日欧、自由貿易重視示す チーズ輸入枠、15年で無税 国内農家支援へ新組織

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18530530W7A700C1EA2000/

2013年4月の交渉開始から4年。膠着状態が続いたが、協議は急速に進展した。米国離脱でTPPの機運が薄れた日本と、英国のEU離脱に揺れる欧州の思惑が一致。保護主義的な動きが強まる中、自由貿易推進の立場を共有したのが大きい。

チーズでは15年かけて無税にする輸入枠を設けるほか、ワイン関税も即時撤廃する。国内メーカーの反発も予想されるが、関税が下がれば、日本の食卓で欧州からの輸入食品を味わう機会が増え、消費者にも恩恵が及ぶとみられる。

政府は首脳レベルの大枠合意を受け、国内向けの対策作りに着手する方針だ。安倍首相が各省に指示し、全閣僚が入る対策会議で協議する。内閣官房に置くTPP政府対策本部を改組し、TPPと日欧EPAの発効に備えた対策の新たな事務局に衣替えする。

大筋合意ではなく大枠合意という言葉を使うのも、より成果を強調する狙いがあるようです。


中国との対話路線維持 台湾行政院長 TPP11「日本が主導、歓迎」

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18071740U7A620C1EA1000/

――台湾を国と認めて外交承認するのは20カ国に減りました。バチカンや中米ニカラグアとの関係にも懸念があります。「どの友好国も対岸(中国)の次の目標になる可能性を排除できない。我々は一貫して良好な関係の維持を望んでおり、臆測には答えられない。対岸はパナマと台湾の外交関係に、強大な経済力を背景にした影響力を行使した。同じやり方が続くなら、他の友好国との関係にもリスクはある」

――TPP11をどう考えますか。「機会があれば参加を強く希望する。貿易は台湾が経済発展するための中核で、開放は必然だ。対岸は政治的な理由で、別の国が我々とFTAを結ぶ際に影響力を及ぼす。日本が主導することを歓迎する。我々は加入に向けた準備を進めている。投資障壁を減らすなどの法整備を始めている」

――台湾の安全保障の要である米国は、北朝鮮問題での協力を期待し中国と接近しています。「米国との非常に良好な関係は続いており、北朝鮮問題の影響は受けていない。米国が地域の安定と同時に、対岸との関係を維持したいと考えるのは理解できる。現状維持の立場は台湾と一致している」

対岸の外交圧力に屈しないけれども穏健路線の維持という微妙な立場ですね。日台は関係性を深めて欲しいです。


NZ首相「TPP米の復帰望む」 11カ国の結束カギ

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16533050X10C17A5EE8000/

NZは日本やオーストラリアと並び、TPP11を推進しようという立場にある。発効に向けて、TPPの内容の変更は最小限に抑えるとの立場も日本とおおむね一致していることが確認できたことになる。

ある国が修正を求めれば、別の国も何かを主張する可能性が高く、収拾がつかなくなる恐れがある。そのため日本など推進派の国は「11カ国で発効させるには内容に触れないのが現実的」(政府関係者)と見る。

今後の課題は、日本やNZとは意見や立場が異なる国をいかに巻き込んでいくか。例えば米国の市場開放を期待して参加したベトナムやマレーシア。基準を満たすために、国営企業改革など国内の反対を押し切った経緯があり、内容の見直しを訴える動きもある。

NZと日本はおおむね一致。課題は米国の市場開放を期待して参加したベトナムやマレーシアとのすり合わせ。


経済対話 同床異夢 車・金融駆け引き 日本、FTA回避探る

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC11H01_R10C17A2EA2000/

経済対話で麻生副総理・財務相のパートナーになるペンス米副大統領はトヨタ自動車などともパイプが太く、もとはTPPの賛成論者だ。「交渉相手として不安はない」(外務省幹部)。トランプ氏の攻撃を直接受けない枠組みを作ることで「日本は一定の成果をあげた」(国際通商筋)。

