「安倍VS小池」突然のゴング 小池氏「改革保守」を標榜 「私が立ち上げ」

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21525900W7A920C1EA2000/

3年前に都知事選に出馬した細川元首相は小泉元首相の支援を受け、「原発即ゼロ」を主要政策に掲げた。1992年の参院選で細川氏とともに日本新党を立ち上げた小池氏が、今度は「原発ゼロ」を掲げて衆院選に挑む。「新党は脱原発を旗に小泉元首相との連携をはかってくるのでは」。自民党幹部は警戒感を強める。

新党は従来の小池氏支持層に加え「非自民、非民進」の有権者の票の取り込みを狙う。小池氏は「改革」や「保守」という言葉を織り交ぜながら「本当の意味でしがらみのない改革勢力が必要で、私自身が(新党を)立ち上げる」と力説した。

日本経済新聞の世論調査では新党への期待感は高まっていない。ただ、小池氏が新党代表として総選挙の前面に出れば看板に期待した候補者が結集し、都知事選、都議会選に次いで三たび小池旋風が吹く可能性もある。

民進の存在が一層薄くなります。消費増税は希望は「凍結」なのが大きな違い。面白くなります。


ブーメラン解散はあるか

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20431700W7A820C1EA3000/

「今のままの民進党が相手ならいつ選挙でもそう怖くない。しかし都民ファーストの会が国政に進出すれば、安倍政権への批判票の受け皿になる可能性もある。今秋が与党にとって解散の好機だ」

早期解散はなお「奇策」との見方が強い。政権幹部は慎重意見が大勢を占め、首相側近は「内閣支持率が下がった現状での解散はリスクが大きすぎる。やはり本命は来年秋の解散だ」と否定する。

都議選での自民党惨敗を踏まえて、解散時期がブーメランのように今年秋に戻るならかつてない異例の展開といえる。果敢に早期解散に打って出れば、与党は衆院で改憲案の発議に必要な3分の2の議席を失う公算が大きい。一方で低支持率のまま来年夏に差し掛かれば、自民党内で「新総裁を選んで直後に解散・総選挙を」との声が強まりかねない。

もともとこの秋が本命だったところから、改憲発言を受けて来年秋へ、そして都議選の結果を受けてまたこの秋へというブーメラン。


安倍政権、続く悪循環 加計・都議選・稲田氏… 改造と党人事、反転攻勢は未知数

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19413000Y7A720C1EA3000/

裏目に出たのは稲田氏の問題だけではない。加計学園問題を中心とする衆参予算委員会での閉会中審査も疑問点の解消には至らなかった。

首相が局面の転換を期待する内閣改造・党役員人事は二階幹事長のほか、菅官房長官や麻生副総理・財務相ら政権の主要メンバーは留任する見込み。「心機一転」の印象による支持率上昇に結びつくか予断を許さない。

これまでの解散戦略の起点は「弱い民進党」と、憲法改正だった。この2つの要因が「首相は来年後半の衆院解散を検討しているのではないか」との観測につながった。民進党の新体制発足は、解散戦略の一つの起点が崩れたことを意味する。与党内には、民進党や都民ファーストの会の国政進出の準備が整わないうちに選挙に打って出るべきだとの早期解散論が浮上する可能性もある。

田原さんとの冒険の話が意味深です。民進党の新体制発足で、解散戦略の起点が崩れたという点を理解しました。


民進、重い「3ない病」 けじめ・人材・政権構想 蓮舫代表が辞任表明 党消滅の瀬戸際に

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一つの病は民主党時代から続くけじめのなさだ。昨年の人事で幹事長に据えた野田氏。党運営を安定させる切り札と考えたが、起用には強い反発があり「首相を務めた人は議員辞職すべきだ」(中堅議員)との声さえあった。それでも親しい議員が少ない蓮舫氏は野田氏で押し切った。その他の執行部人事が蓮舫氏に近い議員で占められたことにも批判は多かった。

人材の層の薄さも目立つ。決定的に欠けているのは自民党の派閥の領袖のように党内をまとめたり、意見を調整したりする存在だ。自民党の下野時代には谷垣前幹事長が人柄も生かしながら政権復帰まで党内を分裂させずにまとめてきた。一方、民進党では調整型の人材が少ないためか反対派を説得する前に党内対立に走る場面が多かった。

