9.11から15年 「イスラム国」憎悪の連鎖

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO07597770U6A920C1TCL001/

もし核兵器が造られ、それが国際テロ組織に渡ったら……。誇大ともいえる危機感に駆られたブッシュ政権の米国は、「フセイン政権は大量破壊兵器を持っている。攻撃される前に攻撃する」と宣言。イラクを攻撃します。しかし、大量破壊兵器は見つかりませんでした。

ブッシュ大統領は、フセイン政権さえ倒れれば、イラクは民主化されると簡単に考えていましたが、そうはいきませんでした。イラクには、アラブ人とクルド人が住んでいる一方、宗教ではイスラム教のスンニ派とシーア派に分かれていました。フセイン大統領は、スンニ派を優遇し、シーア派やクルド人を弾圧してきました。

フセイン政権崩壊後、米国主導で総選挙が実施されます。選挙をすれば、シーア派が国民の多数を占めていますから、新政権はシーア派中心になることは明らかでした。新政権は、フセイン政権時代の恨みを晴らそうと、スンニ派狩りを始めます。これに対し、スンニ派は抵抗します。この混乱の中から、スンニ派の過激派組織が誕生します。これがISの前身です。

正しい歴史。たいへん勉強になります。ISは共和党のブッシュ政権によるイラク攻撃がきっかけだったと理解しました。


「イスラム国」リビアで拡大 「第2のシリア」化懸念 戦闘員最大3000人指摘

969599999381959FE0E79AE2E58DE0E4E3E0E0E2E3E79494EAE2E2E2-DSKKZO9560579027122015FF8000-PB1-2

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM25H07_W5A221C1FF8000/

リビアは、中東の民主化運動「アラブの春」の波が押し寄せた2011年8月、カダフィ独裁政権が崩壊した。その後、部族対立や利権争いによる内戦が激化。混乱に乗じてISが勢力を広げた。

国連は報告書で、リビア国内に2000~3000人のIS戦闘員がいると指摘し、北アフリカの最大拠点になっている現状を裏付けた。北部の沿岸部で影響力を強め、地元のイスラム主義者のほか、エジプトやチュニジアから過激思想に染まった若者が合流しているようだ。

イラクとシリアで油田を制圧して活動資金を得ているISはリビアの油田にも大きな関心を示しているとされる。ベギン・サダト戦略研究センターのヒラル・フリッシュ上級研究員は「リビアは、政治空白と民族対立という、過激派が浸透しやすい素地がある」と指摘する。

思想は距離を超えますから、本当に危機を感じます。リビアは無政府状態に等しいようです。


「イスラム国」包囲に亀裂 トルコがロシア軍機撃墜 シリア巡る対立背景 プーチン氏「裏切りだ」

969599999381959FE0E69AEBE68DE0E6E3E3E0E2E3E79793E0E2E2E2-DSKKZO9436841024112015EA2000-PB1-2

969599999381959FE0E69AEBE68DE0E6E3E3E0E2E3E79793E0E2E2E2-DSKKZO9437631025112015EA2000-PB1-2

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM24H94_U5A121C1EA2000/

ロシアはアサド政権を支援するため、IS掃討の名目でシリア領内の空爆を開始した。実際にはアサド政権と敵対する反政府勢力も標的にしているとされ、トルコのエルドアン政権はトルコ系トルクメン人も空爆されているとして不満を募らせていた。

トルコは反アサド政権で米欧などと歩調を合わせるが、IS掃討よりもアサド政権を支援するイランや、エルドアン政権と対立するクルド人の勢力をそぐことに主眼を置く。パリの同時テロを契機に欧米とロシアの協調機運が高まり、アサド政権の存続の是非を巡る問題が棚上げされることを懸念する。今後の交渉をにらみ、存在感を示すためにこのタイミングでロシア軍機の撃墜という強硬策に踏み切ったとみられる。

プーチン氏がトルコ側を強く非難した背景には、自国軍機への攻撃を不問に付せば政権の求心力が低下しかねないとの危機感があるとみられる。国際社会の敵であるISへの協力疑惑を持ち出すことで、トルコに対して外交的に優位な立場を確保する狙いも透ける。

トルコ側にロシアに対してたまっていた歴史的な鬱憤が暴発したものと思われます。負の連鎖が起きなければよいですが。


「ロシアはアサド政権加担」 「イスラム国」不在地域空爆か 米、反体制派標的と批判

969599999381959FE2E39AE6948DE2E3E3E2E0E2E3E79494E3E2E2E2-DSKKZO9234277001102015FF1000-PB1-2

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM01H4F_R01C15A0FF1000/

「無分別」「逆効果」「非生産的」。カーター氏はISがいないシリアでのロシアの空爆をなじった。ロシアに不信感を募らす米側はロシアのIS掃討にも懐疑的だった。言葉でこそIS不在地域の「可能性が高い」にとどめたが内部ではほぼ断定している。

