テレワーク成功の条件は? 過重労働避け創造性重視 鶴光太郎・慶大教授

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16286660S7A510C1KE8000/

テレワークの生産性を高める上で、労働時間とともに重要な要因が仕事の内容である。米オハイオ大学のダッチャー助教の論文は、大学生を実験室内と外にランダムに分けた上で、タイピングのような単調な作業とより創造性の必要な作業をさせるという実験を行った。実験室の外、つまりテレワークに近い状況では、単調な仕事は室内に比べて生産性が6~10%低下する一方、創造性を要する仕事の場合は11~20%増加することを示した。

深夜における勤務は、みなし労働時間制が適用されている場合においても使用者側に割増賃金の支払い義務が生じるため(労働基準法第37条)、企業によっては深夜勤務を禁じたり、テレワークを導入しなかったりするケースもある。このため、テレワークについてはいくつかの条件を前提とした上で、深夜割増賃金の支払い義務を柔軟化し、限られた時間しか働けない人の就業機会を拡大すべきである。

具体的には、ICTを活用したテレワークで1日の労働時間が8時間の範囲内である場合は、それが午後10時から午前5時の間に行われたとしても、労基法37条の深夜労働の割増賃金の適用対象外とすることが考えられる。その際、労働者本人の同意、労働時間の裁量的配置、健康確保措置の導入(例えば深夜労働に1日2時間以内といった上限時間を設定)などとともに、ICTを活用した労働時間の正確な把握が過重労働を避けるために必要不可欠な工夫だ。

生産性向上に関する研究はテレワーカーの自己申告であり、彼らにはテレワークが成功していると考えるバイアスがあるという点は確かに考慮されるべきです。