安倍政権への対立軸となる政権構想も見えにくかった。蓮舫氏は「提案型の野党」を掲げたものの、アベノミクスや憲法改正へのスタンスは具体性に欠けた。政権構想が曖昧なまま、共産党との選挙協力に傾斜した結果、党内保守派の代表格だった長島元防衛副大臣は党を去った。

なるほど、自民には派閥があり、民進にはない。という構造的なことは、組織的に大きな違いだと思いました。


シンゾウとの距離 二階俊博 あうんの呼吸、いつまで

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安倍は自身に思想信条が近い「お友達」で周囲を固めたい気持ちがある一方、二階や菅といった異なるタイプの政治家を高く評価する。安倍はことあるごとに「百戦錬磨、自民党で最も政治的技術を持っている」と二階を持ち上げ、二階も「ポスト安倍は安倍」と長期政権を支える立場を徹底してきた。

その腕力は時にあつれきを生む。二階が狙った無所属で自らの派閥に所属する長崎幸太郎の復党問題。書面提出で多数決にかける強行突破を試みた。しかし、18人の委員のうち、二階の意向に沿って復党に賛成したのは6人。二階は「党人事後の次の体制で審議する」となお執念をみせるが、党内からは「派閥を拡大するために幹事長のポストを使っているだけだ」との不満も表面化する。

「安倍1強」への逆風が強まる中、来年9月には党総裁選、年末には衆院議員の任期満了が控える。「衆院解散は総理の権限ですが、選挙は1人でできますか」。衆院解散風が吹いた3月中旬、二階は安倍にこうクギを刺したことがある。安倍と二階。あうんの関係は緊張関係の裏返しでもある。

首相より16歳上の大先輩でこういう実力者をしたたかに活用している点、安倍さんは長けていると思います。


シンゾウとの距離 小泉進次郎 互いの価値を値踏み

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19030960Q7A720C1PP8000/

衆院当選3回ながら衆目が一致する「将来のリーダー」。嫉妬の渦巻く永田町で、謙虚さを前面に慎重にキャリアを積んできた。だからこそ改造で噂される「異例の抜てき」には不安もぬぐえない。要職を受け失敗すれば非難の嵐となりかねない。一方、官房副長官など政権の中枢に入れば政権を擁護せざるを得ず、これまでの政権批判も辞さない清新なイメージは壊れてしまう。

首相とは微妙な距離感を保つ。「時間軸が違う気がするんだよね」。こう評したことがある。実際、遊説や党内論議でアベノミクスに触れたことはほぼない。金融緩和や財政拡大などカンフル剤的な政策にも一定の同調は示すが「日本の課題は20年以降に一気に顕在化する」と構造改革の必要性を訴える。

「いろいろ言ってて頼もしいね」と安倍は最近、皮肉にも似た感想を周囲に漏らした。政権浮揚のカードだが、引き立てた結果、自らの後継者とはいえない政治家を育ててしまう恐れもある――。首相周辺は「進次郎は首相にとってもろ刃の剣でもある」と語る。

まさに距離感のよく分かる記事でした。将来のリーダーであることに違いはないと思いますが、現政権での人事など注目です。


シンゾウとの距離 石破茂 モノ言い強める無役

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18929910X10C17A7PE8000/

「政権中枢と近い方がポストは得られることはわかりきっている。でも、いざという時に俺がモノを言わなかったら自民党はどうなるんだ」。都議選ショックを受け徐々にカジを切り始めた。都議選後の10日間で受けた新聞やテレビの取材は10を超え、露出作戦を強める。

「総理と全面対決だ」と息巻くのが憲法改正だ。安倍は9条の1項と2項を維持したまま自衛隊を憲法に明記する案を提起。石破は、戦力不保持を定めた2項の規定と矛盾すると指摘するが、首相提案への反対論は党内で広がらない。「多くの人がおかしいと思っているのに、総裁の意図がそこにないと思って何も言わない」

石破が「ポスト安倍」を射止めるには、まず安倍批判層の受け皿にならないといけない。だが徹底した安倍批判の戦術は嫌う。次の総裁選へ勝機を探るが、安倍との違いを明確に自分の政策の旗印を掲げて「安倍降ろし」を仕掛けるわけではない。無役の戦いは「出口」が見えないままだ。

