シンゾウとの距離 世界のリーダー 文在寅 「2つの顔」広がる亀裂

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO25793540X10C18A1PP8000

文の「被害者中心主義」はとどまることを知らない。2015年の日韓慰安婦合意について作業部会が「被害者の意見を十分に集約しなかった」との検証結果を発表すると、文は「合意では慰安婦問題は解決できない」との声明を発表。問題解決には「謝罪」が必要だと踏みこんだ。文政権の背後には日韓合意の破棄を訴えて大統領府を突きあげる慰安婦関連の市民団体がいる。

文は北朝鮮地域出身の両親のもと経済的に恵まれない家庭で幼少期を過ごした。反独裁の学生運動に明け暮れ、卒業後は人権派弁護士の道を選んだ根っからの運動家だ。妥協や曖昧さを嫌う「潔癖」と自らの性格を分析する。

矛盾にみえる発言も、文にすればどちらも原理原則となる。「積弊(積み重ねられた弊害)清算」は文政権の一丁目一番地の政策。慰安婦問題や徴用工問題もその一つだ。日本との良好な関係も北朝鮮問題の解決に欠かせない。とはいえ、歴史問題にこだわる「進歩系政治家」の顔で日本に拳を振り上げるような言動の直後に「国家元首」として未来志向を説く「ツートラック(2路線)」政策は日本には受け入れにくい。

韓国人は歴史問題と友好は割り切って考えるようなツートラックのイメージがあります。この方もツートラック。


文氏、危うい「南北主導」 対北朝鮮、非核化強調でも展望なく 包囲網に抜け穴懸念

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO25514090Q8A110C1FF2000

韓国は「五輪参加」という果実を得たものの、国際社会が注目する非核化要求では「ゼロ回答」だった。北朝鮮にとって核問題を議論する相手は韓国でなく、米国しかいない。実際に北朝鮮の代表団に核問題を議論できるメンバーはおらず、首席代表の李祖国平和統一委員会委員長は「北南とは関係のない問題だ」と切って捨てた。

会談の終了後に発表した共同報道文には「南北関係に関するすべての問題は、わが民族が当事者として対話と協議で解決する」という項目が入った。日米など関係国からしてみれば、北朝鮮の「我々に干渉するな」というメッセージに韓国が乗ったとしか受け取れない表現だ。

野党「国民の党」は「北朝鮮の核・ミサイル問題で根本的な変化がないなか、過度な期待は禁物だ」とくぎを刺した。特に「『わが民族が当事者として』という表現は(米韓を分断し)韓米同盟の根幹を揺るがす恐れがある」と指摘した。自由韓国党も「北朝鮮が全世界に核保有をアピールする場として南北会談が利用された」と批判した。

韓国内でも批判の声が上がっているようです。配慮発言も見られますが、日米韓の足並み揃いません。


韓国、弱い政府の泥縄 徴用工や慰安婦の合意軽視 市民団体席巻、底流に保革分裂

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20628580R30C17A8EA1000/

韓国は87年の民主化以降、軍事独裁時代の反省から「官」の力が低下した。帝王と称される大統領の一方で「弱い政府」が特徴だ。とりわけ革新系政権下では、政府間の合意より人権を重視する立場が支持される。弱い政府が極度に恐れるのが民心だ。道路や国有地に無許可の慰安婦少女像や徴用工像が置かれても、行政は民心の反発を恐れて撤去に二の足を踏む。

合意軽視の風潮は分断国家の内部対立が底流にある。日本との請求権協定や慰安婦合意に導いたのは朴父娘。歴代保守政権の政策を「積弊」と呼び「積弊の清算」を訴えて当選した文氏は「そのまま受け入れるわけにはいかない」(周辺)。保守と革新が交互に政権を握った韓国は政策の継続性が保たれにくい。

日本政府への反感が「日本嫌い・日本人嫌い」につながらないのも韓国人の特徴だ。韓国人は日本人とわかると得意げに日本語で話しかけてくる。日本人の印象は総じて好意的。「日本に対して過去と現在、歴史とその他を使い分ける『ツートラック』の国民性」(大学教授)がある。

韓国の政治、人々を知るのに非常に有用な記事でした。日本人として理解しておくべき内容だと思います。


韓国、政経一体の副作用 癒着を生む温床に 前大統領要請/李氏が指示 朴氏裁判へ影響必至

https://www.nikkei.com/article/DGKKASDC25H2C_V20C17A8EA2000/

韓国では財閥の存在感が圧倒的に大きい。中でもサムスンはグループで輸出の2割を担い時価総額も3割程度を占める。就職時にホワイトカラーに極端に人気が集まる上昇志向社会であこがれの存在だが、労働者のうち大企業に勤める人はわずかだ。むしろ財閥は政府の支援を受ける特権層との不満が庶民に募る。

李被告が朴被告と2014年以降に非公式に3回面談したことが発覚すると、疑惑解明を求める声が高まった。時の大統領も世論を意識せざるを得ず、革新系の文政権はとりわけ財閥に厳しい態度を示す。

不況期に投資を緩めない逆張り戦略はインフラ整備などを迅速に進める韓国政府の協力無しには実現しなかった。政権は時に財閥に厳しい顔を見せながらも世界で競争力を高めるためには二人三脚で取り組む。韓国経済界には「大統領の要望を断れば事業の許認可や税務調査で不利益を被る恐れがある」とサムスンに同情する向きも少なくない。

