将来像描けぬ各党公約 社会保障・教育、給付・負担見直し欠く

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO22023590X01C17A0EA2000/

自民党は待機児童解消のための32万人分の保育の受け皿整備や介護人材の一層の処遇改善などに取り組むと明記。公明党は消費増税時に実施する予定だった低年金者向けの給付金や、介護保険料軽減の対象拡大の前倒し実施を打ち出した。ただこれだけで6千億円以上の財源が必要。来年度からの実施となれば、赤字国債の発行に頼らざるを得ない。

希望の党は正社員雇用を増やした中小企業の社会保険料の免除を掲げたが、これも財源の記述はない。ベーシックインカムと併せ、医療や介護の月額自己負担額に上限を設ける「総合合算制度」を盛り込んでおり、歳出圧力はさらに増す。

教育では各党がそろって幼児教育の無償化を掲げ、バラマキ色が強い。公明党の私立高校無償化も安倍首相が表明した消費増税による増収分を使った充実メニューには入っておらず、新たな借金に頼る構図だ。現役世代の教育費軽減のツケは、未来の世代に回っていく。

やはり政策にも哲学が必要だろうと思います。主要政策は憲法9条改正、安全保障関連法、19年10月の消費税10%、原発の4軸で捉えると分かりやすいです。


基礎的収支 さらに悪化も 増税使途見直し、「痛み」緩和を優先 首相、現役世代の不安配慮

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21246580Z10C17A9NN1000/

与野党で12年に合意した税と社会保障の一体改革では、消費税率引き上げ5%のうち、4%分を年金国庫負担や借金の減額、1%分を社会保障の充実に充てる計画だった。家計にとっては恩恵を感じにくい。8%への引き上げ時には消費の落ち込みが目立った。

税収の使い道を幼児教育の無償化などに広げるのは、家計への還元を増やして増税の痛みをやわらげる狙いだ。首相は現役世代が抱く教育や子育てを巡る不安要素を減らしていけば消費増にも波及するとみるが、実際にそうなるか不透明な面もあり「一種の賭け」(首相周辺)だ。

首相は財政健全化をないがしろにしているとの批判を避けるため、増税分の全額を教育財源などに充てることまではしない考えだ。ただ、借金減らしより歳出拡大を優先すると、PBが悪化する可能性が高い。消費税収は4経費に充てるとされているが、税収の不足分は19兆円を超す。高齢化に伴って医療や介護の給付費はますます膨らむ見通しで、ここに教育も加われば、借金頼みの財政運営に歯止めがかからなくなる。

選挙の争点となってくるので今一度理解しておきたいところです。池上解説をお願いします。


社会保障改革、財源に苦慮 消費増税「予定通り」 使途見直しには慎重

https://www.nikkei.com/article/DGKKASFS12H5C_S7A910C1EA2000/

財源論を巡っては、一定の収入を得たら授業料を返す出世払い方式を含め、教育国債や、こども保険などの案がある。首相は「様々な形があるのだろうと思う。議論が今、自民党内で始まっている」と議論の活性化に期待感を示したが、行方は見通せない。

19年の消費税率10%への引き上げでは、増税分の使途の大半を国債償還など財政再建に回すことが決まっている。これを見直し、子ども・子育て関連施策の財源に充てるべきだとの議論もある。ただ首相は「財政健全化を通じて将来にも安心を持てるようにしたい」と語り、見直しに慎重な姿勢を示した。

医療や介護など社会保障給付費は伸び続けている。抑制策は喫緊の課題だ。医療では、後期高齢者の患者窓口負担の引き上げが課題となる。介護給付も膨張に歯止めがかからない。過剰な在宅サービスの抑制や利用者の自立支援を促し、長い目でみて給付費を抑える仕組みが必要だ。

