安倍政権、続く悪循環 加計・都議選・稲田氏… 改造と党人事、反転攻勢は未知数

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19413000Y7A720C1EA3000/

裏目に出たのは稲田氏の問題だけではない。加計学園問題を中心とする衆参予算委員会での閉会中審査も疑問点の解消には至らなかった。

首相が局面の転換を期待する内閣改造・党役員人事は二階幹事長のほか、菅官房長官や麻生副総理・財務相ら政権の主要メンバーは留任する見込み。「心機一転」の印象による支持率上昇に結びつくか予断を許さない。

これまでの解散戦略の起点は「弱い民進党」と、憲法改正だった。この2つの要因が「首相は来年後半の衆院解散を検討しているのではないか」との観測につながった。民進党の新体制発足は、解散戦略の一つの起点が崩れたことを意味する。与党内には、民進党や都民ファーストの会の国政進出の準備が整わないうちに選挙に打って出るべきだとの早期解散論が浮上する可能性もある。

田原さんとの冒険の話が意味深です。民進党の新体制発足で、解散戦略の起点が崩れたという点を理解しました。


シンゾウとの距離 岸田文雄 時機を探る慎重居士

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18914050V10C17A7EA3000/

1月には「安倍首相時代の後、何ができるか考えたい」と表明した。安倍と直接戦う訳ではない。政権を支え、3選を目指す安倍が退任した後に「首相の座」を狙うのが基本戦略だ。岸田派も、いまは党内第4派閥。トップをうかがうには安倍を支える最大派閥・細田派や、麻生が率いる第2派閥・新麻生派に気を配らねばならない。

慎重居士の岸田の淵源は何か。岸田周辺は17年前の「加藤の乱」を挙げる。かつて宏池会を率いた故・加藤は、当時の首相、森に反旗を翻し、失脚した。首相の座に最も近い位置にいながら勝負を急ぎ、すべてを失った。加藤側近の若手で加藤の乱に関わった岸田は、政治の厳しさを間近で見た。

「安倍政権にいるからポスト安倍なんだ。閣外に出たらただの人だ。よく考えろ」。安倍に近いベテラン議員は最近、岸田に外相続投を促した。岸田は迷っていたという。岸田は官邸に安倍を訪ねると「引き続き政権を支えます」と伝えた。「どういう展望を持っているか、よくわからない」。安倍に近い閣僚の一人は岸田を評した。主義・主張が必ずしも近いとはいえない安倍を支えながら存在感を示そうとする戦略が抱える宿命だ。

政治の駆け引きが見て取れます。原点は昔から加藤の乱と言われていますね。首相からの「次の総裁選、出るつもりなの?」は驚いたと思います。


アジア金融協力 強固に 日中韓ASEAN財務相会議 米追加利上げや北朝鮮情勢…リスク共有

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS05H0G_V00C17A5EA2000/

「引き上げる側も配慮して少しずつ上げる」。麻生財務相は、FRBの追加利上げに言及した。共同声明は世界経済のリスクとして「予想よりも急激な金融引き締め」を明記、米利上げへの警戒感を示した。

日中韓とASEANはリーマン・ショックなどの際にも結束が試されたが、足元でリスクへの警戒を強めている。ひとつはトランプ米政権の行方。また北朝鮮情勢も難題。日中韓3カ国が開いた財務相・中央銀行総裁会議では地政学リスクに言及、域内経済の重荷として認識を共有した。

金融危機の際にドルを融通し合うのがアジア金融協力の柱。ドルを借りた新興国は為替市場で「ドル売り・自国通貨買い」の介入を実施して自国通貨安を抑える。だが、IMFの承認がないと3割しか使えない仕組みで、ASEANはかねて融通枠の拡大を求めてきた。関係者によると、会議でもASEAN側から融通枠を4割に拡大するよう求める声が出た。だが、中国が難色を示したという。

特にトランプ政権と北朝鮮の地政学リスクのため、IMFまた2国間協力を強めるという共通認識。


日米経済対話 米、貿易2国間交渉を要求 「TPP11」巡り神経戦

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO15990180S7A500C1M11200/

日米対話は日本とのFTA締結に意欲的なトランプ政権の圧力をかわす苦肉の舞台作りという性格が強い。経済・通商テーマを包括協議する建て付けながら、関税や為替といった際どいテーマを外して米に主導権を握られないようにするのが日本の狙い。

