「ポスト安倍」深謀遠慮 岸田氏、党要職に活路 野田聖・石破氏、政権内外から発信

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS02H5S_S7A800C1EA2000/

「次の人事では閣外に出る」。岸田氏は周囲にこう決意を語ってきた。政調会長は希望した党要職だ。首相は外相として手堅い岸田氏を代えるのには慎重だった。内閣支持率が急落するなか、岸田氏に政権運営で協力を得るには一定の配慮が必要と判断した。岸田氏は首相への「登竜門」といわれる党三役ポストは経験がなかった。「党の要職に就いて地力を蓄え、次の首相の座を狙う」。岸田氏周辺は今後のシナリオをこう描く。

首相と一定の距離を置く野田氏も総務相での入閣が内定した。首相は野田氏を取り込むことで、挙党態勢の構築を狙う。一方の野田氏も「表舞台」に復帰することで「ポスト安倍」をにらんだ時機をうかがう戦略とみられる。

昨年の内閣改造で閣僚を外れた石破氏は、今回も閣外で、次なる機会をうかがう。与党内野党として、政権批判の受け皿をつくりたい考えとみられる。首相は石破氏が率いる石破派からは衆院当選3回の若手、斎藤健氏を農相に抜てきした。「一本釣りの人事をして、石破氏の求心力を落とす考えだろう」。自民党関係者は、首相の思惑をこう分析する。

それぞれも思惑が交錯するので、人事はまさに政治という感じがします。閣内残留と閣外に出る意味がまだよく分かっていません。


シンゾウとの距離 小泉進次郎 互いの価値を値踏み

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19030960Q7A720C1PP8000/

衆院当選3回ながら衆目が一致する「将来のリーダー」。嫉妬の渦巻く永田町で、謙虚さを前面に慎重にキャリアを積んできた。だからこそ改造で噂される「異例の抜てき」には不安もぬぐえない。要職を受け失敗すれば非難の嵐となりかねない。一方、官房副長官など政権の中枢に入れば政権を擁護せざるを得ず、これまでの政権批判も辞さない清新なイメージは壊れてしまう。

首相とは微妙な距離感を保つ。「時間軸が違う気がするんだよね」。こう評したことがある。実際、遊説や党内論議でアベノミクスに触れたことはほぼない。金融緩和や財政拡大などカンフル剤的な政策にも一定の同調は示すが「日本の課題は20年以降に一気に顕在化する」と構造改革の必要性を訴える。

「いろいろ言ってて頼もしいね」と安倍は最近、皮肉にも似た感想を周囲に漏らした。政権浮揚のカードだが、引き立てた結果、自らの後継者とはいえない政治家を育ててしまう恐れもある――。首相周辺は「進次郎は首相にとってもろ刃の剣でもある」と語る。

まさに距離感のよく分かる記事でした。将来のリーダーであることに違いはないと思いますが、現政権での人事など注目です。


シンゾウとの距離 岸田文雄 時機を探る慎重居士

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18914050V10C17A7EA3000/

1月には「安倍首相時代の後、何ができるか考えたい」と表明した。安倍と直接戦う訳ではない。政権を支え、3選を目指す安倍が退任した後に「首相の座」を狙うのが基本戦略だ。岸田派も、いまは党内第4派閥。トップをうかがうには安倍を支える最大派閥・細田派や、麻生が率いる第2派閥・新麻生派に気を配らねばならない。

慎重居士の岸田の淵源は何か。岸田周辺は17年前の「加藤の乱」を挙げる。かつて宏池会を率いた故・加藤は、当時の首相、森に反旗を翻し、失脚した。首相の座に最も近い位置にいながら勝負を急ぎ、すべてを失った。加藤側近の若手で加藤の乱に関わった岸田は、政治の厳しさを間近で見た。

「安倍政権にいるからポスト安倍なんだ。閣外に出たらただの人だ。よく考えろ」。安倍に近いベテラン議員は最近、岸田に外相続投を促した。岸田は迷っていたという。岸田は官邸に安倍を訪ねると「引き続き政権を支えます」と伝えた。「どういう展望を持っているか、よくわからない」。安倍に近い閣僚の一人は岸田を評した。主義・主張が必ずしも近いとはいえない安倍を支えながら存在感を示そうとする戦略が抱える宿命だ。

