所得増税改正 4年ぶり 抜本改革ほど遠く 政府・与党 850万円超で合意

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所得税改革は働き方の多様化に対応するねらいだ。給与所得控除を減らして、だれもが使える基礎控除を増やす。政府・与党は配偶者控除を見直した17年度改正に続く所得税改革の第2弾と位置づける。ただ、将来的な所得税の姿を示さずに、一部の会社員に負担増をしわ寄せするやり方はとても抜本改革と言えない。

ここ数年、給与所得控除の縮小や配偶者控除の見直しで、高所得の会社員に負担増を求める動きが目立つ。一方、今回の見直しで増税となる年金受給者は、年金以外の所得が多い0.5%だけ。余裕のある高齢者に幅広く負担を求める発想は見えない。人材獲得競争がグローバルに広がるなか、高所得会社員への増税が続けば頭脳流出につながるリスクもある。

所得税を社会保障や雇用政策と縦割りで議論するのも無理がある。今回の見直しでは子どもがいれば、高所得でも増税にならないケースが多い。一方、3~5歳児の保育無償化にも所得制限をつけない。子育て支援で高所得世帯をどこまで優遇すべきか政府内で整理した形跡はない。

高所得の会社員への増税メニューばかりだと、頭脳流出のリスクがあるというのは、確かに。何をすれば抜本改革になるのか知っておく必要がありそうです。


信頼もシェアできるか

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO24383710X01C17A2TCR000

ウーバーの場合、運転手の顔や名前、過去の乗客による評価があらかじめわかる。乗車中も、どこを走っているか友人や家族に知らせる機能がある。「技術があるからこそ向上する安心・安全がある」と同社幹部は訴える。新しいサービスを古い規制やルールの枠に押し込めようとすれば、せっかくのイノベーションも花開かず、恩恵を享受できない。

個人が果たすべき役割も大きい。相互レビューに真面目にのぞみたい。いい加減な評価ではサービスの質が保たれず、結局みんなが損をする。誰のどのサービスを使うか、選択眼を養うことも欠かせない。シェア経済を回す信頼は関係者が協力してつくり、その信頼もまたシェアする。そんなコミュニティー意識が重要だ。

スペイン発のトレイティーは、SNSや物品売買サイトの利用情報をもとに個人の評判を可視化する。「信用できる人」ならシェアサービスを使いやすい。まるで監視と感じる人がいるかもしれない。だが評判が一種の通貨となり、活動の範囲が広がるデジタルの効用は見逃せない。

なるほど、技術革新で保たれる安心にもオープンである必要があると思いました。スペインのトレイティーのようなサービスも今後伸びそうです。


NHK受信料 支払い圧力増す 一方的徴収には歯止め

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大法廷判決は公共放送としてのNHKの役割を評価し、受信料制度を合憲と結論づけた。NHKの主張に沿った判断で、受信料徴収に追い風となる。しかし、申込書類を送りつけるだけで契約が成立するとのNHKの主張は退けた。

合憲判断を受け、現在80%弱の徴収率は高まるとみられる。契約を拒む人から徴収するには今後も個別に裁判を起こさなければならないものの、合憲判断が広く浸透すれば無形の支払い圧力が強まるとNHKはみる。

裁判が事業に与える影響は大きい。策定中の中期計画では放送と同じ番組を同じ時間にネット配信する常時同時配信を盛り込むもようだ。民放各局はNHKが受信料を背景にした豊富な資金で民業を圧迫すると懸念している。受信料を広く集めるNHKはそもそも収益性が高い。今回の判決により、さらに積み上がると予想される。公共放送としてのあり方がこれまで以上に問われる。

