連合、是々非々路線が頓挫 傘下労組の反発想定外 「脱時間給」一転反対、内閣支持率も影響

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS25H63_V20C17A7PP8000/

脱時間給を盛った労基法改正案を「残業代ゼロ法案」と批判してきた連合だが、一転して修正案を出したのは「現行案を修正する方が労働者の利益になる」(連合幹部)との判断があった。残業時間の上限を新設する一方、脱時間給制度を含む改正案の早期成立を図る方針を示した。

官邸との調整が表面化すると、執行部の姿勢に対し、傘下の産業別労働組合や地方組織から「これまでの方針に反する」などと強い批判が続出した。組織の反発を受け、神津氏は微妙にスタンスを変え始めた。「制度導入については必要ないというのが一貫したスタンスだ」。

安倍政権の支持率が落ち込むさなかの政労使合意には、連合内からも「敵に塩を送るような行動は慎むべきだ」との批判が出ていた。これまで安倍1強が続いた政治状況で「是々非々」の姿勢で臨んできた連合が、岐路に立たされている。

政府と民進党との間、また参加の労働組合からの反発もあっての連合執行部の判断という構図が理解できました。


日欧、自由貿易重視示す チーズ輸入枠、15年で無税 国内農家支援へ新組織

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18530530W7A700C1EA2000/

2013年4月の交渉開始から4年。膠着状態が続いたが、協議は急速に進展した。米国離脱でTPPの機運が薄れた日本と、英国のEU離脱に揺れる欧州の思惑が一致。保護主義的な動きが強まる中、自由貿易推進の立場を共有したのが大きい。

チーズでは15年かけて無税にする輸入枠を設けるほか、ワイン関税も即時撤廃する。国内メーカーの反発も予想されるが、関税が下がれば、日本の食卓で欧州からの輸入食品を味わう機会が増え、消費者にも恩恵が及ぶとみられる。

政府は首脳レベルの大枠合意を受け、国内向けの対策作りに着手する方針だ。安倍首相が各省に指示し、全閣僚が入る対策会議で協議する。内閣官房に置くTPP政府対策本部を改組し、TPPと日欧EPAの発効に備えた対策の新たな事務局に衣替えする。

大筋合意ではなく大枠合意という言葉を使うのも、より成果を強調する狙いがあるようです。


浮いた残業代 人に投資 企業、働き方改革で競争力

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO17807920X10C17A6EA1000/

日本総合研究所の統計に基づく試算によると、産業界全体での残業代は年14兆円規模にのぼる。残業代が0.6%減った16年度は、約840億円の削減があった計算だ。

従業員一人ひとりの能力アップが不可欠となるなか、研修・教育に投資する企業が相次いでいる。かんぽ生命はパソコンの使い方や英語、組織運営など100種類超のネット講座を無料で提供する。この2年で残業代が3割減り、一部を原資にした。

「お金」というより直接的な形で従業員に還元する企業もある。日本電産は残業減で浮いた人件費の半分を研修拡充に充てる一方、残りの半分はボーナスにまわす。人手不足がより深刻な業界ではボーナスで従業員に還元する企業が目立つ。

産業界全体では約840億円の削減があったとのこと。大手企業の社員はある意味、本当に恵まれてます。


財政黒字化延期、射程に アベノミクス、次は教育に照準 首相、援軍に米大教授

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16439980W7A510C1PP8000/

維新が主張する無償化論は、幼稚園から大学までの授業料をすべて無償とする内容だ。通常の予算措置で5兆円程度とされる巨額財源を確保することは不可能に近いが、憲法に明記すれば政府に予算確保の義務が生じる可能性が高い。この提言は首相にとって二重三重の意味で渡りに船だった。年間5兆円程度の教育費負担が軽減できれば子育て世帯の可処分所得は増え、デフレ脱却に追い風。デフレ脱却と憲法改正が一度に実現でき、黒字化目標の先送りの口実にもなる。

