取り締まりの権限を与えるというもの。ところが、特定の人種を対象にした差別につながるという批判が出て、裁判に発展。連邦最高裁は、不法移民の取り締まりの権限は連邦政府の管轄であり、アリゾナ州が独自に取締法を制定したのは憲法違反だと判断しました。

さらに全米各地には「サンクチュアリ都市」(聖域都市)を宣言している都市が400以上あるとみられます。これらはリベラルな民主党の勢力の強い地域で、連邦法に違反している不法移民がいても、連邦政府に通報せずに守るという方針を貫いています。

日本では「トランプ大統領の移民政策はひどい」と他人ごとのように批判している人たちがいますが、トランプ大統領は、移民受け入れに慎重な日本のようにしたいだけだとも言えます。トランプ大統領を批判する人たちは、自覚せずに日本の移民政策を批判していることになるのです。

アメリカの移民政策や人権に対する考え方についての新たな知見を得られ勉強になりました。