米側が主導するIS掃討作戦は、シリアの反体制派を軍事訓練したうえで参加させる構想だ。この軍事訓練は進まず、その間にISの進撃は続く。オバマ米大統領らは成果は上がっていると繰り返すが、ロシアは有志連合が苦戦する現状を見抜いている。

ロシアがIS掃討の名を借りて反体制派を攻撃すれば、ISとともに米側が退陣を迫るアサド政権の存続にも手を貸すことになる。IS掃討の主導権をロシアに奪われた上にシリア情勢がさらに複雑になるのは必至だ。

やはりという感じですが。ロシアも「攻撃対象はISや他のテロリストだ」と認めていますし、ちょっと怖いですね。


自衛隊、米軍と緊密連携 安保法案を閣議決定

96959999889DEAE4EAE3EAE5E5E2E3E7E2E7E0E2E3E79793E0E2E2E2-DSKKZO8681699015052015EA2000-PB1-12

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO86818770V10C15A5EA2000/

首相が強調したのが、集団的自衛権の行使に基づく米軍の防護だ。海外で紛争が発生し、退避しようとする日本人を米艦が輸送するケースを例示。個別的自衛権しか認めていない現行法では「日本近海で攻撃を受けても日本自身が攻撃を受けていなければ救出できない」と法改正を説いた。

主に朝鮮半島有事での後方支援を想定した周辺事態法を改正し、日本から遠く離れた場所でも、戦闘現場でなければ後方支援できる。米軍が担いきれなくなった「世界の警察」としての役割の一部を自衛隊が補完する枠組み。首相は「米国の戦争に巻き込まれると漠然とした不安を持つ方もいるかもしれない。そのようなことは絶対にない」と訴えた。

首相は米軍が主導する中東の過激派組織「イスラム国」への空爆作戦を「後方支援することはない。はっきり申し上げたい」と否定。安保法制は、4月に改定したガイドラインと表裏一体だ。いずれも、東シナ海で航空機や艦船の活動範囲を広げ、南シナ海で軍事拠点をつくるため岩礁の埋め立てを進めているとみられる中国へのけん制も狙っている。

色んな見方があるんでしょうが、首相が独裁者で戦争を始めようとしているとか極端な発想で思考停止するんではなく、多様な側面から観て考える必要があると思います。


中国に「イスラム国」の影 現地で訓練、新疆に戻りテロか 締め付け強化、観光に打撃

969599999381959FE3E29AE7918DE3E2E2E1E0E2E3E79494E3E2E2E2-DSKKZO8422479011032015FF1000-PB1-6

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM10H5C_Q5A310C1FF1000/

自治区では多数の死傷者が出る暴力事件が相次ぐ。2月17日にはアクス地区でウイグル族と警官隊が衝突し、合計17人が死亡する事件が起きた。その数日前にはホータン地区でウイグル族の青年が警官に抱きついて自爆し、数十人が死傷したとされる。

危機感を強める習指導部はこうした「暴力分子」を力で押さえ込む構えだ。昨年5月には超法規的な措置も辞さない「対テロ戦争」を宣言し、軍も動員して現地の警戒を強めた。ホータン地区のウイグル族住民によると、祈りの集会で民家に集まった主婦たちが誤射されたり、信号を無視しただけで射殺された若者もいたという。

さらに開催中の全全人代は「反テロ法」の審議が進む。国家分裂を促すような「思想」を持ったり、民族対立をあおるような「言論」をしたりしただけで「テロ分子」として検挙できるという内容で、年内にも立法化する見通しだ。

穏やかならぬ雰囲気。新疆の過激派も問題ですが、「対テロ」の大義名分のもと、不満を封じ込める習指導部のやり方も質が悪すぎる。


「イスラム国」流入止まらず 疎外された若者が「感化」 米欧など情報共有強化

969599999381959FE0E49AE09D8DE0E4E2E0E0E2E3E79494E3E2E2E2-DSKKZO8372871026022015FF1000-PB1-2

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM26H2O_W5A220C1FF1000/

過激派「イスラム国」への参加を試みる外国人の若者らの流れが止まらない。過激思想に感化されてシリアへの渡航や母国でのテロに走る若者らが後を絶たず、欧米などは監視強化に追われている。

イスラム国などが扇動するのは、貧困や差別などで社会から疎外された若者らだ。ソーシャルメディアを通じてメッセージを直接伝え、過激思想を植え込む。社会に不満を持つ若者らは、聖戦を呼びかける過激派に感化されやすいという。

