米国第一主義の視点 配慮欠き危うい「取引外交」

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO12560940W7A200C1TCL000/

一見、唐突なトランプ大統領の行動や考え方には「計算」が働いているのではと考えています。たとえば米国にとって中国は最大の貿易赤字国。赤字解消へ行動を期待して揺さぶっているのでしょう。イスラエルへの思惑も透けて見えます。米国には金融界やメディア界に強い影響力を持つユダヤ系有力者が大勢います。大統領の地位を盤石にする上でこれらの人々の協力は欠かせないのです。

トランプ大統領は企業グループを率いて様々な交渉をまとめてきたのでしょう。ただし、人種や宗教、国家といった歴史が関わる複雑な課題への配慮に決定的に欠けるように思います。慣例や秩序をいきなり壊してしまうのは、思いがけない緊張や混乱の原因になりかねません。“取引”外交の危うさを感じます。

「米国第一主義」は過去にもありました。第1次世界大戦後、ウィルソン米大統領は、二度と大戦の惨禍を招かぬようにと「国際連盟」の創設を提唱しました。しかし、「米国第一主義」に相当する「モンロー主義」を主張する議会の反対にあい、結局、提唱国でありながら米国は不参加となりました。その後、世界が2度目の大戦へと突き進んでも、しばらく我関せず、だったのです。

米国内のユダヤ系有力者は米大使館がエルサレムへ移転することを望んでいるということでしょうか。