社会保障費抑制を取り巻く課題が整理できました。半端ではなく、メリハリのある改革を望みます。


忖度しすぎ?シルバー民主主義 高齢者を優遇、財政悪化 負担増、受け入れる素地

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20438380X20C17A8NN1000/

鶴慶大教授らが全国の6128人に税制と社会保障に関する考え方を聞いたところ「増税をして社会保障を拡大する必要がある」とした人が20代では29%で、60代では40%だった。高齢になるほど高くなる。高齢者はすでに社会保障の恩恵を受けており、実利の面から増税と社会保障充実の組み合わせを選んだ可能性がある。一方、20代で最も支持を集めたのは「増税をせず社会保障を拡大する」というただ乗りで、35%を占めた。高齢者に比べてすぐに社会保障の恩恵を感じにくいため、増税への支持が少ないようだ。

財務総合政策研究所の広光氏は仮想の国の財政政策について、負担を30年後に先送りするか、現世代と将来世代が分かち合うかを10~70代に聞いた。先送りは、30年後に付加価値税が10%から25%に、年金給付が月10万円から5万円になる。分かち合いは付加価値税が20%、年金給付は7万円の状態がずっと続く。30代は67%が、60代は54%が分かち合いを支持。

「政治家が高齢者の意向を勝手に忖度しているだけ。きちんと説明すれば高齢者もある程度の負担増を受け入れる」。「シルバー民主主義」を書いた八代昭和女子大学特命教授はいう。ただ、お年寄りの理解を得ても財政再建のハードルは高い。莫大な国の借金が若者の不安につながっている。

外国でも、英EU離脱などはシルバー民主主義が際立ちました。ベースに教育の問題もあるので難しいですね。


国民年金 未納7カ月で強制徴収 厚労省・年金機構、納付率引き上げへ 来年度に

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS17H3I_X10C17A5EE8000/

強制徴収の対象者は現在30万人を超えているとみられるが、今回の措置で数万人が新たに対象に加わる。ただ再三の督促に応じない場合などに限って財産を差し押さえるため、強制徴収の件数が大幅に増えるかははっきりしない。

年金保険料の納付率は60%程度で低迷している。2015年度に63.4%となり、前年度から0.3ポイント上昇した。改善は4年連続で表面的な数字はわずかながら改善の傾向にある。ただ厚労省が発表する納付率は低所得者や学生など保険料の納付を免除・猶予されている人を対象者から除いて算出している。免除・猶予になっている人を対象に含めた実質的な納付率は4割にとどまっており、将来にわたる年金財政に不安を残している。

どんどん締め付けを強くしていく作戦ですね。しかし実質的な納付率は4割というのも驚き。


社会保障 負担じわり/子育て世帯は恩恵も 4月からこう変わる

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC31H3E_R30C17A3EA3000/

公的年金の保険料は2004年から毎年引き上げることが決まっており、17年度がその最終年。国民年金は前年度より230円増えて月額1万6490円となる。9月には厚生年金の保険料も増える。支給額は昨年、物価が下がった影響を受け、国民、厚生両年金とも4月分から下がる。

医療では、後期高齢者医療制度で続いていた保険料軽減の特例を見直す。75歳になる前日まで配偶者や子の扶養家族だった元被扶養者や、一定の年収がある人の保険料が上がる。

雇用保険関連法が成立したのを受け、労使で折半する雇用保険料率は0.8%から0.6%に下がる。年収500万円のサラリーマンなら年5000円の負担が減る。低所得世帯の子育て支援策も拡充する。市町村民税が非課税となる世帯では、第2子の保育料が無償になる。

雇用保険料が下がるのは知りませんでした。なぜか調べてみると、剰余金が生じ、積立金もかなりあるからだそうです。


国民年金って誰が負担? 半分は税金から、保険料未納なら損

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13628890T00C17A3PPD000/

現役世代の保険料を高齢者の年金に充てる賦課方式が日本の年金の基本です。しかし年金額すべてを保険料で賄うわけではありません。現在の年金制度の体系は1986年に始まり、当初から税金を投入しています(国庫負担)。

最初は基礎年金の3分の1で、04年に2分の1に引き上げられることになりました。12年には消費増税による税収を2分の1の維持に充てることになり、国庫負担2分の1は恒久化が決まりました。

厚生労働省は14年の財政検証に基づき、年金の世代間の給付と負担の差を試算しています。様々な経済状況下で各年齢の人が平均余命まで生きたと仮定し、満額払った保険料に対して受け取る年金の総額を出しました。「国民年金はすべての世代で保険料の払い損はないという結果でした。半分が税金で支払われているからです」とみずほ総合研究所の堀江上席主任研究員は指摘しています。