徴収率は8割超えているんですね。納得できない声は多そうですが、公共放送としての監視は強まりそうです。


自宅、便利で娯楽あり MJ2017年ヒット商品番付

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アマゾンジャパンはアマゾンフレッシュを始めた。ネット通販の巨人は宅配する製品群を増やす一方、動画や音楽の有料会員向け配信サービスを広げている。自宅に居ながら商品を受け取ったり、コンテンツを楽しんだりするサービスが次々に消費者を囲い込んだ。

家で楽しく過ごすための製品の代表格が西の横綱「任天堂ゲーム機」。据え置きでも携帯でも遊べるニンテンドースイッチは発売約7カ月で763万台、かつての人気ゲーム機の復刻版「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」は約1カ月で200万台を販売した。

西の大関「AIスピーカー」はアマゾンのほかLINEや米グーグルなどが相次いで発売した。18年9月の引退を表明した「安室奈美恵」さんは東の大関となった。

しわ取り化粧品と睡眠負債商品、どちらも知りませんでした。世相や消費傾向が凝縮されているように思います。


政治資金 ネット公開道半ば 15道府県選管で未導入 民間も挑戦 人・資金が壁

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「データベース化の作業量は膨大。アルバイトを雇って何とかやっている」。公益財団法人政治資金センター理事の上脇神戸学院大教授は明かす。ネット公開でも各政治団体が提出した紙の報告書をPDF化しただけでキーワード検索などができず、政治団体のカネの流れを検証する上で大きな壁となっていた。このため、同センターはOCRでデジタルの文字コードに変換。キーワード検索を可能にした。

NPO法人ドットジェイピーはホームページを開設した。国会議員が代表を務める政治団体の収支構造を円グラフなどにし、「収入に占める個人寄付の割合」や「支出のうちの人件費の割合」などを一目で分かるようにした。担当者は「人件費がかかりすぎる。運営資金の工面は非常に難しい」と話す。

政治資金規正法は報告書の作成と公表を義務付け、3年間、閲覧可能となる。ネット公開への規定はなく、総務省は04年、各都道府県の選挙管理委員会に、ネット上への公開を検討するよう通知した。政治資金センターによると、ネット公開は32都府県の一方で、ネット未公開の選管は現時点で15道府県に上り、情報へのアクセスに格差が生じている。

報告書の作成と公表は義務付けられているけれども、ネット公開への規定がないとのこと。


会話や移動 念じるだけで 若者たちの新地平 脳が世界を動かす

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BMI技術は世界で開発が進み、米フェイスブックはBMI技術で脳に浮かぶ言葉を高速タイピングできる技術を開発すると発表した。米テスラCEOのマスク氏が提唱するBMIを使ったテレパシー通信の技術は、究極のプライバシーともいえる自分の思考をたやすく読み取る技術にも転用できる。

既に個人の購買履歴や行動をAIで分析することは当たり前になっている。商品などを見た際の脳がどう反応するかを調べ、製品開発に生かすニューロマーケティングも実現している。脳とコンピューターを直結するBMI技術はこの流れを決定づけることになりそうだ。

事故や病気による障害による制約の克服は人類の長年の夢だ。だがBMI技術には個々の人間の思考をオープン化する作用もある。機械と人体の融合が、コンピューターやロボットに過度に依存する社会につながらないのか。

BMI技術、ニューロマーケティングと新しい言葉を覚えました。技術発展とプライバシーのせめぎ合いですね。


訪日客にローマ字早見表を配ろう 内閣府沖縄総合事務局ローマ字・英語表示検討会委員 玉盛映聿

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ローマ字にはヘボン式や訓令式、英語型や混成型などの表記があり、同じ言葉でもつづりが異なる。異なったつづりが混在したままで使われているのでわかりにくい。外国人は自身の母語につられローマ字の発音に迷い、読みづらいのだという。

通りの案内板や標識では地名や施設名などの固有名詞はローマ字で表記され、施設の種類や機能は外国人がわかるように、英語などの外国語に翻訳されている。多言語の表記が増える一方で、ローマ字の表記は混在したまま、読み方は外国人まかせである。外国人向けの観光地図や案内パンフは豊富にあるものの、日本のローマ字についての説明はほとんど見当たらない。

