IT企業は現実を見ろ

https://www.nikkei.com/article/DGKKASGM29H1J_Z20C17A9TCR000/

かつては市民に自由を与えるネット技術に政府が立ち入るべきではないと考えられた。そうした技術は現実世界や各国の民主主義を超越するので普及を止められないとみなされ、多くの起業家は政府や大企業に立ち向かうという目的意識を持った。しかし、この哲学は今や存在意義を失った。規制当局に何か言われたら、黙って従うものだ。

ウーバーや米エアビーアンドビーなどの新しいサービスが多くの人に利用されるようになると、仮想空間は規制の多い現実世界と不可分になった。ネットが人間を自由にするなどといくら豪語しても、民主主義国家では規制に従わないのは法の網をかいくぐっているのと同じことだ。

ザッカーバーグ氏もコスロシャヒ氏も、自分たちはITを中心とする理想郷ではなく現実の世界で事業を営んでいるのであり、規制当局や世論に従わなければならないと気付いたようだ。コスロシャヒ氏はロンドンの従業員に「悪評が広まれば、大きな犠牲を払わざるを得なくなる」と説いた。人の反感を買いつつそれを技術革新と呼ぶことも、多大な代償を伴う。IT企業は現状打破を目指すのではなく、便利で信頼できるサービスを提供する必要があるだろう。

他では聞けない興味深い主張でしたが、ネットと現実が不可分になったという点、納得できる内容でした。


米IT「男社会」の厚い壁 「女性は不向き」グーグル社員の文書波紋 技術職なお格差根深く

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21469480T20C17A9EA1000/

インテルからアップル、フェイスブックまで主要企業の創業者や経営者の多くが白人を中心とする男性で占められる。シリコンバレーは長い間「ボーイズクラブ」とやゆされてきた。人数構成の男性偏重に加え、女性やマイノリティーは昇給や昇進の機会などでも不平等な扱いを受けることが多いとの批判は根強い。

セクハラも深刻だ。最近ではウーバーテクノロジーズや、複数の有力ベンチャーキャピタルでセクハラ被害が次々と明るみに出た。シリコンバレーで働く女性を対象にした調査では、職場でセクハラを受けたことがあると答えた女性は6割に上った。

背景には構造的な問題もある。14年の調査では、米国の大学でCSの学位を取得する女性の比率はわずか18%。IT業界では女性の離職率も高い。最大の理由は「女性を冷遇する職場環境」とする調査もあり、こんな悪評がCS分野をめざす女性の意欲をそいでいる面は否定できない。

米国の場合特にデリケートな反応が起きそうです。構造的な問題もあるので、冷静に観る必要もあります。


クルマ、異業種と融合 つながる車や自動運転 基幹技術を大転換

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各国で強まる環境規制が各社の背中を押す。英国やフランスに続き、中国は政府がガソリン車やディーゼル車の販売を禁じる規制を導入する時期の検討に入った。大気汚染対策や温暖化ガス削減のため規制を強める流れが急拡大している。

車の構造が一変するEVでは既に米テスラや中国の比亜迪などの新たなプレーヤーの存在感が急激に高まり、EVベンチャーも次々に誕生。従来の自動車メーカーの優位性が揺らぎつつある。

EVシフトと並行して自動運転の技術開発が進む。人間が運転するよりセンサーなどを使った自動制御の方が安全性を高められ、電気で駆動するEVとも親和性が高い。高度なデータ解析のノウハウを持つ米グーグルなどのIT企業や米エヌビディアなどの半導体メーカーが開発をリードする。

なるほど、これからの自動車業界はCASE抜きには語れないですね。大手の危機感が伝わってきます。


AIスピーカーが問うものは

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AIスピーカーはアマゾン・ドット・コムが発表したエコーが先駆けとなり、米グーグルが追随した。米アップルも米国などで売り出す。米調査会社のガートナーは、21年の世界市場が16年に比べ4.9倍の約3870億円まで拡大すると予想している。

全米民生技術協会のチーフエコノミスト、ドゥブラバック氏は「コンピューターが人の声を誤って認識する割合は13年に約25%だったが、現在は5~6%程度に下がった。この30カ月間の進歩は、過去30年より速い」と話す。米国では、すでにスマホなどを通じたグーグルの検索サービスのうち20%が声による利用だという。

AIスピーカーで必要なことは、機器のみに目を奪われるのではなく、背景にある技術や事業環境の変化を見きわめて自らの強みを伸ばしていくことだ。ソフトやサービスの軽視、機器に対する過剰な執着、そして強い横並び意識といった日本企業が抱えてきた課題を克服するきっかけとしたい。

Google検索の20%が音声になっているのが驚きです。音声検索で検索クエリが変わるとSEOも変わってきます。


スマホ10年、高級路線貫く アップル「iPhoneX」発表 市場成熟、高機能化に活路

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売上高の5割以上を占めるiPhoneに関してはここ数年大きな変化が乏しいと、モデル更新の度に言われてきた。機能向上が鈍化し、他メーカー機種との違いがなくなると消費者は割安さを求めるようになる。これでは低価格を武器にするアジア勢が潤うばかりだ。この流れをくい止めるために、アップルは改めて機能強化を進め、活路とする。

結果、価格は11万円を超えたが、アピールする先はブランド力を土台にした顧客の「忠誠心」だ。フルーエントが公表した調査によれば米国のiPhone利用者の79%が次回もiPhoneを購入すると回答。競合の韓国サムスン電子を16ポイント上回る。