3月14日。首相は駒を1歩前に進める。ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ米コロンビア大教授が経済財政諮問会議で教育投資の重要さを訴えたうえで「日本の政府債務の残高は多くの人がいうほど悪くない。政府と日銀とで一体となって政府債務を相殺すればよい」と主張した。首相も「スティグリッツ先生は私がずっと言いたかったことをはっきりといってくれた」と歓迎。日本の財政状況についても「それほど深刻ではない」などと同氏の主張に同調したという。

財務省や党内の反発は押さえられても、財政再建をあからさまに棚上げするようでは市場や国際社会から批判を浴びかねない。ならば中間案として浮上するのが、教育無償化などの財源を確保するために使途を組み替えた形で消費税を増税する案だ。財務省の悲願である増税は実現するが、歳出拡大に充てるため黒字化目標は延期。財務省にとっては1勝1敗のシナリオだ。

非常に重要なことが書かれているように思います。教育無償化の大義名分のもと、憲法改正、財政出動、増税、黒字化目標の延期。


文氏、日韓歴史に厳しい視点 慰安婦は未解決/竹島に上陸経験/徴用工は解決済み 対日政策を検証

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16209780Q7A510C1EA1000/

日本政府が注視するのは、慰安婦問題に関し「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった2015年の日韓合意に、文氏が今後どのようなスタンスで臨むかだ。文氏は朴前大統領が弾劾訴追された後、再交渉が前提との姿勢を見せた。日韓合意を巡り「正当性を認定するのが難しい」「日本の法的責任と謝罪を明確にする新しい交渉が必要だ」と主張。

植民地統治下で強制労働に従事した徴用工に関しては、請求権問題の責任を韓国政府が持つべきだとの認識を示した。「請求権協定を通じて日本から受けた無償の3億ドルは、個人財産権(保険・預金など)、朝鮮総督府の対日債権など韓国政府が国家として持っている請求権、強制動員被害補償の問題解決という性格の資金などが包括的に勘案されているとみなければならない」などと明記している。

文氏が12年の大統領選で、出馬表明後に発表した「対日『五大懸案』解決に関する構想」も考え方を推し量る材料になる。「竹島に関する日本の挑発には決して妥協しない」「慰安婦問題は日本政府に法的責任を問う」「植民地統治期に韓国人を強制徴用した『日本の戦犯企業』は韓国での入札を規制する」といった主張を列挙。竹島には昨年7月に上陸した経歴がある。

安倍首相との電話会談では、歴史問題は賢く解決する必要があるとの発言をしているステータス。


首相「20年に新憲法」 悲願達成へ持論前面 9条、党草案こだわらず

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS03H26_T00C17A5PE8000/

首相が今回、9条改正に踏み込んだ背景には、北朝鮮情勢の緊張が高まるなか自衛隊を憲法上、位置づけることに国民の理解が得られるとの読みがありそうだ。自身の18年9月までの党総裁任期も延長が可能になり、21年までの長期政権へ視界が広がったこともある。国会で停滞する改憲議論を自ら主導できるとの自信の裏返しともいえる。

新たに打ち出した9条での自衛隊の明文化は自民党が12年にまとめた憲法草案にはなかった文言。草案では「国防軍」としていたが、こだわらない姿勢を鮮明にした。公明党の山口代表は「これまでの自民党の改憲草案とは違った視点の提案だ。国会ですべての議員が参加して議論を深めることが大切だ」と述べた。

首相は改憲項目で教育の問題にも言及し「極めて重要なテーマだ」と語った。教育無償化を憲法改正の柱の一つに掲げる維新との連携を強化する狙いがあるとみられる。馬場幹事長は「我々の主張が認められた。時代にあった憲法改正を自民党主導でやってもらいたい」と期待感を示した。

ぐいっと踏み込みました。9条での自衛隊の明文化というのがポイントだと理解しました。


首相、在任中の改憲に照準 与野党論議は足踏み

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS26H4A_X20C17A4PP8000/

次の衆院選は民進党や共産党が統一候補を立てるとみられ、自民党は野党候補が乱立した2014年衆院選より議席が減りかねない。改憲に前向きな勢力が3分の2の議席を割り込む恐れもある。

