「共謀罪」乱用に課題 対象犯罪277、捜査の網広く 「一般人」の定義曖昧

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS23H2X_T20C17A5EA2000/

政府は、改正案が成立すればTOC条約への加盟が可能となり、テロ情報などを各国と共有できるメリットがあると説明する。先進国で未締結なのは日本だけ。野党も条約締結の意義は認める。ただ、民進党などは現行法だけで十分に締結は可能との立場で、締結の条件を巡る議論は平行線が続いた。

条約締結の条件とされる共謀罪には野党側が強く反発する。かつて政府が3回提出した共謀罪の法案では「団体の活動として重大犯罪を共謀した」行為が処罰対象だった。今回も過去とほぼ同様、見かけは日常生活と変わりない行為に関し、犯罪に着手する一歩手前の準備段階と判断して犯罪集団を摘発するというもの。憲法が保障する「内心の自由」との兼ね合いが大きな問題となる。

与党は日本維新の会と改正案の修正で合意し、取り調べの録音・録画の導入検討を付則に明記した。適正な捜査の確保を印象づけるが、改正案が成立すれば277の対象犯罪について広く捜査の網をかけることが可能だ。この中にはおよそ「テロ対策」と無縁のものが多く含まれる。

TOC条約に加盟するためには共謀罪の成立が不可欠とのことで理解しました。これまた線引が難しいことも。


財政黒字化延期、射程に アベノミクス、次は教育に照準 首相、援軍に米大教授

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16439980W7A510C1PP8000/

維新が主張する無償化論は、幼稚園から大学までの授業料をすべて無償とする内容だ。通常の予算措置で5兆円程度とされる巨額財源を確保することは不可能に近いが、憲法に明記すれば政府に予算確保の義務が生じる可能性が高い。この提言は首相にとって二重三重の意味で渡りに船だった。年間5兆円程度の教育費負担が軽減できれば子育て世帯の可処分所得は増え、デフレ脱却に追い風。デフレ脱却と憲法改正が一度に実現でき、黒字化目標の先送りの口実にもなる。

3月14日。首相は駒を1歩前に進める。ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ米コロンビア大教授が経済財政諮問会議で教育投資の重要さを訴えたうえで「日本の政府債務の残高は多くの人がいうほど悪くない。政府と日銀とで一体となって政府債務を相殺すればよい」と主張した。首相も「スティグリッツ先生は私がずっと言いたかったことをはっきりといってくれた」と歓迎。日本の財政状況についても「それほど深刻ではない」などと同氏の主張に同調したという。

財務省や党内の反発は押さえられても、財政再建をあからさまに棚上げするようでは市場や国際社会から批判を浴びかねない。ならば中間案として浮上するのが、教育無償化などの財源を確保するために使途を組み替えた形で消費税を増税する案だ。財務省の悲願である増税は実現するが、歳出拡大に充てるため黒字化目標は延期。財務省にとっては1勝1敗のシナリオだ。

非常に重要なことが書かれているように思います。教育無償化の大義名分のもと、憲法改正、財政出動、増税、黒字化目標の延期。


ポスト安倍世代の自民党

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16366040T10C17A5EA3000/

3回生までの自民党議員を合わせると今や党全体の5割を超す。野党時代を知らない世代が最大勢力。野党から政権に返り咲いた経緯を実体験した世代と、そうでない世代に政治家としての振る舞いに違いがあるのは仕方がない面もある。

自民党は伝統的に家庭の存在を重視する政党だ。野党時代にまとめた憲法改正草案第24条は「家族は互いに助け合わなければならない」とうたう。専業主婦世帯の税負担を優遇する配偶者控除の廃止に踏み切れないのも「妻は家庭で夫を支えるものだ」という価値観が根本にある。

「安倍1強」に象徴される今の自民党は、首相に近い議員の発言を見ても復古主義的な価値観を想起させることが少なくない。だが「2012年問題」に象徴される3回生までの若手世代からは旧来の価値観にこだわらない政策発信が出る。実は党の質的な変化に気づいていないのは自民党自身かもしれない。

野党時代を知らないポスト政権交代世代が今や半数を超すとのこと。よりリベラルな世代のようです。


文氏、日韓歴史に厳しい視点 慰安婦は未解決/竹島に上陸経験/徴用工は解決済み 対日政策を検証

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16209780Q7A510C1EA1000/

日本政府が注視するのは、慰安婦問題に関し「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった2015年の日韓合意に、文氏が今後どのようなスタンスで臨むかだ。文氏は朴前大統領が弾劾訴追された後、再交渉が前提との姿勢を見せた。日韓合意を巡り「正当性を認定するのが難しい」「日本の法的責任と謝罪を明確にする新しい交渉が必要だ」と主張。