確かに都議選後テレビでよくお見かけしました。もちろんポスト安倍を狙っていると思います。


シンゾウとの距離 岸田文雄 時機を探る慎重居士

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18914050V10C17A7EA3000/

1月には「安倍首相時代の後、何ができるか考えたい」と表明した。安倍と直接戦う訳ではない。政権を支え、3選を目指す安倍が退任した後に「首相の座」を狙うのが基本戦略だ。岸田派も、いまは党内第4派閥。トップをうかがうには安倍を支える最大派閥・細田派や、麻生が率いる第2派閥・新麻生派に気を配らねばならない。

慎重居士の岸田の淵源は何か。岸田周辺は17年前の「加藤の乱」を挙げる。かつて宏池会を率いた故・加藤は、当時の首相、森に反旗を翻し、失脚した。首相の座に最も近い位置にいながら勝負を急ぎ、すべてを失った。加藤側近の若手で加藤の乱に関わった岸田は、政治の厳しさを間近で見た。

「安倍政権にいるからポスト安倍なんだ。閣外に出たらただの人だ。よく考えろ」。安倍に近いベテラン議員は最近、岸田に外相続投を促した。岸田は迷っていたという。岸田は官邸に安倍を訪ねると「引き続き政権を支えます」と伝えた。「どういう展望を持っているか、よくわからない」。安倍に近い閣僚の一人は岸田を評した。主義・主張が必ずしも近いとはいえない安倍を支えながら存在感を示そうとする戦略が抱える宿命だ。

政治の駆け引きが見て取れます。原点は昔から加藤の乱と言われていますね。首相からの「次の総裁選、出るつもりなの?」は驚いたと思います。


都議選・取材後記 「小池流」支える孫子の兵法

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18604550X00C17A7TCL000/

「戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」戦いにおいては、戦わずに敵の兵を屈服させることが最上である、という意味です。今回の選挙で、小池氏は、自民党や民進党の議員たちを「都民ファーストの会」に迎え入れました。もともと選挙の後援会や組織を持っている人たちを引き込むことで、消耗戦に持ち込まずに勝利を得ました。

「凡そ用兵の法は、国を全するを上となし、国を破るはこれに次ぐ」相手の国を打ち破るのではなく、丸ごと手に入れることが最善である。小池氏は、自民党と連携していた公明党を味方に引き入れました。自民党側についていた勢力を丸ごと手に入れたのです。

権謀術数を、彼女はどこで体得したのか。エジプトのカイロ大学留学中だったと私は推測しています。小池氏は以前、私にこう語ったことがあるからです。「日本の政治は戦争と言っても甘いものよ。命を取られることはないのだから」アラブ世界の政治は権謀術数が渦巻いています。政治も文字通り命がけの戦い。それをじっくり観察していたのです。

小池さんと孫子の兵法、興味深いです。カイロ留学の話を踏まえると筋金入りな感じです。


おごり・緩み、もろさ露呈 安倍1強 危機感薄く 保守層、都民フに流れる

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS03H52_T00C17A7EA2000/

「都民ファーストは保守なんだよね」。首相周辺は選挙直前までこう軽口をたたいていた。事実、小池氏は首相と同じく憲法改正に理解を示す一人だ。自民党は都民フと保守層を奪い合う展開になると理解しながら、惨敗を喫した。

小池氏への批判を容認していた首相の危機意識は、どこか乏しいと言わざるを得ない。都議選の個別候補の応援演説に入ったのはわずか4回にとどまった。告示前も含めて20カ所以上で街頭演説した前回の都議選との違いは明らかだ。

投開票日の当日夜、首相は高級フランス料理店で会食した。テーブルを囲んだのは菅官房長官や麻生副総理・財務相、甘利明前経済財政・再生相。第2次安倍政権の発足から中枢を担ってきた盟友たちだ。首相にとっては安心する相手かもしれないが、周囲にはどう映るだろうか。閣僚経験者の一人は「これだけ負けているのに何が原点回帰だ。お友達回帰なだけだ」と述べ、側近政治だと批判する。

投開票日夜の会食メンバーを見ると、確かにお友達回帰と言われるかもしれません。閉会中審査も検討に入りました。