インド、ドラえもんは悪者?

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO08180430Y6A001C1TZN000/

チャトゥルベディ氏(26)は、ある「大事件」をきっかけにドラえもん“追放運動”を始めたと話す。2013年、金品の授受を伴う公務員のコネ採用や大学の裏口入学が一斉告発され2千人が逮捕された。同氏が告発人だった。事件の遠因を突き止めようと多くの家庭を訪れるうちに、母親らから「ドラえもんを見て子供が異常な振る舞いをするようになった」と聞かされた。「秘密道具が問題を解決する展開が、子供らの将来に悪影響を及ぼす」との思いを強めた。

パキスタンのパンジャブ州でも野党議員がドラえもんの放映禁止を求める決議案を州議会に出した。幹部のラシド氏は「秘密道具が自分でやるべきことを代わりにやってくれる。子供が何かに頼ることばかり考えるようになってしまう」と懸念。男女が仲良く遊ぶシーンも「ムスリム文化に抵触する」というが、最も問題視するのは秘密道具の存在だ。

インドでは約10年前から放映が始まり、パキスタンでもインドと同じヒンディー語版が何年も視聴されている。子供らの人気は絶大だ。だが当時とは時代背景がやや異なる。今はドラえもんが描いた「近未来」に近い技術や製品が出回り始めている。その好例がスマホ。ラシド氏もスマホを示しながら「子供らがのび太と同様、こういう物に頼り自己研さんを怠るのが心配だ」と口にする。所得が一定以上のインドの家庭では親がドラえもんになり、カネ、人脈という「秘密道具」を使うコネ採用や裏口入学が絶えない。

笑っちゃう話題でもあり、でも確かに今がドラえもんの描いた近未来になっていることや、国の社会的事情もあるので奥深い話題でもあります。