植民地統治下で強制労働に従事した徴用工に関しては、請求権問題の責任を韓国政府が持つべきだとの認識を示した。「請求権協定を通じて日本から受けた無償の3億ドルは、個人財産権(保険・預金など)、朝鮮総督府の対日債権など韓国政府が国家として持っている請求権、強制動員被害補償の問題解決という性格の資金などが包括的に勘案されているとみなければならない」などと明記している。

文氏が12年の大統領選で、出馬表明後に発表した「対日『五大懸案』解決に関する構想」も考え方を推し量る材料になる。「竹島に関する日本の挑発には決して妥協しない」「慰安婦問題は日本政府に法的責任を問う」「植民地統治期に韓国人を強制徴用した『日本の戦犯企業』は韓国での入札を規制する」といった主張を列挙。竹島には昨年7月に上陸した経歴がある。

安倍首相との電話会談では、歴史問題は賢く解決する必要があるとの発言をしているステータス。


韓国大統領に文氏、北朝鮮包囲網綻びも 早期の南北対話探る、日米の強硬姿勢と溝

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM09H6C_Z00C17A5EA2000/

文氏が狙うのは、米中を巻きこんだ北朝鮮問題の包括的な解決だ。北朝鮮が核放棄に踏みきれば、1953年の朝鮮戦争の休戦協定に代わる平和協定を締結し、米朝関係を正常化させるシナリオを描く。

新政権がまず直面するのは、THAADの韓国配備問題だ。文氏はもともとTHAADの配備に慎重。韓国がTHAAD配備に待ったをかけるような事態になれば米韓がぎくしゃくする。両国間ではTHAADの費用負担をめぐり米側が10億ドルの支払いを求めて再交渉の考えを示し、韓国側は拒絶するなど立場の違いが明らかになった。

北朝鮮も呼応する。朴政権を敵対視してきた北朝鮮は、朝鮮半島の南側で融和派の大統領が生まれれば、国際社会に敷かれた制裁包囲網を突き崩せるとみて韓国内の保守派攻撃を続けてきた。

盧武鉉さんの流れを組む人ですよね。Trumpさんのコメントはまだ出てなさそうですが、対北朝鮮がややこしくなります。


親EU マクロン氏選択 反ルペン票が流入 白票・無効票最多、支持基盤に不安

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC08H3K_Y7A500C1EA2000/

首都パリでは約9割がマクロン氏に投票し、都市部を中心にマクロン氏が圧勝した。マクロン氏は第1回投票から、得票率を約40ポイント上げ、FNの反対票が勝利の決定打になった。ルペン氏が得票率でマクロン氏を上回ったのは、地盤とする北部パ・ド・カレー県とエーヌ県の2つで、反EUの姿勢が支持拡大の障害となった。

マクロン氏の支持は盤石ではない。決選投票は、親EUか反EUかの選択が大きな争点になり「消去法」でマクロン氏を選んだ有権者も多い。経済改革を進める産業界寄りのマクロン氏の政策が必ずしも支持されたわけではないとの見方は根強い。

数年前に日本にも来てますね。ルノーのゴーンさんが介入を懸念するなど企業活動にも影響ありそうです。


習氏人気 好機かリスクか

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16066930W7A500C1EA3000/

意外だったのは、習氏が「人気」の面でも彭さんと肩を並べつつあるように感じたことだ。反腐敗の名のもとに政敵を次々と失脚に追いやり、自由にものを言えなくなった国民は習氏への不満を内にため込んでいる――。そんな日本で描いていたイメージとはだいぶ違う。

習氏の強権的なやり方に反発する人もたくさんいる。だが、多くは知識人やグローバル化の波に乗った党のエリートたちだ。いわゆる支配者層で、社会の多数派ではない。

世界で起きているのと同じ現象が、中国で習氏の人気となって表れているようにみえる。反腐敗を旗印に既得権層をたたく「強い指導者」に、国民の多くは拍手喝采を送っている。それは、停滞する日中関係にとって悪い話ばかりでないはずだ。習氏がやりたい政策をやれるようになれば、世論におもねって日本に強硬姿勢を取る場面は減る可能性がある。問題は、習氏が本当は何をやりたいかがよくわからないことだ。もしトランプ氏のように「自国第一」を掲げるなら、日中関係だけでなく世界の混迷は深まる一方だろう。

