「笑い」「ほほ笑み」異なる進化

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO87163420S5A520C1MY1000/

笑いは、ワッハッハと口を大きく開ける。これはサル類の「遊びの顔」に由来している。チンパンジーの子どもがくんずほぐれつ遊びながら、相手の首筋や腹をくすぐるように優しくかみつく。すると、口をまるく開けて歯は見せず、ハァハァハァとあえぐようなかすれた声を出す。まさに笑顔であり、笑い声だ。これが人間の「笑い」となった。

一方、ほほ笑みは、唇を真横に引いて、端をきゅっと上につり上げる。かすかに唇を開いて歯を少し見せる。これはサル類に共通した「恐れの顔」に由来する。ニホンザルには順位がある。上位の者が近づくと、下位の者はキャッと叫ぶように歯茎をむき出した恐れの表情をする。顔はそむけて視線を落とす。実際に悲鳴をあげる前に、悲鳴の表情を見せることで、自分が劣位であることを示している。

人間はこれをさらに一歩進めて、恐れがなくとも相手の顔を見ながら前もってこの表情をするようになった。これがほほ笑みだ。自ら進んで劣位の表情を見せることで、敵意はありません、仲良くしましょう、という信号を発しているのだ。

ふむ、面白い。笑いの由来は「遊びの顔」で、ほほ笑みの由来は「恐れの顔」。


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