ぬるま湯の「心理改善」 値下げ・ネット通販・失業リスク減 景気回復実感なくても3つの「熱源」

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO23866860U7A121C1NN1000

なぜ消費者心理は明るいのか。1つめは小売店による日用品や食品の値下げだ。日銀幹部は「必需品の値下げを受け、消費者が将来の物価は上がりにくいだろうと予想すると心理は上向きやすい」と分析する。節約志向が和らぎ、旅行などにお金を振り向けるようになる。

2つめがインターネット通販の普及だ。米マサチューセッツ工科大学が10カ国を対象にネットと実店舗の価格差を調べたところ、日本はネットの方が割安な商品の割合が45%と最多で価格はネットの方が平均で13%安かった。

3つめは失職の不安が小さいこと。有効求人倍率は1.52倍と世間は人手不足だ。その影響で厚生労働省によると17年の大卒男性の初任給は5年前より3.0%増えた。BNPパリバ証券の河野氏は「若い世代ほど雇用改善の効果が大きい」と話す。

現状へ満足するぬるま湯状態から革新が生まれないという点を指摘する声も一理あると思いました。


派遣業、許可の壁高く 法改正、業界の健全化めざす 「届け出」は来秋ゼロに 厚労省、2000社に廃業命令

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO23605250X11C17A1TCJ000

中小規模が大多数の特定派遣で、許可を得ようとする企業は少数だ。業界は今、廃業ラッシュ。15年9月に7万弱あった特定派遣事業所は17年8月に約5万5000と、約1万5000減った。一方、同期間に新たに許可を取った元特定派遣事業所は廃業の4分の1。

派遣業の許可を得ることなく廃業が増える背景には、法改正を原因とする2つの理由がある。1つ目は許可条件を満たせない事業者が多いことだ。2つ目は、厚労省の監督強化だ。

厚労省には許可制への一本化を機に、業界全体の健全化を狙う意識が強い。東京労働局の16年度の指導監督では派遣事業所の72%に是正指導が必要で、業界全体が健全とはまだ言い難いからだ。許可を申請した事業者が「審査が厳しい」と感じるのは、現場の都道府県労働局に意識が共有されていることの表れだ。

非正規雇用の雇用安定化や処遇向上、キャリア形成を進めることが、法改正の最大の意図ということのようです。


病院の役割分担 明確に 医療最適化、小手先に限界

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO23527530V11C17A1EE8000/

医療費42兆円のうち、65歳以上の高齢者が使う分は約25兆円、全体の6割に及ぶのが日本の構造だ。75歳以上の高齢者に限ると15兆円、1人当たりの医療費は93万円に上り、65歳未満の5倍に達する。

窓口負担は現状で75歳以上は原則1割のまま。「給付と負担のバランスが欠けている」との指摘は多い。中高所得者や一定の金融資産を持つ人については負担割合を引き上げていくなど改革に踏み込む必要がある。

紹介状以外にも、国は病院の役割分担へ対策を進める。日本の医療機関は重症患者を受け入れる急性期病床が増え過ぎ、リハビリなどを通じて在宅復帰を目指す回復期病床が不足。回復期は2025年に現在の3倍の数が必要とされ、厚労省は急性期病床の報酬算定の要件を厳しくするなどして回復期への移行を促す。

在宅復帰を目指す回復期病床と、重症患者を受け入れる急性期病床のバランスに課題があるため、最適化。


働き方改革、産業医が後押し制度改正で役割拡充 不調社員の情報 収集可能に

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO23046850S7A101C1TCC000

産業医は38年の工場法改正で大規模工場に「工場医」の選任が初めて義務付けられた。72年制定の労働安全衛生法で「50人以上の労働者」がいる事業所に選任義務が課され、96年には企業側に改善を求める勧告権が産業医に与えられた。産業構造の変化でホワイトカラーが増加すると過労死や精神面の不調などが社会問題化。社員の健康管理で生産性を高める「健康経営」の考え方も普及し、産業医の役割は大きく変遷した。

