敵か友か 対立を超えて

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19709230W7A800C1EA3000/

「敵はどこにいるか分からない。いないように見えて潜んでいる。敵にやられないためには徹底的に敵をたたきのめす」。安倍首相は周囲にこう漏らしたことがある。岸元首相も『岸信介証言録』で「対立する敵がいなければ駄目だ」と説いている。

警戒感の一端が出たのかもしれない。「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」。首相は街頭演説で、ヤジを飛ばす一部の聴衆に言い放った。「こんな人たち」という目に見える「敵」を明示したのはたしかだ。

友との関係では「友情を大事にしすぎる」との批判は消えない。失言した稲田元防衛相をかばい続けたことなどが背景だが、敵への厳しさが目立つあまり友を守るイメージが濃くなる面もある。

敵は徹底的にたたきのめし、友情を大事にする。個人的にはそれくらいの信念であって欲しいです。


シンゾウとの距離 二階俊博 あうんの呼吸、いつまで

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19087120R20C17A7PP8000/

安倍は自身に思想信条が近い「お友達」で周囲を固めたい気持ちがある一方、二階や菅といった異なるタイプの政治家を高く評価する。安倍はことあるごとに「百戦錬磨、自民党で最も政治的技術を持っている」と二階を持ち上げ、二階も「ポスト安倍は安倍」と長期政権を支える立場を徹底してきた。

その腕力は時にあつれきを生む。二階が狙った無所属で自らの派閥に所属する長崎幸太郎の復党問題。書面提出で多数決にかける強行突破を試みた。しかし、18人の委員のうち、二階の意向に沿って復党に賛成したのは6人。二階は「党人事後の次の体制で審議する」となお執念をみせるが、党内からは「派閥を拡大するために幹事長のポストを使っているだけだ」との不満も表面化する。

「安倍1強」への逆風が強まる中、来年9月には党総裁選、年末には衆院議員の任期満了が控える。「衆院解散は総理の権限ですが、選挙は1人でできますか」。衆院解散風が吹いた3月中旬、二階は安倍にこうクギを刺したことがある。安倍と二階。あうんの関係は緊張関係の裏返しでもある。

首相より16歳上の大先輩でこういう実力者をしたたかに活用している点、安倍さんは長けていると思います。


米、アジア積極関与強調 「中国寄り」懸念払拭狙う 南シナ海巡りけん制

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO17282430T00C17A6EA2000/

マティス氏が今回、とりわけ力点を置いたのは、台頭する中国への対応だった。「ルールに基づく秩序を阻害している中国の行動を受け入れることはできない」。マティス氏は中国の南シナ海での人工島建設を厳しい言葉で非難し、「北朝鮮は差し迫った脅威だが、だからといって他の戦略的問題から目を背けてはならない」と付け加えた。

米は北朝鮮問題で協力を得る見返りに南シナ海問題に目をつむるのではないか――。日本や東南アジア諸国にはトランプ流の「取引外交」への懸念がくすぶっている。トランプ氏は北朝鮮の核問題の解決を優先し、「もし中国が北朝鮮問題を解決するなら、貿易問題で米国とはるかによい取引ができると習国家主席に説明した」と明言。中国の為替操作国の指定を見送るなど融和姿勢への傾斜が目立つ。

アジアを歴訪したペンス副大統領、ティラーソン国務長官ら政権幹部のアジア政策に関する発言をたびたび引用した。「米国は太平洋国家だ。将来も変わらない。米国はアジア太平洋地域との関係強化を優先する」。マティス氏の発言には政権のアジア政策の意思が一枚岩であることを強調する狙いがにじむ。

マティス氏は信頼できるが、トランプ氏は信頼できるのか?という発言は鋭いなと思いました。


米ロ、思惑抱え仕切り直し シリア攻撃後初の首脳協議 対テロ軸に修復模索 北朝鮮対応、立場に相違

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM03H4Z_T00C17A5FF1000/

今回の電話協議はロシア側主導で実現したもようだ。クレムリンは「シリア危機を背景に、将来のロシアと米国の国際テロに対する行動の調整を話し合った」と強調し、対テロをテコに対話復活を目指す意図を示した。

