経済対話 同床異夢 車・金融駆け引き 日本、FTA回避探る

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC11H01_R10C17A2EA2000/

経済対話で麻生副総理・財務相のパートナーになるペンス米副大統領はトヨタ自動車などともパイプが太く、もとはTPPの賛成論者だ。「交渉相手として不安はない」(外務省幹部)。トランプ氏の攻撃を直接受けない枠組みを作ることで「日本は一定の成果をあげた」(国際通商筋)。

トランプ政権が日米FTAを持ち出しても、日本はすぐには土俵に上がれない。他のTPP加盟国のメンツが潰れるうえに、農産物という日本の泣きどころに切り込んでくるのが確実だからだ。仮にFTA交渉に入って米がTPPを上回るような譲歩を迫ってくれば、国内農家の説得などに多大な政治的エネルギーを費やさざるをえなくなり、国内の反米感情をあおるリスクが高まる。

日本は米とのFTA交渉をできるだけ避け、代わりに対中国貿易改善に向けて両国の連携を前面に打ち出す腹づもりだ。対中貿易をあたかも「仮想敵」に据えて日本への矛先を外そうという巧妙な戦術。

いち早く厚遇された安倍さんが、各国と米国をつなぐパイプになるとの見方があります。ハブは重要な役目だと思います。


TPP実現 2枚の切り札 「雇用創出」「中国脅威」で変心狙う

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS17H1X_X11C16A1EA1000/

首相が今後のトランプ氏との会談などに向けて用意している殺し文句があると周辺は明かす。「雇用」と「中国」だ。トランプ氏が大統領選でTPPからの離脱を唱えたのは、米国の雇用確保の文脈でだ。だが日本が米国の雇用創出に貢献できるなら、トランプ氏のTPPへの懸念も減らすことができる。

トランプ氏の中国への厳しい姿勢も活用する。首相はTPPの発効手続きが進まない場合は「(米国が参加しない)RCEPに軸足が移っていくことは間違いない」と踏み込んだ。中国主導のRCEPが主流となれば、世界の貿易ルールは米国でなく中国主導になる。そうしたリスクを米側に突きつける考えだ。

首相がTPPに強くこだわるのは、金融政策頼みの経済政策に限界がささやかれるなか、TPPが成長戦略の最後のよすがだからだ。日本の輸出に占めるTPP参加国の割合は約30%。ところが米国が抜ければ約12%に下がり、GDPの押し上げ効果は半減する。

TPPにまつわる日米姿勢が理解できました。大統領就任前の非公式会談なので、写真などは出ないんでしょうね。


夫婦共働きも税軽減 政府税調 配偶者控除見直し検討

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS09H4B_Z00C16A9EA2000/

政府税調は配偶者控除の代わりに、共働き世帯でも控除を受けられる夫婦控除と呼ばれる仕組みの導入を検討する。夫婦控除は妻の年収にかかわらず、夫婦であれば控除の対象になる。

政府は所得税改革を実施しても税収が減らないようにする方針だ。配偶者控除と同じ減税を共働き世帯にも適用すれば、税収は大幅に減ってしまう。夫の年収や世帯の年収が一定額以上であれば控除の適用を制限したり、段階的に控除額を縮小したりする案がある。

改革の柱はいまの「所得控除」から「税額控除」への転換だ。所得控除は稼いだお金から一定額を差し引いて課税対象額を減らすため、控除額が同じだと税率の高い高所得者ほどより大きな恩恵を受けられる。一方、税額控除は所得にかかわらず税金から一定額を差し引くので、所得が多くても少なくても税の軽減額は同じだ。

改革の柱は「所得控除」から「税額控除」への転換。あとは税収とのせめぎ合いといったところでしょう。


経済対策 二段構え 2次補正、まず国費4.5兆円 公共工事積み増し

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06470120V20C16A8EE8000/

4.5兆円のうちインフラ投資と災害対策の合計額が3.4兆円と4分の3を占める。熊本地震と東日本大震災からの復興や防災対策に1兆9688億円を計上。整備新幹線の建設や訪日客対策として、クルーズ船受け入れに向けた港湾整備も盛り込んだ。

16年4~6月期のGDPは速報値で年率0.2%増と低迷している。政府は「未来への投資を実現する経済対策」と呼んでいるが、公共工事を増やすことによる足元の景気テコ入れ策の色合いが強い。