厚生労働省は労働安全衛生規則を大幅に改正。企業に対し、残業が月100時間超の労働者の氏名などの産業医への報告を義務化した。報告を受けて産業医が健康診断やストレスチェックで異常が見つかった従業員の労働時間・内容などの情報を求めたら、企業が提供する義務も新設。産業医から改善策などの「勧告」を受けた場合、労使でつくる安全衛生委員会に報告する義務も加わった。

「産業医だけでなく保健師、看護師などによるチームでの対応を促すべきだ」と話すのは東京工科大医療保健学部の五十嵐教授。がん治療などと仕事を両立したり、休職後に復職を目指したりするケースでは「医師が最終的に医学的判断をするにしても、本人の希望や家族関係などを丁寧に聞き取り、職場の上司や同僚と細かく調整する作業は医師だけでは困難だ」と指摘する。特に専従の産業医が常駐する大企業と異なり、開業医や勤務医と嘱託契約を結ぶ中小企業では「ほとんど会社に顔を出さない産業医もおり、十分なケアが提供できない恐れもある」と強調。

産業医になるのは難しそうですが、不足している現状も分かりましたし、チーム対応も課題になっているとのこと。


給料「前借り」急拡大 人材確保へ企業が相次ぎ導入、一部は「脱法」貸金?ルール必要

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労働相談などのNPO法人を運営する今野氏は「毎日現金を得ないと生活できない非正規労働者らが増えた」と背景を指摘する。サービス展開するBANQが導入先での利用状況を調べたところ、48.6%が「生活費」目的。消費者金融などの規制強化と表裏の面もある。企業側には人材確保につなげる狙いもある。

立て替え払い式の業者の多くは、現金を引き出す際に従業員から3~6%程度のシステム利用料を徴収している。このことに「利息を引いて給料日まで金を貸すのと同じ」との指摘も出る。例えば給料日10日前に現金を引き出した場合、6%のシステム利用料を利息とみなせば年利換算で219%。貸金業なら出資法の上限金利(20%)の約11倍もの高金利だ。

労働基準法に触れる恐れもある。同法では、中間搾取を防ぐため賃金は雇用者が直接、一括払いするよう定める。厚生労働省は「立て替えは原則違法。導入企業が処罰対象になりうる」という。業者側は「顧問弁護士の助言を受けており問題ない」などと主張。金融庁は「貸付に当たるかは実態で判断する。様々な業者があり一概に合法か違法かは判断できず、現状把握が必要」とする。

なるほど、非正規の増加や消費者金融の規制強化、人手不足などの背景で広がっているようですが法的にはグレーなケースも。


「人生100年時代」事業シフト探る 保険、長寿リスク想定 大学、学び直しに的

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100歳まで生きることも決して珍しくない。統計を取り始めた1963年はわずか153人だったが、17年は約6万8000人。国立社会保障・人口問題研究所の推計では50年には50万人を超える。超長寿社会の到来は様々な新しいニーズを生み出しつつある。

早稲田大学は日本橋のキャンパスで「WASEDA NEO」という会員制ラウンジを開設した。最先端のビジネス動向を学び、他分野のリーダーと交流できる拠点だ。

超長寿への対応は官でも進む。神奈川県はセミナーやシンポジウムを開催し、中高年の起業などを後押ししている。「若い世代が生き方について考えるきっかけになれば」(神奈川県)。政府も首相が議長を務める「人生100年時代構想会議」を発足させた。

地元自治体でも人生100年時代の新戦略「福岡100」というのがありました。具体的には、ユマニチュード、オンライン診療、ヘルス・ラボのアクションとのこと。


福岡の若者、なぜ女性多い? 「婚活不利」嘆く女性も

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なぜ、こんなに女性の方が多いのか。よく耳にするのが、男性は就職で首都圏など他の大都市に流れる一方で、女性は九州各地から福岡へ集まるという説だ。県をまたいだ人口移動のデータからはこれを裏付ける結果が読み取れる。就職を機に流入した人口から流出した人口を引いた新卒者就職純流入人口では九州全7県で流出超過となっている。ただ、男女別でみると福岡県は男性が流出する一方で、女性は流入超過の傾向がある。

