リー氏が懸念した未来

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO92948070Y5A011C1TZN000/

マレーシアの歴史は民族対立を映してきた。はじまりは英国植民地の時代、華人系やインド系が移住してきたことだ。主に都市部で商店を営んだ華人系の所得が農漁村のマレー系を上回ると、亀裂が広がった。マレーシアは進学や就職でマレー系を優遇する「ブミプトラ(土地の子)」政策を強め、不満の抑制に努めた。この政策はいまも続き、結果的にマレー系と華人系の所得格差は縮まったが、相互不信も膨らんでいった。

「平和な集会だった」。ナジブ首相はマレー系による大規模デモの後でこう発言した。民族間の対立を事実上、黙認したと受け止められている。ナジブ氏は国営企業からの不透明な資金提供で批判にさらされ、国内の景気減速に有効な手を打てていない。民族間の分断を利用して政権維持を目指す危険なかけにもみえる。

65年にマレーシアから独立したシンガポールの初代首相、リー・クアンユー氏は晩年に「マレーシアはいまだ民族を政治利用している」と警鐘を鳴らした。「民族や宗教にとらわれない」ことが国是だ。マレーシアとは対照的な手法で幅広い人材を登用し、シンガポールが世界で最も豊かな国の一つに成長する基礎を築いた。

アファーマティブ・アクションの背景にあるブミプトラ政策。マレーシア(シンガポールも)について少し理解が深まりました。


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