政府は経済対策の実質GDPの押し上げ効果を1.3%程度と公表している。今回の補正予算案の押し上げ効果に限定すると「16年度で0.2%、17年度は0.4%程度」(明治安田生命保険・小玉チーフエコノミスト)。家計の収入増につながる目玉対策となる雇用保険料の引き下げは17年度になる。景気への影響が出るまでには、一定程度の時間がかかりそうだ。

雇用保険料は17年度に引き下げられるんですね。これは労使ともに助かります。積立金は6兆円と余裕があるからだそうです。


検証 真夏の人事 重ねた配慮 吉か凶か

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS05H6Y_V00C16A8PP8000/

経済産業相の世耕氏と沖縄・北方相の鶴保氏。世耕氏は第2次安倍政権の発足来、官房副長官として首相を支え続けてきた首相側近だが「二階氏とは距離がある」(閣僚経験者)とされる。鶴保氏の起用は「世耕氏を入れるため首相が二階氏に配慮した」とみられている。二階派からはもう一人、今村氏も復興相で入閣した。「露骨な二階派厚遇だ」。

「石破さんが断ったポストですが、農相をお願いします」。山本氏に首相から電話が入る。山本氏は石破氏側近であると共に首相の友人でもある。山本氏は不意打ちの打診に驚いたが「安倍さんとの信頼関係もある」とあっさり受諾した。石破氏が側近と「ポスト安倍」への決意を新たにした翌日の「一本釣り」。石破氏に事前に根回しはなく、同派からは「分断工作だ」と不満が相次いだ。

麻生副総理・財務相や菅官房長官を留任させ、首相は政権の骨格を維持した。これまでも2人を代えないことで政権基盤を固め「改造後は無風」との評を得てきたが、今回の人事はこれまでとは違う結末を招くリスクをはらむ。二階派の「厚遇」は、他派閥の不満と権力バランスの変調を招きかねない。

ポスト安倍を取り巻く思惑、距離感が面白いです。二階派厚遇っぷりも伝わってきました。


検証 真夏の人事 「1強」首相の誤算

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDE04H06_U6A800C1PP8000/

党を押さえ込んで政権を運営する「安倍1強」は「谷垣氏が首相官邸の意向をどんどん受け入れてくれたことで成り立ってきた」(閣僚経験者)。首相周辺は「谷垣氏の交代は政権のバランスを崩しかねない」と分析していた。

政権内では二階氏への警戒感は強かった。事前に二階氏起用を聞いた側近は首相に「ただでさえ剛腕政治家だ。人事やカネまで渡していいんですか」と進言した。「じゃあ誰にすれば良いと思う?」。首相の反論に側近が口ごもると「ほら、他にいないでしょ」と畳みかけた。

「石破さんのおかげで地方創生は成果をあげた」。首相は電話で新ポストとして農相を打診した。石破氏が「一党員の立場で安倍政権を支える。自由な時間がほしい」と断ると、防衛相ポストも提示して閣内残留を求めたが、固辞する姿勢は変わらなかった。首相と話したベテラン議員は「石破氏が得意な農相か防衛相なら喜んで受けると踏んでいたようだ」と打ち明ける。この議員は首相の考えが甘かったとみる。

やはり人事は面白いです。舞台裏の会話まで分かると特に。豪腕二階さんの動向と波乱要因の石破さんがどうなるか。


麻生・黒田氏会談 政策協調、苦心の演出

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS02H6I_S6A800C1EA1000/

財務省の一部では当初、アベノミクスの起点になったアコードの「刷新」という過激な案まで出た。物価安定だけでなく、雇用最大化などの政策責務も日銀に負わせる案だ。実現可能性がないとみた財務省幹部らが次に繰り出した案は、「財務相・日銀総裁による新たな共同声明の発出」だ。それも日銀は応じる気配を見せず、最後は会談で両者が口頭で協調を確認する案に落ち着いた。

そこまで財務相が2者会談にこだわった背景に、先週末の金融政策決定会合に絡み市場ではやされたヘリマネの存在がある。噂の先導役は安倍首相だった。「ヘリコプター・ベン」の異名を取るバーナンキ前FRB議長とにこやかに面会し、「首相がヘリマネに前向き」との臆測が広がった。

