東北の中小、震災乗り越え世界に挑め 危機感バネに輸出拡大 「オンリー1」技術に磨き

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11653520T10C17A1ML0000/

岩手県一関市の大武・ルート工業。太田常務は「この被災で国内生産を断念する企業が相次げば、販売先がなくなってしまう」と危機感を募らせた。拠点をタイに設けると、納入先が増え始めた。売上高9億円のうち、ほぼ半分が中国や韓国など海外向けだ。太田常務は「震災を契機に海外に出たら、当社の技術が世界で通用することが分かった」と話す。

「大震災は間違いなく当社のターニングポイントになった」と振り返るのは、斎栄織物の斎藤常務。震災の半年後、髪の毛の6分の1の細さの絹糸が完成した。当初はウエディングドレス向けと考えていたが、意外な展開を見せる。工業向け用途で受注が急増した。海外への直接販売は約4割で、出荷先は米欧や中国、モンゴルまで幅広い。

宮城県気仙沼市では、造船所が壊滅的な被害を受けた。それから4年後、地元の中小造船4社は統合し、みらい造船を設立した。木戸浦社長は「震災前と同じことをやっていては気仙沼の造船業は守れない」と、輸出に打って出ることを決めた。北欧への漁船輸出を目指し、アイスランドの企業と交渉中だ。

一方では震災倒産も多くあるわけで、危機感をバネにチャレンジした企業がやはり活路を見出しています。