トランプ氏はかねてIS掃討を最重要課題に掲げ、ロシアのウクライナ侵攻により冷え込んだ米ロ関係の改善を主張してきた経緯がある。米ロが対テロ協力を進めるには、アサド政権と反体制派の戦闘が続くシリアの停戦で折り合う必要がある。

北朝鮮情勢を巡る米ロの思惑の違いも浮き彫りとなった。ホワイトハウスは「最善策を協議した」とだけ発表。一方のクレムリンは「ロシア大統領は自制と緊張緩和を要請した」と指摘し、米国をけん制した。国連安全保障理事会では4月、中国も賛成した北朝鮮のミサイル発射を非難する報道声明についてロシアだけが反対し、文言を変更させた。

ISや北朝鮮を道具に関係修復という構図ですね。ただロシアは米中接近を警戒しているので一筋縄ではいきません。


米、譲れぬドル高是正 G20の裏で「新プラザ合意」構想 通貨協定 中国に触手

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC22H1A_S7A420C1EA2000/

「為替相場で盛り上がったということはなかった」。財務省同行筋は無風の会議だったと説明した。直前にトランプ米大統領が「ドルは強くなりすぎている」と発言し為替が争点に浮上したが、ムニューシン財務長官は各国財務相らに「長期的には強いドルが重要だ」と述べるなど火消しに動いた。

通貨協定構想で手を組む第一のターゲットは中国だ。ドル高是正は人民元安に悩む中国にも一段の資本流出を阻止する手段になる。北朝鮮問題で協力関係を探る米中だが、トランプ政権は通貨政策でも中国とは利害を一致させられるとみる。

米財務省が先に公表した為替報告書には通貨マフィアが気をもむ文言が紛れ込んだ。「永続的な為替相場のズレを回避しなければ、自由で公正な貿易は広がらない」。「為替のズレ」はロス商務長官ら米政権有力者が一斉に使い始めたもの。他国による一時的な為替操作の影響などではなく、14年ぶりのドル高という相場水準そのものがいわば“市場の失敗”だと断じる論法だ。「為替のズレ」は1980年代のドル高時にも使われ、その後のプラザ合意の布石となったとされる。

北朝鮮の動きもあり3ヶ月でまた状況変わってきましたが、為替相場のズレにプラザ合意と穏やかではありません。


歓待の裏、強烈けん制 米中首脳が初会談

http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM07HBK_X00C17A4EA2000/

習氏が到着したフロリダの空港では赤じゅうたんと儀仗隊に加え、ティラーソン国務長官が出迎える厚遇ぶり。中国は安倍首相への待遇を強く意識していた。別荘での会談や赤じゅうたんは「日本と同等以上の扱いを求めた」(中国の外交関係者)結果だ。

ただ、対米関係の安定を求める習氏の期待に応えるような歓待の裏で、強烈なパンチを用意していた。夕食会と前後する時間に実行したシリアへの攻撃。一線を越えたら軍事力を行使するという意思表明は、北朝鮮の核・ミサイル問題にそのままつながる。

トランプ氏の強硬姿勢は、経済分野の協力で取引できると踏んでいた中国に冷や水を浴びせた。トランプ政権は、軍事力をすぐには行使できないという中国側の楽観論も揺らいだ。習氏は7日の会談で米国が北朝鮮に軍事介入した場合の中国側の対応を説明し、トランプ氏をけん制するとみられるが、当初の想定を超える対応を迫られるようだ。

写真に悪意を感じないわけでもないですが。しかし強烈パンチを見舞いました。北朝鮮情勢と巨額の対中貿易赤字への対応が主要議題とのこと。


スー・チー氏を厚遇、中国に対抗 「東南アの要衝」へ布石

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS02H59_S6A101C1EA2000/

中国にとってもミャンマーはインド洋や中東への出入り口となる要衝だ。中国内陸からつながる石油パイプラインや道路建設を進めており、投資実績は記録の残る1988年度から15年度までの累計で約180億ドルに達する。外国投資全体の3割を占め、石油・ガスなど資源開発が中心だ。