オバマ米大統領は同会議で「教育を受けていない若者は陰謀説や過激思想に染まりやすい」と演説し、教育や貧困防止が不可欠だと訴えた。ただ過激派対策は「数世代にわたる課題だ」とも漏らした通り、即効性のある解決策は見当たらないのが実情だ。

逮捕されたカザフスタン人男性はFBIの内偵下にあったので食い止められたようですが、流入が止まらないので危機感募ります。


有志連合、アラブに動揺 「イスラム国」空爆をUAE中断、掃討作戦で対応に温度差

969599999381959FE2E79AE6988DE2E7E2E0E0E2E3E79494E0E2E2E2-DSKKZO8287418005022015FF2000-PB1-6

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM05H4J_V00C15A2FF2000/

UAEが空爆に慎重な姿勢を見せているのは、パイロット拘束を機に、ヨルダンで反イスラム国デモが広がったことが影響したとみられる。ヨルダン以外の国でもパイロットが拘束され屈辱を受けたり惨殺されれば、メンツを重視するアラブ社会の不満が政府や王族に向きかねない。

湾岸産油国は石油マネーで国防装備を拡充したものの、技術やノウハウは不十分。イラク・フセイン政権の侵攻に直面した1990年の湾岸危機では、米軍に防衛面で多くを頼った。

バーレーンは昨年12月、イスラム国、イランなど「英国や友邦、地域の安全保障に対する脅威」(ハリド外相)に対処するため、主要港湾近くに英軍基地を誘致することを決めた。UAEは09年に同様の狙いでフランス軍の基地を開設、1月に仏空母が回航するなどイスラム国けん制の動きを活発化させる。こうした動きは「域内国の変わらぬ依存体質の表れ」(在サウジ関係者)ともとれ、イスラム国を空爆する有志連合への参加も象徴的な意味合いが強いとの見方もある。

不満が政府や王族に向くことを恐れているようです。アラブ有志国は国防装備を拡充したものの、欧米への依存体質が基本的にあるとのこと。


「イスラム国」、ヨルダンの権威失墜狙う パイロット殺害隠し交渉か イスラエルの安定揺さぶり

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM04H4R_U5A200C1FF1000/

イスラム国はこれまで公開してきたインターネット映像で、アブドラ国王を「シオニスト(イスラエル)の手先」などと繰り返し批判してきた。「イスラム国がヨルダンを当面の攻撃対象と定め、権威を失墜させる狙い」(カイロ大のハッサン・ナファ教授)とみられる。

ヨルダンの安定は隣国、イスラエルの安全保障にとっても欠かせない。ヨルダンはアラブ諸国の中でエジプトとともにイスラエルと平和条約を結ぶ数少ない国だ。相互に大使館も置き、パレスチナ系住民を中心に人的な交流も多い。

ヨルダンが不安定な情勢に陥れば、イスラエルの安保環境は一変する。ヨルダンにはイスラエルを敵視するパレスチナ系の過激派もいる。こうした勢力が勢いを増せばイスラエルには脅威だ。イスラエルの安保を重視する米国は、ヨルダンの安定が揺るがないよう、経済や軍事面の支援を継続する方針だ。

ヨルダンの安定を広義の有志連合が支えねばなりませんね。


「イスラム国」の衝撃(下)有志連合、ガラスの結束 「米の出方は?」募る不信

96959999889DEAE0EAE0E6E6E1E2E2E7E2E0E0E2E3E79494E3E2E2E2-DSKKZO8282445005022015FF1000-PB1-2

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO82824430V00C15A2FF1000/

イスラム国掃討では、米国のオバマ大統領とトルコのエルドアン大統領のちぐはぐな連携が浮き彫りになった。トルコはシリア領への攻撃で同国のアサド政権の打倒を優先するよう主張する。トルコは南東部にあるインジルリク基地の使用を無人機や人道目的などに限定し、空爆での使用を認めていない。このため、米軍機は遠くペルシャ湾岸からの出撃を強いられ、作戦の大きな制約となっている。

オランド大統領には不安がある。空母派遣を表明した演説のなかで、2年前の出来事を「後悔し続けている」とも述べた。2013年夏、西側諸国を中心にシリアのアサド政権への軍事介入の準備を進めたが、直前になり英国議会が参加を否決。米国でもオバマ大統領が世論の反発を受け実施を断念した。「またもはしごを外されるのではないか」という疑念がぬぐえない。

有志連合の結束を強めるには米国のリーダーシップが欠かせないが、各国の対米不信はぬぐいきれない。米政府は各国に身代金の支払いなどテロリストと取引しないよう求める一方、昨年6月にアフガニスタンでは拘束された米国人兵士とイスラム武装組織タリバンとの人質交換に応じている。ヨルダン政府関係者は「完全な二枚舌」と批判する。

結束しなければならないんですが、実際は各国思惑混じりという感じですね。