解を探しに 私の居場所 「ヒルズに憧れ」今も 六本木、誇りで生きる

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06644600Q6A830C1CC1000/

羽田野さん(27)が「Educo」を立ち上げたのは今年1月。きっかけは農家だった祖父母の引退だ。「もうかる農業」を目指し起業した。「六本木のことなら日本中の農家が知っている。大金を稼ぎ、若い人から憧れられる農業の象徴にこれ以上の場所はない」。「ヒルズを見上げたり、若い起業家をみかけたりすると、『絶対に成功してやる』と元気が湧いてくる」。

森ビルによると、「森タワー」の入居率は現在もほぼ100%。ITや投資ファンド中心だった入居企業は製造業やコンサルなど裾野が広がっている。「旧財閥系企業などが入る丸の内や銀座とは違う、六本木が持つ『遊び場』としてのカジュアルさがIT起業家をひき付けた」。東京の街に詳しいコラムニストの泉さんの分析だ。さらに入居する企業による経済事件が注目を浴びたことで「『成功=六本木ヒルズ』というブランドイメージが逆に広まった」とみる。

真鍋さん(37)は東京大大学院を修了後、リーマン・ブラザーズに入社した。ヒルズの32階で3年間、無我夢中で過ごした日々を今も思い出す。充実感はあったが、「窓の外に見える富士山を眺める余裕はなかった」。そして会社が破綻した。ふるさとの香川県に戻り、四国の食材の通信販売会社を営む。「東京の最前線で働くことに誇りもあった」と懐かしく思う一方、こうも考える。「あそこに『暮らし』はなかった」

金や憧れを追わない人たちもいる中で、逆の人たちもいますよね。2極化していると思います。