政治の駆け引きが見て取れます。原点は昔から加藤の乱と言われていますね。首相からの「次の総裁選、出るつもりなの?」は驚いたと思います。


安倍1強 岐路に 自民、過去最低23議席 解散・改憲に不透明感

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS02H18_S7A700C1NN1000/

衆院解散・総選挙を巡る判断にも影響がある。衆院議員の任期満了は来年12月。そこまでに必ず衆院選はある。20年の新憲法施行を目指す首相が早期の改憲を実現するには、衆参両院で憲法改正の発議に必要な3分の2の「改憲勢力」を維持する必要がある。だが、自民党に強い逆風が続く中で次の衆院選を迎えれば、維持できない数字だ。

今回の結果を受け、首相に近い閣僚経験者は「年内に衆院解散・総選挙はできない」と話す。来年の通常国会で改憲を発議する日程が取り沙汰されているなか、改憲勢力3分の2を維持するため、衆院議員の任期満了近くまで選挙には踏み切れない、との見方だ。早期に解散に打って出て敗北すれば、来年9月の総裁任期切れ前に退陣に追い込まれかねない。

だが、支持率の下落が続くようなら、より迅速な対応が迫られるかもしれない。与野党では、次期衆院選で小池都知事と連携して国政進出を狙う勢力がある、との声がある。自民党都議が大量に落選し、都内の衆院小選挙区の基盤が崩壊した以上、小池知事らが準備を整える前に、早期解散をしなければならなくなるケースだ。

都民フが勝ったのではなく、自民党が負けたという見方が多いです。ひとまず人事がセンシティブなところ。


首相、改憲スケジュール前倒し 来年通常国会で発議も

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首相は憲法記念日に20年までの新憲法施行の目標を表明。その後、同目標に向けて年内に党の改憲案のとりまとめを指示するなど、徐々に悲願達成へのスケジュールを明示してきた。今回は自民党案の国会の提出時期を明言し、一段と改憲への意欲を明確にした。

党憲法改正推進本部は首相が新憲法施行の目標時期を表明して以降、下村幹事長代行ら早期改憲派の側近を新たに同本部の役員に就任させるなど体制を強化した。ただ、与野党の協調を重んじる勢力もなお多く、石破氏は首相の改憲方針に異論を唱えている。スケジュールの前倒しは議論が滞らないよう改めてクギを刺す狙いがある。

自民案を今年中に国会提出すれば、国会での審議時間を長く確保できる利点もある。18年の通常国会は冒頭から予算案の審議が中心となり、改憲案の審査に入れるのは予算成立後の4月以降になる可能性が高い。延長がない場合の会期末まで残り2カ月ほどしかなく、提出から審査、発議まで全て通常国会のうちにこなすのは難しい。18年の通常国会で改憲発議できれば、同年中の国民投票が可能になる。

そして10月衆院選の公算が大きくなり、9条に自衛隊と自民公約に明記へというステータス。


自民総裁任期延長へ 改憲・脱デフレにらむ 長期政権に布石

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO08570400Q6A021C1PP8000/

10年以上の安定政権を築いているドイツのメルケル首相は財政健全化などに取り組み、就任からほぼ10年たった14年にようやく財政黒字を達成した。長期政権になれば外交交渉などを有利に進めやすくなることもある。貿易や領土を巡る折衝では、国内での政治基盤や発言力、首脳間の人脈がカギを握る。安倍首相が強い意欲を示すロシアとの北方領土交渉も同様だ。

8月の党役員人事で要の幹事長ポストに総務会長だった二階氏をあてたのも総裁任期延長を見すえた布石とみられている。二階氏は参院選後、総裁任期延長論を唱え、党内での延長容認論の流れをつくった。

二階氏は幹事長就任後、総裁任期を議論する党・政治制度改革本部の本部長に調整力のある高村副総裁を起用した。党内には「任期切れまで約2年あるのになぜ今なのか」などの慎重論もあったが、高村氏は「安倍総裁に限らず、誰にでも適用する」などと説明し、封じ込めた。

二階氏&高村氏起用も含め、着々と進めてきた印象です。でもメルケルさんの例を知って長期政権のメリットも理解できます。


検証 真夏の人事 重ねた配慮 吉か凶か

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS05H6Y_V00C16A8PP8000/

経済産業相の世耕氏と沖縄・北方相の鶴保氏。世耕氏は第2次安倍政権の発足来、官房副長官として首相を支え続けてきた首相側近だが「二階氏とは距離がある」(閣僚経験者)とされる。鶴保氏の起用は「世耕氏を入れるため首相が二階氏に配慮した」とみられている。二階派からはもう一人、今村氏も復興相で入閣した。「露骨な二階派厚遇だ」。