トランプ政権が目指す2国間のFTA交渉に入れば、日本はコメや牛肉をはじめとした農産品の関税でTPPを上回る市場開放を迫られる公算が大きい。日本はインフラ整備やアジア市場の開拓、サイバーセキュリティーといった分野で協力をアピールすることで、FTA協議に向かわないよう時間稼ぎに懸命だ。

日本が考えたのが、米抜きの11カ国によるTPPの発効だ。知的財産保護や電子商取引など高いレベルで合意したTPPにいざ魂が入れば、市場から締め出される米側の翻意を促せる希望も出てくる。仮に日米FTA協議となっても、TPPで譲った以上の農産品関税の譲歩などはできない。こう主張することができれば対米交渉のカードが増える。

日米の通商をめぐる構図が分かりました。TPPや為替を巡る神経戦もこれから激しくなりそうです。


銀行、カードローン抑制 融資上限下げ審査厳しく 多重債務問題に対応

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC28H2N_Z20C17A4EA3000/

国会や日本弁護士連合会からは銀行の行き過ぎた融資拡大を問題視する声があがっている。麻生金融相は、銀行カードローンに関し「エスカレートしているのではないかと危惧している」と答弁。安倍首相も「(銀行に)貸金業法が及んでいないのは社会的責任があるからだ。しっかり対応してもらいたい」と求めていた。

厳しい風当たりを踏まえ、三井住友銀行は年収証明書の提出を求める融資額の基準を「300万円超」から「50万円超」に引き下げた。三菱東京UFJ銀行も近く「200万円超」から「50万円超」に下げ、テレビコマーシャルの放映時間も限定する方向だ。

貸金業者の融資が激減する一方で、同法が適用されない銀行はカードローン事業を急拡大。マイナス金利で企業向けの貸出金利ざやが縮小し続けるなかで、安定した金利収入を確保できるためだ。金融庁は昨年からカードローンの実態調査をしてきたが「法律や監督指針で横並びに規制をかけるのではなく、銀行が自ら考えるのが先決」(幹部)との立場だ。銀行としても対応がこれ以上後手に回れば今度は銀行界に総量規制を導入されかねないと危惧しており、自衛の措置に動かざるを得なかったのが実情だ。

無担保ローンの融資残高を見れば、貸金業者と銀行の逆転が鮮明。総量規制が導入されないように自主的に動いた形です。


好機狙った「TPP11」 首相「いずれ米国迎え入れ」 日米対話後に照準

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS22H0K_S7A420C1EA3000/

安倍政権がTPP11を進める真の狙いは、いずれ米国を引き戻すことにある。日本主導で地域の通商・貿易ルールをつくり、時が満ちてから米国を迎え入れる――。首相の意思は固まっていたが、問題は構想を表明するタイミングにあった。トランプ政権との関係構築の段階にある中で、あまりに早く「米抜き」を表明すれば、米側の反発を招く恐れもあり、参加国の不安にもつながる。一方、日本がいつまでも態度をあいまいにすれば、参加国の足並みが乱れかねない。

米国とは水面下で間合いの探り合いをはじめた。米側は2国間交渉を要求するが、TPP11ははばまない――。感触を得た日本は構想表明のタイミングとして日米経済対話後に照準を絞った。米側ともきっちり話をつけて進めているとの他の参加国へのメッセージを込めたものだ。

米国とのFTAに前向きな国への根回しも進めた。同日の日本とASEANの経済閣僚会合。「FTA一本足にならないほうがいい」。世耕経済産業相はベトナムのアイン商工相に呼びかけた。

11カ国のTPPはあくまで米国を含む12カ国の枠組みを捨てているわけではないというのが共通認識なんでしょう。


「反保護主義」削除、米譲らず G20、為替政策は維持 温暖化対策の記述なし

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14263270Z10C17A3EA2000/

米国はG20会議がほぼ毎回といっていいほど打ち出してきた「反保護主義」に代えて、「自由で公正な貿易」という文言を声明に盛り込むよう事務レベルの事前調整の段階から主張した。

米の意図をかぎ取った中国は、「公正が何を意味するのかはっきりしない」と主張した。先鋭化する米中対立を収めきれないとみた議長国ドイツ。貿易政策に関する有意な表現を声明から落とさざるを得なくなった。

