ポスト安倍世代の自民党

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16366040T10C17A5EA3000/

3回生までの自民党議員を合わせると今や党全体の5割を超す。野党時代を知らない世代が最大勢力。野党から政権に返り咲いた経緯を実体験した世代と、そうでない世代に政治家としての振る舞いに違いがあるのは仕方がない面もある。

自民党は伝統的に家庭の存在を重視する政党だ。野党時代にまとめた憲法改正草案第24条は「家族は互いに助け合わなければならない」とうたう。専業主婦世帯の税負担を優遇する配偶者控除の廃止に踏み切れないのも「妻は家庭で夫を支えるものだ」という価値観が根本にある。

「安倍1強」に象徴される今の自民党は、首相に近い議員の発言を見ても復古主義的な価値観を想起させることが少なくない。だが「2012年問題」に象徴される3回生までの若手世代からは旧来の価値観にこだわらない政策発信が出る。実は党の質的な変化に気づいていないのは自民党自身かもしれない。

野党時代を知らないポスト政権交代世代が今や半数を超すとのこと。よりリベラルな世代のようです。


首相「20年に新憲法」 悲願達成へ持論前面 9条、党草案こだわらず

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS03H26_T00C17A5PE8000/

首相が今回、9条改正に踏み込んだ背景には、北朝鮮情勢の緊張が高まるなか自衛隊を憲法上、位置づけることに国民の理解が得られるとの読みがありそうだ。自身の18年9月までの党総裁任期も延長が可能になり、21年までの長期政権へ視界が広がったこともある。国会で停滞する改憲議論を自ら主導できるとの自信の裏返しともいえる。

新たに打ち出した9条での自衛隊の明文化は自民党が12年にまとめた憲法草案にはなかった文言。草案では「国防軍」としていたが、こだわらない姿勢を鮮明にした。公明党の山口代表は「これまでの自民党の改憲草案とは違った視点の提案だ。国会ですべての議員が参加して議論を深めることが大切だ」と述べた。

首相は改憲項目で教育の問題にも言及し「極めて重要なテーマだ」と語った。教育無償化を憲法改正の柱の一つに掲げる維新との連携を強化する狙いがあるとみられる。馬場幹事長は「我々の主張が認められた。時代にあった憲法改正を自民党主導でやってもらいたい」と期待感を示した。

ぐいっと踏み込みました。9条での自衛隊の明文化というのがポイントだと理解しました。


首相、在任中の改憲に照準 与野党論議は足踏み

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS26H4A_X20C17A4PP8000/

次の衆院選は民進党や共産党が統一候補を立てるとみられ、自民党は野党候補が乱立した2014年衆院選より議席が減りかねない。改憲に前向きな勢力が3分の2の議席を割り込む恐れもある。

改憲を悲願とする自民党保守派には次の衆院選前に国会で改正を発議したい願望が漂う。下村幹事長代行は「今秋の臨時国会で改憲発議するのが望ましい」と話す。一方、公明党は性急な論議を警戒する。

衆院議員の任期満了となる18年12月までに衆院選を乗り切り、19年夏の参院選前に国会で発議――。自民党幹事の一人はこんなシナリオを描く。首相は18年9月までにある党総裁選での3選が有力視されており、総裁選では改憲を訴える機会になる。

憲法施行当時は憲法を日常生活に則して考えようという内容で、様々な解説書が配られたそうです。そういった視点も必要ですね。


経済に次の一手はあるか

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS28H5I_Y7A420C1EA3000/

自民党幹部は「トランプ政権の誕生や北朝鮮情勢の緊迫を見れば我々がとった選択は正しかった」と強調する。ただ評価は二分され、野党は「違憲の安保関連法などをごり押しして立憲主義や平和主義をゆがめている」と手厳しい。

5年目に入った安倍政権の経済運営への批判は、安保政策に対する「やりすぎだ」との指摘とは方向性が百八十度異なる。「看板政策を次々に取り換えているが、それに見合った成果が出ていない」(民進党幹部)との声が多い。