強気の価格ですが、ブランド力維持しているのがすごいです。今回から有機ELになります。


「世界の頭脳」米離れも 不法移民の子、在留許可撤廃 経済損失50兆円規模

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センター・フォー・アメリカン・プログレスによると、ドリーマーのうち21%が教育・医療機関で働いている。9%は卸や小売り、8%が専門性の高いビジネス分野に従事している。同機関の試算ではDACA撤廃で米GDPの4603億ドル(約50兆円)分が失われるという。

DACA撤廃に最も強く反対してきたのがシリコンバレーなどのハイテク企業だ。アップルでは250人超のドリーマーが働き、マイクロソフトでも39人が在籍する。有力企業のトップらは制度の存続を求める300人超からなる連名の要望書を公表した。

足元の雇用以上に各社が懸念するのは、米国の世界からの人材吸引力の低下だ。トランプ政権は専門技能を持つ外国人向けのビザ「H1B」の審査の厳格化を決めた。さらに今回、DACAの撤廃で、移民に優しい国というイメージを完全に吹き飛ばした。

シリコンバレーとも対立構図が出来上がりました。外から見るとなぜと思いますが、実際支持する人が多いのも事実なんでしょう。


攻防 ライフログ経済 生活記録は「宝の山」 燃費、乗降…行動が「お金」に

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「登録するだけで4000円程度の小遣い稼ぎになった」。IT企業に勤める東さん(44)。ライフログを市場で売買するだけで、報酬を得られるエブリセンスジャパンが運営する個人データの取引市場。登録する数百人の個人がライフログを提供し、広告やマーケティングを手掛ける企業が換金可能なポイントを支払う。

「データ提供の見返りにこれまでになかった便益を受けられるような新しいサービスが生まれる」。freeeの花井金融事業統括は予想する。フリーは個人事業主の同意の上でその入出金情報などに分析を加え、経営の意思決定をサポートする機能を順次導入していく予定だ。

カブドットコム証券は社員の行動に応じて企業内ポイントを与える福利厚生サービスを始める。社員はためたポイントで物品購入ができる。「仕事だけでなく、職場環境改善への貢献など様々な社員の行動が会社にとって価値がある。最新の技術で“見える化”できるようにしたい」。伊藤フロント事業グループ長は意気込む。

無意識の意識化とも言えると思います。情報を提供する・しないのメリット・デメリット、よく考える教養が必要だと思います。


AIスピーカー、勝機ある? オンキヨー社長 大朏宗徳氏に聞く

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「守備範囲はAIではなく、音を届ける技術だ。得意の音響技術を生かして、国内外全てのAIサービスと組みたい。まず米国でアマゾンのアレクサ対応スピーカーを発売する。国内でもすぐに販売したい」

「部品を集めればAIスピーカーは作れるが、音楽再生中やうるさい自動車内でも声を認識しないと使い物にならない。雑音を除去する音響技術を磨く。オーディオ屋として出力にもこだわる。AIスピーカーは結局のところ音楽再生の時間が最も長いという調査がある。ハイレゾリューション対応など最高の音楽体験を届けられるようにしたい」

「一方で音だけを特長にしていては勝ち残れない。魅力的な機能やサービスを拡充し続ける。例えばメールの読み上げや、声での利用者の特定などだ。常に進化するために、技術・資本提携、買収などあらゆる手段を検討する」

AIスピーカーの台頭は外部要因でしょうから、自らの力で市場を作るようなアイデアが必要かと。


ネット広告、AIで効率化 サイバーエージェント、検索連動しやすく エキサイト、利用者の趣味反映

https://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ28IKB_Y7A820C1TJ1000/

サイバーエージェントは自社開発のAIを利用して広告を作る専門組織を設立する。第1弾として検索連動型広告を作成する。同広告の表示を増やすためには、広告を大量に作成する必要がある。作業が膨大で、事実上、人の手だけで対応するのは不可能だったため、AIで広告を大量作成して、検索サイト上に表示される可能性を高める。

エキサイトは自社サイトへの来訪者の趣味・嗜好を分析し、親和性の高い広告を出せるようにする取り組みを始める。自社開発のAIを搭載したシステム「ウィステリア」を使う。

電通はディープラーニングを使って、テレビの視聴率を予測するシステムを開発した。視聴率を予測することで、高い効果が見込める効率的なテレビ広告も可能になるという。

消費者としてネットサーフィンしていても、恐ろしいくらい広告の精度が高まってきているのは感じます。


ウォルマート、グーグルと提携 ネット通販、AI使い声で注文 アマゾンに対抗

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ウォルマートはグーグル・エクスプレスに日用品など数十万点を出品。顧客がグーグルホームやスマートフォンに話しかけるだけで商品を発注できるようにする。

ウォルマートがグーグルと組むのは、アマゾンが同様のサービスで急速に顧客を増やしているからだ。アマゾンは対話型AIを搭載したスピーカー「エコー」を2014年に発売。「声で買い物する」消費スタイルを切り開いた。米国ではエコー所有者の半数以上が商品を注文した経験があり、その3割は週に1回以上買い物に使うとの調査もある。

米国では消費関連のあらゆる企業がアマゾンの膨張の影響を受けるアマゾン・エフェクトと呼ぶ現象が起きている。ウォルマートの5~7月期決算は、売上高は前年同期比2%増だったが純利益は23%減った。

知らない消費者も多いでしょうけど、大企業が消費を主導していく形が見て取れるように思いました。