反腐敗に強権をふるう周氏に対してエリート層の反発はあるけれども、庶民からは圧倒的な人気があるとのこと。


EU信任に審判 仏大統領選 マクロン氏「強い欧州で経済回復」/ルペン氏「残留では国民貧しく」

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16067760W7A500C1EA2000/

中道系独立候補のマクロン元経済産業デジタル相(39)。掲げるのは穏健な融和路線。EUとの関係強化を優先し、「経済を軌道に戻すには、強い欧州が必要だ」と強調した。内政では弱者保護だけでなく、産業界にも配慮し、左派、右派の双方に目配りする。自由経済の重要性を訴え、ドイツと連携を深めてEUの統合推進に意欲的に取り組むほか、法人税を現在の33%から25%に引き下げるとし、企業活動の支援を公約とする。

極右・FNのルペン候補(48)。自国第一を前面に掲げ、「EUのルールに従えば仏国民は貧しくなる」と訴えた。Frexitの是非を問う国民投票の実施を訴えてきた。ルペン氏が自身の支持に結びつけてきたのは、相次ぐテロにおびえる社会の不安だ。厳しい国境管理の必要を主張し、移民も年間1万人に大幅に制限すると強調。経済政策でも保護主義の色彩を強め、輸入品に3%の輸入税を課すことや、政府調達でもフランス企業を優遇するとしてきた。

選挙戦は最終盤に入ってもマクロン氏が優勢を保ち、ルペン氏が苦戦を強いられる構図は変わらなかった。その半面、EUとの距離感やテロ対策、移民問題を巡る仏社会の深刻な分断が浮き彫りになった。

対立軸がハッキリして分かりやすいですが、フランス社会の分断が背景にあることが分かります。


アジア金融協力 強固に 日中韓ASEAN財務相会議 米追加利上げや北朝鮮情勢…リスク共有

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS05H0G_V00C17A5EA2000/

「引き上げる側も配慮して少しずつ上げる」。麻生財務相は、FRBの追加利上げに言及した。共同声明は世界経済のリスクとして「予想よりも急激な金融引き締め」を明記、米利上げへの警戒感を示した。

日中韓とASEANはリーマン・ショックなどの際にも結束が試されたが、足元でリスクへの警戒を強めている。ひとつはトランプ米政権の行方。また北朝鮮情勢も難題。日中韓3カ国が開いた財務相・中央銀行総裁会議では地政学リスクに言及、域内経済の重荷として認識を共有した。

金融危機の際にドルを融通し合うのがアジア金融協力の柱。ドルを借りた新興国は為替市場で「ドル売り・自国通貨買い」の介入を実施して自国通貨安を抑える。だが、IMFの承認がないと3割しか使えない仕組みで、ASEANはかねて融通枠の拡大を求めてきた。関係者によると、会議でもASEAN側から融通枠を4割に拡大するよう求める声が出た。だが、中国が難色を示したという。

特にトランプ政権と北朝鮮の地政学リスクのため、IMFまた2国間協力を強めるという共通認識。


米ロ、思惑抱え仕切り直し シリア攻撃後初の首脳協議 対テロ軸に修復模索 北朝鮮対応、立場に相違

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM03H4Z_T00C17A5FF1000/

今回の電話協議はロシア側主導で実現したもようだ。クレムリンは「シリア危機を背景に、将来のロシアと米国の国際テロに対する行動の調整を話し合った」と強調し、対テロをテコに対話復活を目指す意図を示した。

トランプ氏はかねてIS掃討を最重要課題に掲げ、ロシアのウクライナ侵攻により冷え込んだ米ロ関係の改善を主張してきた経緯がある。米ロが対テロ協力を進めるには、アサド政権と反体制派の戦闘が続くシリアの停戦で折り合う必要がある。

北朝鮮情勢を巡る米ロの思惑の違いも浮き彫りとなった。ホワイトハウスは「最善策を協議した」とだけ発表。一方のクレムリンは「ロシア大統領は自制と緊張緩和を要請した」と指摘し、米国をけん制した。国連安全保障理事会では4月、中国も賛成した北朝鮮のミサイル発射を非難する報道声明についてロシアだけが反対し、文言を変更させた。

ISや北朝鮮を道具に関係修復という構図ですね。ただロシアは米中接近を警戒しているので一筋縄ではいきません。