「財政と民主主義」と題した東京財団主催のフォーラムが開かれた。登壇した6人の研究者の政治への懸念は共通していた。「日本は30年近くかけて財政赤字を累積させた。これを倍の50年かけて返すとしても低金利がずっと続くわけではない。どうするつもりなのか」人口減社会のなかで成長と財政再建を両立させる処方箋は政権内、与党、野党のどこにも見当たらない。

女性活躍が一億総活躍で上書きされ、働き方改革へ。次の一手は何かということですね。


都議選後、互いに「保険」 首相・小池氏、料亭で「遭遇」の舞台裏

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO15753470W7A420C1PP8000/

小池氏が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」は都議選勝利に執念を見せる。「反都議会自民」を鮮明にする。自民内にはこうした小池氏のやり方に不満が募る。都議選の結果次第では双方が抜き差しならない状況になりかねない。小泉氏が小池氏の裏で動くのではとの疑心暗鬼もある。だからこそ首相は小池氏とわざわざ会う機会をつくった。

小池氏も状況は似ている。2020年の東京五輪・パラリンピックの成功などには政府・与党との連携が不可欠だ。小池氏は都議会自民党とは対立するが、自民党籍は残したまま。都議選の候補擁立は遅れ、築地市場の移転問題などで世論の風向きも読み切れない。自民党の情勢調査では都民ファーストと都議会自民党の議席数はほぼ互角。自民抜きで都議会過半数を得られなければ都政運営は行き詰まる。小池氏にとっても「保険」は必要だ。

東京都議選の告示まで2カ月。「小池VS自民」という構図が予想される都議選が近づきすぎれば自民党総裁である首相と会うのは難しくなる。まさに絶妙なタイミングでの会談だった。

こういう舞台裏話は面白いです。トップ同士、何がベストか戦略を立てながらでしょうから、健全だと思います。


首相「9年政権」への道 衆院解散が最大の関門

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13685230U7A300C1EA2000/

一つは7月の都議選前の電撃解散だ。「都議選と衆院選のダブル選もあり得る」との観測も漏れる。都議選を絡ませる理由は「小池旋風」の回避にある。高い支持率を誇る小池百合子都知事は都議選で都議会自民党を敵対勢力に見立て、自らが事実上率いる地域政党で単独過半数の獲得を狙う。そのあおりで自民党の足腰が弱る前に衆院選をすませ国政上の打撃を少なくさせるとの見立てだ。

2つ目は今年秋から来年初めまで。通常国会の会期内に重要法案を成立させ、秋の臨時国会で政権の最重要課題である働き方改革の法整備ができれば解散しやすい環境は整う。党幹部は「働き方改革を大義に信を問えば大きく負けることはない」とみる。ただ日程は窮屈だ。今年後半からは黒田氏の続投を含む後任選びが本格化する。

もう一つは18年9月の党総裁選前後の衆院解散だ。総裁選前の勝利は総裁3選に弾みをつける。総裁選直後の解散をちらつかせて求心力を保つ案も考えられる。ただ、この場合は任期満了に限りなく近づくため「追い込まれ解散」になるとの懸念も自民党内にはある。

任期によりいつかは解散しないといけないので、選挙に勝って9年政権を実現するために衆院解散の時期が重要ということですね。


小池氏、硬軟両様で政権けん制 知事支持派、多数狙う

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS10H4D_Q7A110C1EA2000/

国政政党や地域政党を結成して退路を絶って都議選に臨めば、都知事選圧勝を呼び寄せた無党派層の支持の拡大が期待できるとの期待がある。都議会公明党にも「新党であっても選挙区のすみ分けをする」(幹部)との声がある。

ただ、自民党籍を残す小池氏が新党結成に踏み切れば、首相官邸や自民党本部との亀裂が決定的になりかねない。五輪の経費負担で国の支援を求める立場でも政権との対立は避けたいところだ。