トランプ政権が日米FTAを持ち出しても、日本はすぐには土俵に上がれない。他のTPP加盟国のメンツが潰れるうえに、農産物という日本の泣きどころに切り込んでくるのが確実だからだ。仮にFTA交渉に入って米がTPPを上回るような譲歩を迫ってくれば、国内農家の説得などに多大な政治的エネルギーを費やさざるをえなくなり、国内の反米感情をあおるリスクが高まる。

日本は米とのFTA交渉をできるだけ避け、代わりに対中国貿易改善に向けて両国の連携を前面に打ち出す腹づもりだ。対中貿易をあたかも「仮想敵」に据えて日本への矛先を外そうという巧妙な戦術。

いち早く厚遇された安倍さんが、各国と米国をつなぐパイプになるとの見方があります。ハブは重要な役目だと思います。


日米、経済・安保議論へ トランプ氏「公約なし遂げる」 首相「日本の車産業、米に貢献」

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS28H0S_Y7A120C1NN1000/

首相は自動車産業を含む日本企業の雇用面などでの米国経済への貢献を説明した。トランプ氏が外国企業が人件費の安いメキシコに工場をつくって米国に輸出し国内雇用を奪っているとの批判を展開していることに配慮したとみられる。

日本も米国との2国間交渉では立場は弱い。米国から輸入される工業品への日本の関税はほぼ撤廃されており、農産品の関税引き下げだけが求められるとの懸念がある。トランプ氏が安全保障との取引を持ち出した場合、米軍の抑止力に防衛を依存する日本はさらに厳しい立場に立つ。

トランプ氏は選挙期間中、在日米軍の駐留経費の日本の全額負担を求めるなど同盟関係の見直しに再三言及してきた。会談では今後の日本の防衛負担のあり方が議題に上がる可能性もある。

FBで各国首脳との電話会談について発信していますが、日本は登場しませんでした。英国も日本も不利な立場。


通貨と通商 二重の圧力 米、2国間協定に為替条項 金融政策標的の懸念

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDF27H0E_X20C17A1EA2000/

トランプ氏がTPPから「永久離脱」した大きな理由も為替だ。ここまで牙をむくのは「ドル高は米雇用にマイナス」という理屈が世論受けしやすいためだ。日本車にシェアを奪われる米自動車大手もTPPを「通貨安政策への十分な対応が盛り込まれていない」(米自動車政策評議会のブラント代表)と批判。さらなるドル高を阻止する点でトランプ氏と米製造業の足並みがそろう。

だが、相手国の為替政策を無理に縛ろうとすれば、特にシンガポールのように為替介入を恒常的にしている国は米と交渉のテーブルにつけない。日本など先進国も為替条項の明文化に応じる可能性は低いため2国間の通商協議は暗礁に乗り上げ、トランプ氏は自らの首を絞めるかたちになる。

世界で唯一の基軸通貨国が国際合意と整合性の取れないルールを押しつければ、為替安定策がダブルスタンダードとなり市場が大混乱するばかりか、自国通貨をドルに連動させる「ペッグ」が崩れてドル離れが加速するリスクがある。

「ドル高は米雇用にマイナス」という理屈が世論受けしやすいため、通貨にこだわりがあるようです。


米国の選択 怒る白人の受け皿に

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO09986820W6A121C1TCL000/

「外国と自由貿易協定を結ぶことで米国の産業が空洞化し、雇用が失われる」というトランプ氏の主張の象徴が「TPPからの離脱」でした。高収入の仕事がなくなり、低賃金の不安定な雇用しか残っていない人たちには、「自由貿易」のメリットを聞かされても、何の意味もありません。「強い米国を取り戻す」という、わかりやすい、しかし内容のないスローガンが心に響いたのです。

自由貿易を否定し、中国製品など外国産の商品に高い関税をかければ、結局は米国内での物価上昇につながり、トランプ氏に投票した人たちの生活が苦しくなります。そうなったとき、彼らはどんな反応を示すのでしょうか。そのときトランプ大統領は、どこかに「敵」を作り出し、敵に向かって国民の団結を呼びかける。そういう事態になることを恐れます。