韓国の独特の商習慣というか、政経一体の形が変わろうとしているんでしょうか。文氏は財閥には厳しい態度とのこと。


日韓 衝突回避を優先 歴史・安保切り分け 文在寅流に危うさも

https://r.nikkei.com/article/DGKKASGM07H83_X00C17A7EA2000

日韓首脳会談で、文氏は未来志向の関係構築を訴えた。慰安婦問題に関する2015年の日韓合意については「国民の大多数が情緒的に受け入れられない」と改めて国内の厳しい雰囲気を伝えながらも「この問題が韓日両国の他の関係発展に障害になってはならない」と強調した。合意の再交渉も要求しなかった。

融和姿勢にはそれぞれの理由がある。安倍首相は北朝鮮問題で、南北融和に傾きがちな文政権を日米韓の枠組みにつなぎ留めておきたい。悲願の憲法改正を控え、隣国との関係改善は欠かせないとの事情もある。文氏にも、朴政権時代に慰安婦問題の進展にこだわったため、首脳外交や日韓関係全般が滞った教訓がある。中韓関係の悪化も日本との修復に取り組む背景だ。

この関係が長続きするかは予断を持てない。韓国で革新系の文氏はもともと歴史を重視する。慰安婦問題をめぐり「解決の核心は法的責任と公式謝罪」と蒸し返したのも、文氏のかねての持論だ。歴史問題で日本に強硬な市民団体や労働組合などの革新勢力も支持層に抱える。

11月ステータスとしては、トランプさんのアジア歴訪での対応で日韓関係の多難さが浮き彫りになりました。


文氏、日韓歴史に厳しい視点 慰安婦は未解決/竹島に上陸経験/徴用工は解決済み 対日政策を検証

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16209780Q7A510C1EA1000/

日本政府が注視するのは、慰安婦問題に関し「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった2015年の日韓合意に、文氏が今後どのようなスタンスで臨むかだ。文氏は朴前大統領が弾劾訴追された後、再交渉が前提との姿勢を見せた。日韓合意を巡り「正当性を認定するのが難しい」「日本の法的責任と謝罪を明確にする新しい交渉が必要だ」と主張。

植民地統治下で強制労働に従事した徴用工に関しては、請求権問題の責任を韓国政府が持つべきだとの認識を示した。「請求権協定を通じて日本から受けた無償の3億ドルは、個人財産権(保険・預金など)、朝鮮総督府の対日債権など韓国政府が国家として持っている請求権、強制動員被害補償の問題解決という性格の資金などが包括的に勘案されているとみなければならない」などと明記している。

文氏が12年の大統領選で、出馬表明後に発表した「対日『五大懸案』解決に関する構想」も考え方を推し量る材料になる。「竹島に関する日本の挑発には決して妥協しない」「慰安婦問題は日本政府に法的責任を問う」「植民地統治期に韓国人を強制徴用した『日本の戦犯企業』は韓国での入札を規制する」といった主張を列挙。竹島には昨年7月に上陸した経歴がある。

安倍首相との電話会談では、歴史問題は賢く解決する必要があるとの発言をしているステータス。


韓国大統領選、半島情勢が支持率を左右 文・安氏、事実上の一騎打ち

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM15H8L_V10C17A4EA2000/

2年前まで同一政党に属していた文、安両氏に政策上の大きな違いは見られない。安氏の支持率の急上昇は北朝鮮の核をめぐり米朝間で緊張が高まった時期と重なる。文氏が中国に配慮し「次期政権で決める」と曖昧な戦略を続けるのを意識し「危機に強い指導者」をアピールする。これに北朝鮮に厳しい姿勢をとる保守層が呼応した。

文氏は南北対話重視の姿勢から北朝鮮に融和的とみられ、核問題の解決につながるなら訪米よりも先に金委員長と会談する用意があると語ったこともある。しかし、安氏の追い上げを受けると「金正恩が最も恐れる大統領になる」などと安全保障の重要性を訴えるようになった。

結果文氏になり、THAADに頼らない自主国防に傾いているというステータス。6月末に初の米韓首脳会談。


政府、強硬姿勢を転換 駐韓大使帰任へ、少女像問題解決遠く

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14871700U7A400C1EA2000/

「この日しか残っていなかった」。外務省幹部は、長嶺駐韓大使の帰任発表を受け、こう漏らした。3日は「共に民主党」が大統領選候補に文前代表を選出する重要な節目の日とみて、大使帰任の判断に転じた。

日韓合意を主導したのは朴前大統領だ。日本政府は朴氏が罷免を免れ、残り任期の間に撤去へ向けた権限を行使することに期待をかけていたが、朴氏が罷免され、次期大統領選で保守系が劣勢な状況が強まった。「今の韓国の政治状況で撤去を直ちに実現することは難しい」(日本政府関係者)と、現実的な帰任判断を模索しはじめていた。

決定的だったのは朴氏の逮捕だ。保守政権への風当たりが強まり、革新系政権の誕生する現実味が増した。一時帰国が5月の新政権発足後まで長引けば、帰任させるきっかけを失いかねない。そこで日本政府は韓国の新政権との人脈づくりや、現政権からの引き継ぎに期待をかける方針に転じた。政府関係者は「新政権が『反日』に傾く前に手を打つ必要があった」と語る。

大使の一時帰国がそもそも対抗措置と言えるほど効果があったのかよく分かりません。日韓関係また振り出しでしょうか。