市場では9月の次回金融政策決定会合で追加緩和に踏み切るとの期待が広がる一方で、異次元緩和の転換に動かざるを得ないという「修正論」はそれ以上に勢いづいている。2日の債券市場では金利上昇がさらに進み、代表的な10年物国債利回りは一時、マイナス0.025%まで上昇した。

なるほどヘリマネという奇策があることを知りました。しかし結局金を市場に流通させるというのは金融緩和と同じではと思います。


解散・任期延長占う 来月3日に内閣改造 カギ握る自民幹事長人事

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS29H71_Z20C16A7PP8000/

首相がこだわるのが谷垣氏の処遇だ。首相側近も「首相は谷垣氏について、余人をもって代えがたいと思っている」と強調。自民党幹部は「谷垣氏の続投が最適解」と指摘する。「安倍1強」を支えてきた谷垣氏を軽々に代えれば政府・与党のバランスが崩れかねない。

次の幹事長は衆院解散・総選挙や、首相の党総裁任期切れに対処する可能性がある。まずは衆院解散。谷垣氏に代えて軽量級の幹事長を据えれば「首相は当面、解散の考えはない」と人事の意味を勘繰られる。麻生副総理・財務相は来年初めの衆院解散を首相に進言しているが、短期間で選挙に向けて党をまとめられる人物でなければ万全の戦いはできない。

もう一つ、重要なのは2018年9月末に切れる安倍首相の党総裁任期。任期延長には、党大会での党則改正が必要だ。閣僚経験者の1人は「党則改正なら、軽量級の幹事長では難しい。任期満了が近づいた段階で重量級を据えるのではないか」と語る。党内ににらみが効く重量級には菅官房長官や二階総務会長らの名前が挙がる。

ここへ来て谷垣さんの存在感が際立ってきましたが、やはりそれだけ力がある重量級なのだろうと思いました。


シンゾウとの距離 真夏の人事 菅義偉 同じ風景 いつまで

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS15H2I_V10C16A7PE8000/

軽減税率、同日選、消費増税延期と節目の政治決断で、安倍が菅の意見に沿った判断をする場面が続く。「私たちはやるときは一気にやる。総理と2人で根回ししている」と安倍との一体感を口にする。

「いつか『菅首相』の日も来るんじゃないですか」という声も親しい議員から届く。菅の返事は「全く、考えていませんから」。ただ師事した梶山静六は、かつて官房長官として支えた橋本龍太郎が退陣すると自ら総裁選に出馬した。「キングメーカーをめざすのか、ポスト安倍を見ているのか読めない」(首相周辺)

衆参とも3分の2を握ったことで、安倍は憲法改正を視界にとらえ、外交舞台でも存在感を高める。一方、菅の優先課題はなお「デフレ脱却、そして社会保障」だ。憲法改正には慎重で、おおさか維新の会幹部に「しっかり進めたい」と電話する傍ら公明党幹部には「簡単にはいかない」と伝えるなど慎重なかじ取りに腐心する。総裁任期が残り2年余りとなる中、2人の見る風景がいつまでも同じとは限らない。

この信頼関係はかなり強固だと観ていますが、見ている風景には違いもあることが分かりました。


アベノ人事 3つの傾向 来月3日にも内閣改造

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO05190810T20C16A7TZJ000/

1つ目は気心の知れた盟友や当選回数の多いベテラン議員だ。盟友といえば、政権ナンバー2の麻生副総理・財務相。祖父に首相を持つ点で共有し、外交政策の考えはきわめて近い。ともに不本意な形で首相の座を降り、首相経験者として互いの悩みが分かりやすい。

2つ目は側近や「お友達」だ。第1次内閣では「お友達人事」と批判を浴びたこともある。1993年に初当選し、若手議員のときから一緒に過ごした仲間との関係は深い。塩崎厚生労働相や石原経財相は若手議員のときに「NAISの会」と称したグループを結成した。

3つ目は「ポスト安倍」だ。いまは岸田外相と石破地方創生相を閣内に入れている。いずれも首相の出身派閥とは思想や政策の傾向に違いもあるが、事実上のライバルを取り込むことで党外での自由な動きを封じている面もある。

夏休み中に人事構想は練られたんでしょうか。こうやって傾向知っておくとより楽しめそうです。