見逃せないもう一つの焦点が、為替政策を巡る力学変化だ。トランプ大統領は「我々の通貨は強すぎる。(米企業は)競争できない」と強調。米国はG20会議に向け「通貨安競争を懸念する」との文言を声明に入れるよう求めていた。「懸念」は日中独を指すのが明白なだけに、3カ国は文言変更に反対した。

麻生さんの黙認も微妙な駆け引き。米の出方を伺いながらの各国の間合いが見てとれるようでした。


接待消費 じわり復活 「ビジネスに必要」税が演出

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC09H0W_R10C17A3EA3000/

国税庁の会社標本調査によると、交際費は2012年度以降、右肩上がりで伸びている。きっかけは13~14年度税制改正だ。消費増税の影響を和らげるため「接待、お歳暮、お中元。気持ちよく使おうよ」と麻生財務相の旗振りで見直しが実現した。

大企業では社内飲食を除く交際費の半分まで、中小企業は年間800万円までは全額損金算入を認めて税がかからなくなった。税理士の伊藤氏には設立して10年に満たない会社からの相談が多く舞い込む。「税制改正で交際費に対する心理的障壁が下がり、売り上げに必要な経費として捉えられるようになった」(伊藤氏)

ホテルニューオータニを訪ねると、16年度の領収書の発行枚数が14年度より1割増加しそうだという。20人収容の部屋が多く利用されるようになり、昼食接待も伸びる傾向にある。「社内接待」も増えている。プリンスホテルでは、会議や研修で利用される部屋の売り上げが13~15年度で6%増加した。

ちょうど2015年度の総額が出ていましたが、前年度比7.2%増の4年連続増ですから間違いなく増えています。


経済対話 同床異夢 車・金融駆け引き 日本、FTA回避探る

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC11H01_R10C17A2EA2000/

経済対話で麻生副総理・財務相のパートナーになるペンス米副大統領はトヨタ自動車などともパイプが太く、もとはTPPの賛成論者だ。「交渉相手として不安はない」(外務省幹部)。トランプ氏の攻撃を直接受けない枠組みを作ることで「日本は一定の成果をあげた」(国際通商筋)。

トランプ政権が日米FTAを持ち出しても、日本はすぐには土俵に上がれない。他のTPP加盟国のメンツが潰れるうえに、農産物という日本の泣きどころに切り込んでくるのが確実だからだ。仮にFTA交渉に入って米がTPPを上回るような譲歩を迫ってくれば、国内農家の説得などに多大な政治的エネルギーを費やさざるをえなくなり、国内の反米感情をあおるリスクが高まる。

日本は米とのFTA交渉をできるだけ避け、代わりに対中国貿易改善に向けて両国の連携を前面に打ち出す腹づもりだ。対中貿易をあたかも「仮想敵」に据えて日本への矛先を外そうという巧妙な戦術。

いち早く厚遇された安倍さんが、各国と米国をつなぐパイプになるとの見方があります。ハブは重要な役目だと思います。


TPP実現 2枚の切り札 「雇用創出」「中国脅威」で変心狙う

9695999993819481e3e59ae38a8de3e5e3e3e0e2e3e49793e3e2e2e2-dskkzo0967948018112016ea1000-pn1-7

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS17H1X_X11C16A1EA1000/

首相が今後のトランプ氏との会談などに向けて用意している殺し文句があると周辺は明かす。「雇用」と「中国」だ。トランプ氏が大統領選でTPPからの離脱を唱えたのは、米国の雇用確保の文脈でだ。だが日本が米国の雇用創出に貢献できるなら、トランプ氏のTPPへの懸念も減らすことができる。

トランプ氏の中国への厳しい姿勢も活用する。首相はTPPの発効手続きが進まない場合は「(米国が参加しない)RCEPに軸足が移っていくことは間違いない」と踏み込んだ。中国主導のRCEPが主流となれば、世界の貿易ルールは米国でなく中国主導になる。そうしたリスクを米側に突きつける考えだ。

首相がTPPに強くこだわるのは、金融政策頼みの経済政策に限界がささやかれるなか、TPPが成長戦略の最後のよすがだからだ。日本の輸出に占めるTPP参加国の割合は約30%。ところが米国が抜ければ約12%に下がり、GDPの押し上げ効果は半減する。

TPPにまつわる日米姿勢が理解できました。大統領就任前の非公式会談なので、写真などは出ないんでしょうね。