IT企業は現実を見ろ

https://www.nikkei.com/article/DGKKASGM29H1J_Z20C17A9TCR000/

かつては市民に自由を与えるネット技術に政府が立ち入るべきではないと考えられた。そうした技術は現実世界や各国の民主主義を超越するので普及を止められないとみなされ、多くの起業家は政府や大企業に立ち向かうという目的意識を持った。しかし、この哲学は今や存在意義を失った。規制当局に何か言われたら、黙って従うものだ。

ウーバーや米エアビーアンドビーなどの新しいサービスが多くの人に利用されるようになると、仮想空間は規制の多い現実世界と不可分になった。ネットが人間を自由にするなどといくら豪語しても、民主主義国家では規制に従わないのは法の網をかいくぐっているのと同じことだ。

ザッカーバーグ氏もコスロシャヒ氏も、自分たちはITを中心とする理想郷ではなく現実の世界で事業を営んでいるのであり、規制当局や世論に従わなければならないと気付いたようだ。コスロシャヒ氏はロンドンの従業員に「悪評が広まれば、大きな犠牲を払わざるを得なくなる」と説いた。人の反感を買いつつそれを技術革新と呼ぶことも、多大な代償を伴う。IT企業は現状打破を目指すのではなく、便利で信頼できるサービスを提供する必要があるだろう。

他では聞けない興味深い主張でしたが、ネットと現実が不可分になったという点、納得できる内容でした。