結婚を望む女性にとって男女の人口が不均衡な福岡はパートナー選びの選択肢が狭まる「不利」な市場。なかなか機会に恵まれない女性が積極的に新たな出会いの場を求めるためか、ツヴァイでは会員に占める女性の比率が九州で最も高いのが福岡だ。

近年、東京の企業では女性が活躍するのは当たり前、特別なことではない雰囲気になっている。一方で福岡の企業風土はどうか。福岡地域戦略推進協議会フェローの西田さんは「まだ立ち遅れている面がある。まずは活躍する女性をロールモデルとして際立たせて、意識や風土の変化を喚起する必要がある」と指摘する。

流出入の分析で、福岡に女性が多いのはなぜかということに対してよくある話が裏付けされたということですね。


糖尿病、初の1000万人 昨年推計 国民健康・栄養調査、高齢化が影響 重症化なら医療費膨張

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糖尿病が強く疑われる患者が2016年に推計1千万人に上ったことが、厚生労働省の国民健康・栄養調査でわかった。高齢化の進展などで、初めて1千万人台になった。糖尿病が悪化すると人工透析が必要になり多額の医療費がかかる。自治体などによる糖尿病の重症化予防の取り組みが急務となっている。

糖尿病患者は右肩上がりで推移している。高齢者人口の増加とともに、運動不足や食生活の乱れなどで肥満が増えているのが原因とみられる。

糖尿病に関しては抜本的な解決策がないんでしょうね。糖尿病以外の調査項目も見ていると面白いです。


官と民、どちらが機関車か

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21230980X10C17A9EA3000/

半ドンが全ドン、すなわち週休2日制に移行するのは民間の方が早かった。先駆けとなったのは松下電器である。松下幸之助氏が「日本の扉を開ける」と宣言し、欧米流の勤務体制を導入したのは1965年のことだ。

国家公務員は81年に4週5休、88年に4週6休になった。鈴木首相や中曽根首相が行政改革に取り組んでいた時期で、公務員は何かにつけて月給泥棒呼ばわりされていた。官はおそるおそる民の後ろをついていく感じだった。

政府は公務員の定年を原則60歳から65歳に引き上げる方針を明らかにした。厚生労働省の高年齢者雇用状況調査によると、すでに民間企業の14.9%が定年を65歳に引き上げたそうだ。そうした民間の動向を踏まえれば、拙速ではないというのが政府高官の説明だが、果たしてうのみにしてよいものかどうか。民間で65歳定年が増えだしたのは、少子高齢化に伴う労働力不足で、新入社員がなかなか入ってこないからだ。

土曜半休、土曜閉庁、その裏での官民攻防があったというのが興味深いです。定年延長も違った見方ができます。


加熱式たばこに増税論 煙は消えても税収は消さない 「普及前に先手」政府の思惑

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欧米は日本が禁じる電子たばこが普及しており、外資は加熱式の主戦場を日本とみる。ユーロモニターによると、日本国内の加熱式の小売販売額は16年で2219億円。5年後の21年には4倍超に膨らむという。国内の紙巻きたばこの市場規模は減少基調にあり、喫煙者の中で加熱式の比重は高まりそうだ。

財務省が気にかけるのはたばこ税収の動向。紙巻きにかかるたばこ税は1箱約240円の計算だ。対する加熱式は1箱34~192円。紙巻きから加熱式への切り替えが進めば、税収は減る可能性が高い。たばこの消費量も減る傾向にある。税収は2兆円程度で安定しているが、財務省は加熱式の増税に早めに手を打つ考えだ。

ある小売業者は「せっかく業界の自助努力で新市場を開拓したのに、これでは第三のビールと同じことになる」と憤る。ビール飲料では酒税法の制度の隙間を狙い、メーカーが税率の低い低価格品の開発を競った。消費者は歓迎したが、税務当局は細かな税率変更で税収を確保した。同じ事態が起きれば、加熱式は人気拡大の足がかりを失いかねない。

国にとってはたばこや酒は財政物資ということで、財政収入を増やす商品として位置づけられているとのこと。