ローマ字読みのコツを入れた早見表を配布したらどうだろう。財布に収まる紙幣サイズやカードなら携帯していつでも使える。クール・ジャパンの図柄入りなら、日本土産にもなる。

普通に読めるのだろうと思っていましたが、外国人からすれば母語につられるんですね。勉強になりました。


これって広告?広がる困惑 SNSの人気者に企業接近

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隠れ広告が横行するのは、クチコミサイトなどの情報が購買行動を大きく左右しているためだ。2017年版の消費者白書によると、ネットの商品レビューを参考にする人のうち購入に踏み切ったことのある人は20~50代で9割。一方で「広告と分かるとクリックされにくい」(森弁護士)ことが、企業をステマに走らせるという。

具体的に何をすればステマになるのか。日本弁護士連合会は「消費者に宣伝と気付かれないように行う宣伝行為」と定義する。事業者が消費者になりすまして自社商品を薦める「なりすまし型」と、報酬をもらっていることを隠してSNSなどで薦めるような「利益提供秘匿型」に分類し、現状を問題視する。

企業側も、度重なる騒動を経て、ステマが露呈した場合の消費者の反感や炎上のリスクを認識し始めている。大手広告代理店などが加盟するWOMマーケティング協議会はステマ防止のための自主ルールを運用。ウームでは、企業とタイアップした場合のガイドラインを策定。レモネードは、紹介後にステマの問題が起きないよう投稿も確認するなど「4重、5重にチェックしている」(石橋代表取締役)。

改めてステマを取り巻く現状と問題点を知ることができました。法規制議論と同時に企業が自主規制の動きも。


ぬるま湯の「心理改善」 値下げ・ネット通販・失業リスク減 景気回復実感なくても3つの「熱源」

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なぜ消費者心理は明るいのか。1つめは小売店による日用品や食品の値下げだ。日銀幹部は「必需品の値下げを受け、消費者が将来の物価は上がりにくいだろうと予想すると心理は上向きやすい」と分析する。節約志向が和らぎ、旅行などにお金を振り向けるようになる。

2つめがインターネット通販の普及だ。米マサチューセッツ工科大学が10カ国を対象にネットと実店舗の価格差を調べたところ、日本はネットの方が割安な商品の割合が45%と最多で価格はネットの方が平均で13%安かった。

3つめは失職の不安が小さいこと。有効求人倍率は1.52倍と世間は人手不足だ。その影響で厚生労働省によると17年の大卒男性の初任給は5年前より3.0%増えた。BNPパリバ証券の河野氏は「若い世代ほど雇用改善の効果が大きい」と話す。

現状へ満足するぬるま湯状態から革新が生まれないという点を指摘する声も一理あると思いました。


ミクロデータは語る 日用品 お一人様・シニアがけん引

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家庭用洗浄剤分野で近年、ヒットしているのが柔軟仕上げ剤だ。従来は女性の購入が圧倒的だったが、トモズでは「都心の店舗で特に男性の購入が増えている」と証言。消費者の変化を察知した花王は、初めて男性をターゲットにした柔軟仕上げ剤を発売した。

シニアの購買意欲も旺盛だ。ライオンの浜社長は「元気なシニアはQOL向上に出費は惜しまない」と手応えを感じている。ライオンが4月に発売した入れ歯洗浄装置。部分入れ歯も効率的に洗えるのが特徴だ。価格は1台約5千円と高いが、入れ歯利用者の割合が高い北海道限定で発売したところ、当初計画の2倍売れた。高齢でも元気なシニアが増えていることから、口腔ケアに対する意識は高まっている。大人用紙おむつも成長が続く。

日用品からも社会構造が見えてきます。肌感覚として知っておくと、ユニークな製品づくりのアイデアが出てきそうです。