半分は税金で賄われており、保険料を支払っていないと、税金が払い損になるということを理解しました。


高齢者年金、生活苦しく 医療・介護の負担増で赤字拡大

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13474240Y7A220C1PPD000/

総務省の家計調査(15年)で夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯をみると、1カ月の収入から支出を差し引いた収支は約6万2000円の赤字だった。年間では約75万円に達する。赤字幅は年々拡大し、5年前と比べると約25万円、10年前と比べると約32万円も増えた。

高齢世帯の収入の大半を占める公的年金は減少傾向が続く。厚生年金保険、国民年金の支給額は17年度も減る。「収入は減るが消費はすぐに減らせないという家計の硬直性がうかがえる」とFPの八ツ井氏は話す。高齢者の多くは貯蓄の取り崩しや支出切り詰めで対応せざるを得ないが「医療や介護費はなかなか削れないのが現状」(八ツ井氏)だ。

運用に資金を回すのが難しい高齢世帯は家計防衛の選択肢が少ない。ケアハウスへの入居や物価の安い地方都市への移住を勧める人もいるが、環境の変化には向き不向きもある。子どもたちに余裕があれば、高齢の親世帯の家計や貯蓄の管理にかかわるのも一案だ。無駄な出費の抑制に加えて、高齢者だけだと見逃すこともある国の給付金などのお金の手続きにも対応できるかもしれない。親の健康状態が分かれば、医療費の削減に役立つ可能性もある。

これを見ると医療・介護制度改革は単純でないなと思います。無駄をカットするきめ細かな改革が必要ですね。


ゆがむ分配 正すとき 「負担増・給付減」だけじゃない 問われる制度の求心力

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13183640R20C17A2M10800/

「約120兆円の社会保障給付費全体から見れば小さな話」「制度の持続性に全く影響ない」取材班が医療費審査の地域間格差や高額所得者への年金支給の是非を尋ねた際に、厚生労働省の官僚や関係者から何度も聞いた言葉だ。確かに財源にすると数百億~数千億円規模と大きくはない。だからといって放っておいていい問題ではない。

2016年時点の給付費の総額は自己負担に相当する分を除いて118兆円。既にGDPの2割を超える。これが30年には高齢化の進展で約170兆円まで達する見通しだ。しかも日本の長期債務は既にGDPの2倍を超えており、膨張する社会保障費を支える余裕は全くない。

取材班が現場で目にしたのは必死のバランス調整を尻目に、「余計なもの」や「適切ではない人」にお金が回っているかもしれないという事実だ。税や保険料は本当に困っている人のもとに届けなければいけない。社会保障の費用が大きく膨張しすぎたため、関係者が数百億~数千億円レベルの非効率に鈍感になっている面が否めない。

制度の求心力。信頼が大事というのは確かに。生活保護の不正受給や社会福祉法人のむだ遣いなどが主要な分配のゆがみだと理解。


社会保障 踏み込み不足 17年度予算案、高齢者も負担増 年金、抜本策は遠く

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11024790T21C16A2EA2000/

政府は財政再建に向けて、2016~18年度の3年間の社会保障費の伸びを1.5兆円に抑える目標を掲げている。来年度予算編成では今夏の概算要求段階で6400億円だった自然増を、1400億円圧縮する必要があった。これを医療で950億円、介護で450億円抑えて達成した。

高齢者の負担増に切り込んだことは、社会保障費の抑制に向けて評価できる。ただ患者負担の引き上げで国費を節約する対策が多く、医療や介護の保険給付範囲の見直しなど支出そのものを抑える視点は足りない。

待機児童対策や介護離職ゼロを進めるため、保育士と介護士の給料を上げる費用として新たに約1000億円を充てた。その財源は主に、国から雇用保険向けに繰り入れるお金を約1000億円減らして調達した。この国庫負担の引き下げは3年限定で、恒久財源とはいえない。

短期視点というのがよく分かりました。デフレ脱却を優先すべきで財政引き締めの段階ではないという意見も。