長老の逸話に耳傾け 介護施設で聞き書き、発信

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13394430W7A220C1CC1000/

高知県本山町。「デイサービス長老大学」に、にぎやかな会話が響く。傍らでほほ笑む代表の沢本(39)さんが相づちを打ちながら手元でメモを取る。「聞き書き介護」を実践する。10人ほどの利用者の多くは認知症患者だ。同じ話を繰り返す人も少なくない。だが「何度も話すことは本当に伝えたいこと」と粘り強く、何十回でも耳を傾ける。

千葉で生まれ育ち、鍼灸マッサージ師の資格を取った。カヌーにカヤックと川遊び好きが高じ、「清流のそばに住みたい」と高知に移住。沢本さんはマッサージ、妻は介護事業所のケアマネジャーの仕事で生計をたて、借りていた家を改装して夫婦で施設を開いたのは2年前のことだ。

ある90代の女性は近所で有名な気難し屋さん。施設に来ても「帰る」と言い張っていたが、話を重ねると徐々に心を開いた。昔の漁の写真を見ると「川のウナギは私が全部取っていなくなってしもうた」と冗談を言い、愉快な替え歌も披露。その姿は家族すら驚かせた。「毎日来たい」と女性が見せる笑顔に、「やってきたことは間違いではなかった」と実感する。

認知症ケアの大変さを反転させていて、頭の下がる思いです。施設の名称も素敵だと思います。