改憲を悲願とする自民党保守派には次の衆院選前に国会で改正を発議したい願望が漂う。下村幹事長代行は「今秋の臨時国会で改憲発議するのが望ましい」と話す。一方、公明党は性急な論議を警戒する。

衆院議員の任期満了となる18年12月までに衆院選を乗り切り、19年夏の参院選前に国会で発議――。自民党幹事の一人はこんなシナリオを描く。首相は18年9月までにある党総裁選での3選が有力視されており、総裁選では改憲を訴える機会になる。

憲法施行当時は憲法を日常生活に則して考えようという内容で、様々な解説書が配られたそうです。そういった視点も必要ですね。


経済に次の一手はあるか

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS28H5I_Y7A420C1EA3000/

自民党幹部は「トランプ政権の誕生や北朝鮮情勢の緊迫を見れば我々がとった選択は正しかった」と強調する。ただ評価は二分され、野党は「違憲の安保関連法などをごり押しして立憲主義や平和主義をゆがめている」と手厳しい。

5年目に入った安倍政権の経済運営への批判は、安保政策に対する「やりすぎだ」との指摘とは方向性が百八十度異なる。「看板政策を次々に取り換えているが、それに見合った成果が出ていない」(民進党幹部)との声が多い。

「財政と民主主義」と題した東京財団主催のフォーラムが開かれた。登壇した6人の研究者の政治への懸念は共通していた。「日本は30年近くかけて財政赤字を累積させた。これを倍の50年かけて返すとしても低金利がずっと続くわけではない。どうするつもりなのか」人口減社会のなかで成長と財政再建を両立させる処方箋は政権内、与党、野党のどこにも見当たらない。

女性活躍が一億総活躍で上書きされ、働き方改革へ。次の一手は何かということですね。


AI社会は信用できるか

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO15733940V20C17A4TCR000/

AIが意思を持ち支配者になるとは思わないが、使い方を誤れば、社会に不信を招く。とくに2つの問題が気になる。まずはプライバシーだ。「その人の感情、年齢、教育水準。声からわかることは膨大にある」。対話型AIを開発する米国のベンチャー企業の幹部が明かす。

もう一つの心配は倫理だ。AIは大量のデータを教材に能力を養う。学習の仕方によっては、偏見に満ちた邪悪な存在になる。翻訳で成果をあげるマイクロソフトにも苦い経験がある。ツイッター上で人と対話を楽しむAI「テイ」を公開した。ところが、ほどなく暴言を吐くようになる。悪意ある人たちが不適切な発言を教え込んだからだ。

どの分野でAIを使うのか。歯止めはどうするか。利用のルールをつくるため、社会的なコンセンサスを探ることが欠かせない。AIを開発するIT企業には優秀な人材がそろっている。だが、事は技術論にとどまらず、すべて彼らのさじ加減まかせとはいかない。企業の唯我独尊は危うい。

LINEのように外部の目を入れて、プライバシーに関する議論と仕組みづくりを行うことが必要ということでしょう。


北朝鮮緊迫 米まず外交、不調なら軍事行動 2段階論、日本に伝達 海自と近く共同訓練

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS12H3N_S7A410C1EA2000/

トランプ大統領は「すべての選択肢がテーブルの上にある」と、軍事行動を含む選択肢を示す。発言の真意を米側は「外交を動かすための手段で、本気度を示す狙い」と説明。あくまで外交的な解決を優先する意向だ。

トランプ政権は中国を巻き込む「異なるアプローチ」に転じた。中国はかねて北朝鮮への制裁に慎重だったが、2月に国連制裁決議に基づいて北朝鮮との石炭貿易を停止した。米側はさらに、中国が北朝鮮への石油の供給制限といった制裁強化や、北朝鮮と取引のある企業の取り締まりに臨むことへの期待がある。

ただ国際政治に詳しい神保慶応大准教授は「中国が本当に実効性ある措置を講じる保証はない」と指摘。「経済で追い込んだ北朝鮮が暴発し、多数の難民が押し寄せる事態を避けたいからだ」と説明する。

クリントン、ブッシュ、オバマ政権では北朝鮮の核放棄を迫りきれなかった反省から、中国を巻き込む異なるアプローチへ。