最も有効な手段は、インターネット動画での発信でしょう。TPP離脱宣言も、インターネット動画での演説でした。従来の大統領でしたら、記者会見で発表するもの。でも、そうなると、記者たちの鋭い質問に答えなければなりません。インターネット動画なら、その心配はありません。たとえ事実誤認や誇張があっても、その場で追及されることはありません。トランプ氏のような人物にとって、絶好のメディアなのです。

自由貿易否定による弊害と懸念、ネットメディアの活用について。これまた分かりやすい池上解説でした。


安倍外交、正念場に TPP漂流・北方領土に暗雲 打開策、トップ関係に期待

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO09863970U6A121C1PE8000/

TPPを巡り「決して内向きになってはならない」と訴えた直後、トランプ氏にビデオ声明でTPP撤退を突きつけられた。9月のロシアで首相は「プーチン大統領の夢は私の夢」と蜜月を誇ったが19日の首脳会談では一転。プーチン氏は領土交渉は「簡単なものとはほど遠い」とクギを刺した。

経済外交でも波乱があった。ベトナムが原発建設を中止し、日本からの原発輸出が頓挫した。インフラ輸出で数少ない有望な事例として推進してきた。

首脳との強い信頼を国益に結びつけるのが安倍外交。逆風を順風に変えるのも首脳との信頼関係がカギとみる。首相は第2次政権発足時に揺らいでいた日米同盟を、ビジネスライクなオバマ大統領と一定の信頼を築いて立て直したのが成功体験になっている。

萩生田氏の不良発言はなかなか面白いと思いましたが、野党から批判が出ているようで。


米、貿易協定2国間で 経済外交の「主役」に トランプ氏、強硬姿勢印象づけ

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http://www.nikkei.com/article/DGKKZO09857470T21C16A1EA2000/

代わって打ち出したのが「貿易協定は2国間交渉での締結を目指す」との方針だ。TPPのような多国間交渉では、米国の交渉力は相対的に弱まる。相対交渉であれば自国の経済力を存分に生かして有利に進められる。

一方で「米国の雇用を奪った」と大統領選中に強く批判してきたNAFTAには言及しなかった。選挙戦で公約したように撤退や再交渉に踏み切れば、自動車産業を中心に米企業にも負の影響が跳ね返るだけに、現実的な影響を見極めながら微妙なかじ取りをしている様子がうかがえる。

見えてきたトランプ氏の通商政策は「強硬主義」と「現実主義」が絡み合う。「為替操作国である中国からの製品輸入に45%の関税をかける」といった過激な保護貿易主義は影を潜めているが、ある国際通商筋は「ドル高にトランプ氏がどう反応するかが気がかりだ」と不安を隠さない。

タイミングを見計らってかましてきた感じです。各国通商政策練り直し。甘利さんも浮かばれません。


TPP実現 2枚の切り札 「雇用創出」「中国脅威」で変心狙う

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http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS17H1X_X11C16A1EA1000/

首相が今後のトランプ氏との会談などに向けて用意している殺し文句があると周辺は明かす。「雇用」と「中国」だ。トランプ氏が大統領選でTPPからの離脱を唱えたのは、米国の雇用確保の文脈でだ。だが日本が米国の雇用創出に貢献できるなら、トランプ氏のTPPへの懸念も減らすことができる。

トランプ氏の中国への厳しい姿勢も活用する。首相はTPPの発効手続きが進まない場合は「(米国が参加しない)RCEPに軸足が移っていくことは間違いない」と踏み込んだ。中国主導のRCEPが主流となれば、世界の貿易ルールは米国でなく中国主導になる。そうしたリスクを米側に突きつける考えだ。

首相がTPPに強くこだわるのは、金融政策頼みの経済政策に限界がささやかれるなか、TPPが成長戦略の最後のよすがだからだ。日本の輸出に占めるTPP参加国の割合は約30%。ところが米国が抜ければ約12%に下がり、GDPの押し上げ効果は半減する。

TPPにまつわる日米姿勢が理解できました。大統領就任前の非公式会談なので、写真などは出ないんでしょうね。