無人化に走る実験国家

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13617230T00C17A3FF2000/

「機械ができる職業をこの国から根絶したい」。政府高官が3年前に漏らした言葉を思い出す。この構想はすでに現実だ。多くの飲食店はテーブルに置いたタブレット端末で注文を受ける。新興ビジネス街では自動運転タクシーの公道実験が始まった。おそらく世界で一番速いスピードで無人化が進む国といえるだろう。

シンガポールは実験国家だ。中国語が母語の華人、マレー語のマレー系住民、タミル語のインド系の寄り合い所帯だが、政府が選んだ共通語はどの民族にも関係が薄い英語。歴史を刻んだ古い住宅を容赦なく取り壊し、厳密な都市計画の下で国民を全土に再配置した。

政府が無人化に突き進む背景には2つの誤算がある。一つは極端な少子化だ。合計特殊出生率は世界で最も低い水準に沈む。もう一つは外国人流入への反発だ。人気がない飲食店や建設現場の仕事を外国人に任せてきたが、それでも「職を奪われる」との不満が広がった。

ハイテクとローテクがカオスな現場も体感してみたいと思いました。シンガポールは実験国家、なるほど。