「石破さんが断ったポストですが、農相をお願いします」。山本氏に首相から電話が入る。山本氏は石破氏側近であると共に首相の友人でもある。山本氏は不意打ちの打診に驚いたが「安倍さんとの信頼関係もある」とあっさり受諾した。石破氏が側近と「ポスト安倍」への決意を新たにした翌日の「一本釣り」。石破氏に事前に根回しはなく、同派からは「分断工作だ」と不満が相次いだ。

麻生副総理・財務相や菅官房長官を留任させ、首相は政権の骨格を維持した。これまでも2人を代えないことで政権基盤を固め「改造後は無風」との評を得てきたが、今回の人事はこれまでとは違う結末を招くリスクをはらむ。二階派の「厚遇」は、他派閥の不満と権力バランスの変調を招きかねない。

ポスト安倍を取り巻く思惑、距離感が面白いです。二階派厚遇っぷりも伝わってきました。


検証 真夏の人事 「1強」首相の誤算

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDE04H06_U6A800C1PP8000/

党を押さえ込んで政権を運営する「安倍1強」は「谷垣氏が首相官邸の意向をどんどん受け入れてくれたことで成り立ってきた」(閣僚経験者)。首相周辺は「谷垣氏の交代は政権のバランスを崩しかねない」と分析していた。

政権内では二階氏への警戒感は強かった。事前に二階氏起用を聞いた側近は首相に「ただでさえ剛腕政治家だ。人事やカネまで渡していいんですか」と進言した。「じゃあ誰にすれば良いと思う?」。首相の反論に側近が口ごもると「ほら、他にいないでしょ」と畳みかけた。

「石破さんのおかげで地方創生は成果をあげた」。首相は電話で新ポストとして農相を打診した。石破氏が「一党員の立場で安倍政権を支える。自由な時間がほしい」と断ると、防衛相ポストも提示して閣内残留を求めたが、固辞する姿勢は変わらなかった。首相と話したベテラン議員は「石破氏が得意な農相か防衛相なら喜んで受けると踏んでいたようだ」と打ち明ける。この議員は首相の考えが甘かったとみる。

やはり人事は面白いです。舞台裏の会話まで分かると特に。豪腕二階さんの動向と波乱要因の石破さんがどうなるか。


解散・任期延長占う 来月3日に内閣改造 カギ握る自民幹事長人事

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS29H71_Z20C16A7PP8000/

首相がこだわるのが谷垣氏の処遇だ。首相側近も「首相は谷垣氏について、余人をもって代えがたいと思っている」と強調。自民党幹部は「谷垣氏の続投が最適解」と指摘する。「安倍1強」を支えてきた谷垣氏を軽々に代えれば政府・与党のバランスが崩れかねない。

次の幹事長は衆院解散・総選挙や、首相の党総裁任期切れに対処する可能性がある。まずは衆院解散。谷垣氏に代えて軽量級の幹事長を据えれば「首相は当面、解散の考えはない」と人事の意味を勘繰られる。麻生副総理・財務相は来年初めの衆院解散を首相に進言しているが、短期間で選挙に向けて党をまとめられる人物でなければ万全の戦いはできない。

もう一つ、重要なのは2018年9月末に切れる安倍首相の党総裁任期。任期延長には、党大会での党則改正が必要だ。閣僚経験者の1人は「党則改正なら、軽量級の幹事長では難しい。任期満了が近づいた段階で重量級を据えるのではないか」と語る。党内ににらみが効く重量級には菅官房長官や二階総務会長らの名前が挙がる。

ここへ来て谷垣さんの存在感が際立ってきましたが、やはりそれだけ力がある重量級なのだろうと思いました。


アベノ人事 3つの傾向 来月3日にも内閣改造

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO05190810T20C16A7TZJ000/

1つ目は気心の知れた盟友や当選回数の多いベテラン議員だ。盟友といえば、政権ナンバー2の麻生副総理・財務相。祖父に首相を持つ点で共有し、外交政策の考えはきわめて近い。ともに不本意な形で首相の座を降り、首相経験者として互いの悩みが分かりやすい。

2つ目は側近や「お友達」だ。第1次内閣では「お友達人事」と批判を浴びたこともある。1993年に初当選し、若手議員のときから一緒に過ごした仲間との関係は深い。塩崎厚生労働相や石原経財相は若手議員のときに「NAISの会」と称したグループを結成した。

3つ目は「ポスト安倍」だ。いまは岸田外相と石破地方創生相を閣内に入れている。いずれも首相の出身派閥とは思想や政策の傾向に違いもあるが、事実上のライバルを取り込むことで党外での自由な動きを封じている面もある。

夏休み中に人事構想は練られたんでしょうか。こうやって傾向知っておくとより楽しめそうです。