美術 展示にもコト消費の波

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO24279120V01C17A2BC8000

「怖い絵」展。会場内でまず目に入るのは作品の近くに大きく記されたキャッチフレーズ。目隠しされた処刑直前の少女の絵には「どうして。」と意味ありげな言葉を掲げ、次にこの絵がなぜ怖いのかを解説する。企画のもとになった「怖い絵」も著者の中野氏も知らない若い世代が多く、絵の背景を読んで聞いてじわじわ怖くなる体験を楽しんでいる。

「ミュシャ展」は「スラヴ叙事詩」を特集。6×8メートルの絵画など20作を劇場の舞台装置のように配し、スラヴ民族の歴史というとっつきにくいテーマにもかかわらず66万人を動員した。一室を約150点の大作絵画で埋め尽くした「草間彌生 わが永遠の魂」展もスペクタクルな視覚効果に加え、来場者が白い空間にカラフルなシールを貼ることができる参加型の作品も人気を呼んだ。

文化政策の転換を印象づける年でもあった。文化芸術振興基本法が「文化芸術基本法」に改正され、文化芸術を観光、まちづくり、国際交流などと連携して振興するという。芸術文化を観光振興や地方再生に生かす狙いは悪くない。ただそこで忘れてならないのは、貴重な美術品や文化財を収蔵・保存し、研究を重ねるという美術館・博物館の地道な取り組みなしに振興はないということだ。

「怖い絵」展、「ミュシャ展」、「草間彌生 わが永遠の魂」展のいずれも行ってみたくなりました。