一方、日本のミャンマーへの投資は15年度までの累計で6億ドル強にとどまる。近年増加しているものの、全体に占める比率は1%程度だ。ASEANの東端に位置し南シナ海に面するフィリピンは、投資実績で日本が中国に先行するが、ミャンマーは立場が逆転する。

スー・チー氏は演説でも、すべての国との友好関係の確立を目指す伝統の「非同盟・中立外交」の重要性を強調。各国と等しく距離をとりつつ、すべての国から利益を引き出す実利路線を鮮明にした。小国として生き残りを図るしたたかな現実主義といえる。

投資額はかなり中国と開きがあるんですね。ミャンマーは女性より男性の社会進出が遅れているという点が興味深いです。


習氏、権力集中へ試金石 定年延長検討、党内反発強く 次世代人事を左右

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASGU21H0F_S6A021C1FF8000/

党内では習氏の長期政権により一党支配体制の安定を図るべきだとの主張がある。一方で、定年延長で留任する指導者が増えれば新たに昇格する枠が減るため、反発する声も根強く残る。

「ポスト習」に当たる次世代の最高指導部入りが難しくなる可能性がある。習氏に近いグループ、2代前の総書記である江氏に連なる一派、前任の総書記の胡氏や李首相の出身母体である共産主義青年団(共青団)など、各派閥のポスト争いも左右する。

中国の憲法では、政府の職務である国家主席や首相の任期は2期10年まで。党の総書記に連続任期の制約はない。仮に習氏が総書記を3期務めれば、政府の最高ポストの国家主席には別の指導者が就く公算が大きい。

王岐山氏が反腐敗の司令塔になっているのでその処遇も焦点だと理解しました。習氏とも極めて親しいとのこと。


「未来志向」日韓になお壁 少女像移転、韓国内で反発 軍事情報協定締結は見通せず

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASDE07H08_X00C16A9PP8000/

昨年末の慰安婦合意に基づき、韓国では日本政府から送られた10億円の資金をもとに元慰安婦支援の財団事業が本格化する。日韓両政府は先月、通貨交換協定の再開に向けた議論開始でも合意した。長く冷え込んできた日韓関係に目に見える成果が表れ始めている。

韓国の世論調査では、日本が合意を履行した場合でも少女像の移転に反対との回答が8割近い。「国民世論を見ながら政府も動くので、今の状況下で政府が乗りだして推進する考えはない」。少女像移転への対応を聞かれた林外務第1次官はこう語った。

韓国政府内の空気にも変化がみえる。8月のSLBM発射に衝撃を受けており、潜水艦探知能力で世界最高水準の日本とGSOMIAを締結すべきだとするメディアの論調がでてきた。半面、日本との安保協力は植民地統治を経験した韓国国民に敏感なテーマ。慰安婦合意への逆風が強いなかで日本との安保協力拡大には踏みだしにくい。

従軍慰安婦問題は日本が10億出しても、少女像移転のハードルは高そうです。安保も慎重ですし課題は多いですね。


日中、解なき対話継続 尖閣・ガス田、道筋見えず

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06914100W6A900C1EA2000/

習氏は、「一日も早く正常な発展の軌道に戻すよう努力しなければならない」と語り、会談では歴史問題に直接触れなかった。しかしその前段では「中日関係は改善のプロセスを開始したが、時に複雑な要素に妨害されて脆弱な一面もある」と指摘。南シナ海問題で、日本が中国の主張を全面的に否定した仲裁裁判の判決受け入れを迫っていることなども念頭にあるとみられる。

焦点の一つだった防衛当局間で緊急に連絡を取りあうための「海空連絡メカニズム」は、日中両政府が大枠合意した12年6月から4年以上が経過。両政府間では運用開始の必要性が確認され、連絡時の無線の周波数など詳細についての話し合いもまとまっているもようだが、肝心の中国軍が運用開始に抵抗しているとされる。

停滞する関係改善機運をかろうじて維持しているのが経済関係や人的交流だ。首相は会談で、経団連など経済人230人が近く訪中することに触れ「経済交流の絶好の機会だ」と伝えると、習氏は歓迎する考えを示した。

南シナ海問題が前進しない限り、経済や人的交流以外は進展なさそうです。波乱要因ですね。