自民党本部は小池氏の動向に神経をとがらせる。敵視して都議会の対立に巻き込まれれば国政や次期衆院選に影響しかねないからだ。都議会自民党の会派を離脱し小池氏と連携する新会派結成を表明した3都議も処分しない方向だ。

都政を有利にするための新党ということでしょうか。狙いがよく分かりません。無党派層の支持は強いと思います。


次期衆院選の候補者擁立 自民9割超で 民進は7割どまり

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS03H19_T00C17A1PE8000/

自民党は衆院当選1~2回の若手議員約120人の当落が次期衆院選の勝敗の鍵を握るとみている。党幹部は昨年後半から地元活動などを細かに指導している。活動量などが足りない場合は候補者の差し替えも辞さない構えだ。

民進党は選挙区に擁立したのは現時点で217人。目標とする衆院定数の過半数(238人)に届いていない。地域別では、昨年の参院選で善戦した東日本では擁立が8割超と比較的進んでいるものの、近畿以西の西日本では5割超と開きがある。

より調整を要するのが他の野党との選挙区調整だ。共産党は261選挙区で候補者を発表済み。このうち15選挙区を「必勝区」に据え、他の野党に候補を出さないよう求めた。民進、共産両党だけでも競合する選挙区は195。共倒れを防ぐためには競合選挙区をできるだけ少なくする必要がある。

まだ先の話かと思ってましたが、動き始めていますね。自民は手堅く行きたい感じが伺えます。解散時期いつでしょう。


働き方税制 かすむ理念 実態即した改革急務

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS08H48_Y6A201C1EA2000/

今回の税制改正は主に専業主婦世帯を優遇する配偶者控除を事実上、維持してパート主婦への減税を拡大するものだ。それに伴う減収分を高所得の専業主婦世帯への増税で穴埋めする。当初の理念からはほど遠い。今年の春先、財務省や自民党の税制調査会は「夫婦控除」の創設を目指した。年収に関係なく減税額が一定になる「税額控除方式」を導入する案も検討していた。

日本の税制が抱える問題は配偶者控除だけでない。「フリーランサー」は増えている。会社員にだけ適用する給与所得控除を見直し、誰でも使える基礎控除を拡充すれば働き方に中立的な税制になる。基礎控除の相当額は英国が約180万円、フランスは約140万円。日本の38万円と比べ数倍だ。

税の世代間の不公平も放置されたままだ。年金受給者は公的年金等控除によって、現役世代より手厚い税軽減を受けられる。日本は高齢者の反発を恐れて議論すら進まないが、ドイツは日本の公的年金等控除にあたる制度を無くす方向で検討している。

今回の改正はあくまでも妻のパート労働を前提とする点で中途半端ということ。社会の実態にも合っていない点が指摘されています。


自民総裁任期延長へ 改憲・脱デフレにらむ 長期政権に布石

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO08570400Q6A021C1PP8000/

10年以上の安定政権を築いているドイツのメルケル首相は財政健全化などに取り組み、就任からほぼ10年たった14年にようやく財政黒字を達成した。長期政権になれば外交交渉などを有利に進めやすくなることもある。貿易や領土を巡る折衝では、国内での政治基盤や発言力、首脳間の人脈がカギを握る。安倍首相が強い意欲を示すロシアとの北方領土交渉も同様だ。

8月の党役員人事で要の幹事長ポストに総務会長だった二階氏をあてたのも総裁任期延長を見すえた布石とみられている。二階氏は参院選後、総裁任期延長論を唱え、党内での延長容認論の流れをつくった。

二階氏は幹事長就任後、総裁任期を議論する党・政治制度改革本部の本部長に調整力のある高村副総裁を起用した。党内には「任期切れまで約2年あるのになぜ今なのか」などの慎重論もあったが、高村氏は「安倍総裁に限らず、誰にでも適用する」などと説明し、封じ込めた。

二階氏&高村氏起用も含め、着々と進めてきた印象です。でもメルケルさんの例を知って長期政権のメリットも理解できます。